大切な人との特別な食事での1杯も、疲れた1日の終わりに飲む1杯も、ワインはその時の気持ちに寄り添い、心を豊かにそして落ち着かせてくれる存在です。
また1杯のワインがいつもの日常にちょっとだけ彩りを与えてくれます。
そんなワインのある暮らしを覗いてみませんか?エノテカスタッフの生活に馴染んだワインのある暮らしをお伝えします。
今回はクリスマスを目前に、家族でワインを囲む幸せなひとときをご紹介します。
著:萩原 千夏
ワインショップ・エノテカ ルミネ荻窪店 スタッフ。 入社3年目。イタリアンレストランでアルバイトをしていたときにお世話になったソムリエに憧れ、ワインの世界に。趣味は幼稚園の頃から続けているテニスで、今も休日は友人とテニスを楽しんでいる。
「今日は○○なワインを買ったよ!」
仕事終わりに母にこう連絡するのが日課です。すると、母からは「じゃあ、それに合わせて何か作るね!」という返事が返ってきて、私はどんな料理が待っているのかワクワクしながら帰宅します。
母はもともと「ワインは外で飲むもの」という考えでした。家でワインを開けることはほとんどなくどちらかと言えばビールや日本酒派。ワインは好きだけど飲むのはレストランでばかり。
そんな母が変わったのは、私がエノテカで働き始めてからでした。 今では、ワインに合わせた料理を作ることが日々の楽しみになり、一緒にワインを飲む時間がすっかり日常の一部となっています。
先日プロヴァンスのロゼワインを買ったときには、私のリクエストに応えて母がアクアパッツァを作ってくれました。魚介の旨みがたっぷりのアクアパッツァがお皿に盛りつけられ、そこにロゼの爽やかな香りがふわり。ひと口食べるたびに、ワインのフレッシュな味わいと魚の旨みが口の中でぴったりと重なり合います。あまりの美味しさに、いつも以上に会話が弾んだ特別なひとときでした。
また、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日には、母がトマトとモッツァレラチーズを使ったカプレーゼを用意してくれました。フレッシュな味わいのヌーヴォーとカプレーゼの程良い塩味がぴったりで、家族みんなで解禁日を楽しく過ごすことができました。
毎回、母がワインに合わせて作ってくれる料理が、私の楽しみの一つです。ワインと料理が一体となって口の中で広がる美味しさは、何とも言えない幸せを感じさせてくれます。
そして、もうすぐクリスマス。毎年、この時期には家族でパーティーを開くのが恒例です。今年も、離れて暮らしている兄とその奥さんが帰ってきてみんなで集まる予定です。泡、白、赤は2本くらい必要……?と、今からどんなワインを買おうか、そして母がどんな料理を作ってくれるのか想像するだけで胸が躍ります。
兄とはとても仲が良く、二人でワインを飲みながら夜遅くまで語り合うこともあります。仕事の悩みや恋愛の話など、普段はなかなか話せないことを深夜まで話していると、時間があっという間に過ぎていきます。
こうしてワインを囲みながら家族と過ごしていると、日々の忙しさやちょっとした悩みが忘れられ、心がなんだか温かくなります。私はかなりの負けず嫌いで、いつも「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込んでしまうタイプなのですが、そんな時にこそ、家族との時間やワインが心を癒してくれています。この幸せな時間が、これからもずっと続いていきますように。
これが私のワインのある暮らしです。