ワインと音楽 音楽家たちが選ぶワインのためのプレイリスト

お気に入り追加

エノテカタイムス
公開日 : 2025.3.3
更新日 : 2025.3.3
シェアする
ワインと音楽、音楽家たちが選ぶワインのためのプレイリスト

ひとりでしっぽりワイングラスを傾けるときも、気心知れた仲間とわいわいとワインを楽しむときも、大切な人とグラスを交わすときも、その空間を彩る最後の仕上げは音楽ではないでしょうか。


心地よい音楽で満たされた空間でワインを飲んでみることを想像してみてください。あなたの手にあるワインの香りと味わいが音楽と調和して、さらに至福のひとときを演出してくれるはずです。


ワインと音楽のマリアージュには正解はありません。だからこそ面白く、無限の可能性があります。定番のジャズやクラシック以外にも、様々なタイプの音楽とペアリングを試してみてはいかがでしょうか。今回は、ワイン好きで知られる音楽家3名に、様々なワインシーンに合わせた”ワインのためのプレイリスト“を作っていただきました。


  • サクソフォン奏者・文筆家 菊地成孔さん
  • THE MUSIC BAR Cave Shibuya店長・ボーカリスト 鉄井武さん
  • WONKボーカリスト・料理家 長塚健斗さん


何気ないワインのひとときを、選りすぐりの音楽がおしゃれに盛り上げ、さらなる余韻を生み出します。音楽とワイン、ぜひ合わせてご堪能ください。

目次

菊地 成孔さんが選ぶワインのためのプレイリスト

サクソフォン奏者・文筆家 菊地 成孔(きくち なるよし)さん
サクソフォン奏者・文筆家 菊地 成孔(きくち なるよし)さん

1963年千葉県生まれ。ジャズ・ミュージシャンとして主に活動しながら、ジャンル横断的な音楽、文筆活動を行う。ラジオやテレビ番組でのナビゲーター、選曲家、批評家、映画やテレビの音楽監督、プロデューサーとしても活躍する。

あえて普段聴かない音楽が、新しいペアリング体験に導く。

料理と酒は口に入るものですから、マリアージュは当然存在しますよね。原理的な「シーフードには白」「肉は赤」から始まって、なかには科学的にも証明されている法則があるじゃないですか。


でもこれが音楽になると何もないんです。音楽は聴覚情報で匂いも味もなく、魔法や東洋医学に科学的根拠がないように、ワインと音楽の組み合わせには実体がないんです。でも仕事柄ずっと「音楽に合うワイン」とか「ワインに合う音楽」を選んでいて、やる度に我ながらいいなと思います。根拠がないので良いも悪いもないんですが……。ワインに合わせる音楽を選ぶときに必ず心がけているのが、”魔法みたいな楽しさ“を加えること。例えば、ワインを嗜む方があまりやらないような、フランスの現代音楽にはフランスワインが合うんじゃない?とか考えたりするのが楽しいんです。


ワインを飲むときは、ボサノバやクラシック、ジャズを聴いたら、まぁ安パイですし、ワインバーやレストランではそうした曲で溢れていますよね。でも、ワインを飲むときにまず聴かないよね、っていう厳しいフランスの現代音楽が意外とエレガントでワインに最高にマッチしたりします。お酒を飲む感じではない現代音楽や民族音楽も、音楽的審美眼から言うとエレガントで、ワインとよく合うと思います。今やいろんな音楽が自宅で楽しめる時代です。最初はガラガラポンでいいので、現代音楽、民族音楽、エレクトロニクス、50~60年代の前衛音楽など、普段聴かないような音楽とワインを合わせてみると、それまでに経験したことがない、唯一無二の気分が楽しめると思います。

休日の夜に一人でしっぽりとワインを楽しむときのプレイリスト:白&泡用

※Spotify の登録はこちらから:https://www.spotify.com/jp/signup  ※ご視聴にはSpotify のアカウント登録が必要です。ご契約プランによってお聴きいただけない楽曲がございます。予めご了承ください。 ※Spotify のご契約プランによってプレイリスト中に広告が流れる場合がございます。

1. Sous Un Parapluie / Lilicub


90年代のDJカルチャーに影響を受けた、「渋谷系新型フレンチポップ」のLilicub(リリキューブ)です。タイトルは「傘の下で」というもので、雨の中、好きな人と一緒に傘の下で見つめ合っているシティポップ的なロマンティークに溢れた1曲ですが、作曲は緻密でゴージャスです。軽さの中に樽感やワイルドパフュームを含ませた、ギリシャあたりの名前を聞いたこともないような白ワインが、大人の恋の気分を引きててること請け合いです。

2. My Ship / Miles Davis


ジャズの帝王、Miles Davis(マイルス・デイヴィス)はなんと甘党で、酒は白ワインが好きだったようです。そのせいかどうか、50年代から60年代初期の作品に漂う、帝王的な気品、傲慢なほどのエレガンス、驚くべき濃密で緻密なクールネスなどなど、白ワインに非常によくマリアージュする楽曲が多いです。


こちらは盟友ギル・エヴァンスのフランス音楽のようなビッグバンドサウンドが、遊びの最終形である「船遊び」という、ほとんどの人々が空想の中で楽しむ行為を見事に音像化しています。やや足場の悪い船上での乾杯を想起しながら、安シャンパーニュから最高級のムルソーまで、あなたを船遊びの世界に誘ってくれます。

3. Boplicity / Miles Davis


同じくマイルス・デイヴィスの楽曲です。My Shipからさらに10年ほど遡ると、すっかりニューヨークの洗練が現れます。収録アルバムの名は「クールの誕生」。キリッと冷やした白ワインで、ミネラル感を贅沢に味わうには最適です。

4. 色彩のサンバ / 菊地成孔


私とカヒミ・カリィさんの歌唱による楽曲です。こちらはちょっと羽目を外して踊ったりするために、カフェにあるさまざまなリキュール、コニャック、アルマニャック、カルーア、フランジェリコ、マールやチンザノまでを踊りながら煽れる用に作りました。ですが、今回は踊っている誰かを座って見つめながら、涼やかでセクシーな気分のための白ワインとの合わせをご推薦します。

5. If You Could See Me Now / Bill Evans Trio


ジャズ・スタンダード、ビル・エヴァンス・トリオ、オリジナルジャケット、デジタルリマスター。こうしたものは、20世紀にはコーヒーやウイスキーが供されていました。私の嗜好では、それらはこの楽曲を聴くには苦すぎます。よく糖が感じられるシャルドネ、あるいは、少し重めのロゼワインなどが、この古典的な音源に新たな命を与えるでしょう。

6. Patterns in a Chromatic Field No.9 / Morton Feldman


アメリカの現代音楽の作曲家、Morton Feldman(モートン・フェルドマン)の楽曲ですが、何かお好きな映画の音声を消し、シャンパーニュを飲みながらイヤフォンで聴くことをおすすめします。滅多にできないことだと思いますが、あなたの現実感を、現代音楽とシャンパーニュが静かに変えてしまうかもしれません。

7. The Star-Crossed Lovers / Duke Ellington


スパークリングワインと白ワインの選曲は「ブランデーやウイスキー等のハードリカーから、白ワインへ」という全体のテーマが貫通しています。


日本ですと織姫と彦星、年に一度だけ星が交わる時の逢瀬を描いた名曲も、20世紀はいささか男性の嗜みでした。文句なしのスティーミー・ロマンティック・チューンをドライな白ワインで。それだけで世紀は変わり、新しい時代のエレガントが生じるはずです。

8. Easy Lovers / Piero Piccioni


懐かしや「渋谷系」の時代には、大御所エンニオ・モリコーネと肩を並べるレコード盤の高値を誇った、愛すべきB級映画音楽家のPiero Piccioni(ピエロ・ピッチョーニ)ですが、あの時代から幾星霜、時代はイタリアン・チネ・ムジカはラウンジのシャンパンミュージックとしてすっかり完成しています。

9. A faint signal / Infinity Frequencies


今回のリストでは赤ワイン用に選曲したL'Impératrice(ランペラトリス)と並ぶ21世紀の音楽で、こちらは「新・ラウンジ」ミュージックと言えます。もはや手弾きか打ち込みかサンプリングかも判然としない、ひたるら人工的で4小節しかないミニマルなレトロフューチュア感は、ギリシャ時代にまで繋がっているようで、フランス産やサードワールドよりも、イタリアンやスパニッシュ、あるいはストレートにギリシャの白濁した白ワインとかのお屠蘇感覚がピッタリきます。

休日の夜に一人でしっぽりとワインを楽しむときのプレイリスト:赤ワイン用

※Spotify の登録はこちらから:https://www.spotify.com/jp/signup  ※ご視聴にはSpotify のアカウント登録が必要です。ご契約プランによってお聴きいただけない楽曲がございます。予めご了承ください。 ※Spotify のご契約プランによってプレイリスト中に広告が流れる場合がございます。

1. Le marteau sans maître / Pierre Boulez


「現代音楽は難しくて、どれも同じに聞こえるし、そもそもお酒を飲む時に聴くもんじゃないわ」という方も多いと思われます。しかし、現代音楽も、よく聴くとフランス産、ドイツ産、アメリカ産では全然違います。19世紀から20世紀初頭のラヴェル、ドビュッシー等の伝統に直結しているPierre Boulez(ピエール・ブーレーズ)の現代音楽は、フランス的な優雅さとエスプリに富んでいて、ローヌの赤ワインに代表される、森の恵みがダイレクトに伝わる複雑さがこのサウンドと共鳴し合う感覚は耐え難いフランス的な喜びがあります。モダンバレエや美術展など、アートに触れる場所でもワインは供されますが、そんな時の気分を思い出してください。

2. Piano Concerto No.2 in C minor Op.18 / Sergei Rachmaninoff


Sergei Rachmaninoff(セルゲイ・ラフマニノフ)は帝政ロシア時代のロシア人作曲家ですが、魔法や呪術に傾倒するほどの濃厚なサウンドを作り、ショパンやチャイコフスキーのようなポップで軽いサウンドではなく、ワインの古代史であるジョージアやバルト諸国のような、歴史にも文化にも「重さ」「寒さ」が横溢した世界観にぴったりです。


ワインは時として、驚くほど濃密で、時として絶望的な、哲学的な思索や、なかなか思い出すことがない、深くて強い思い出を引き摺り出したりします。そうした、ワインによって詩人や哲学者になってしまう、ドープなあなたにこの楽曲は最高のマリアージュを見せるでしょう。赤ワインのフルボディ以上のフルボディ、ポルトやブランデーでも合いそうな濃厚さと激烈さを、あえて赤ワインに留めて。


第1楽章は、まずその世界観に引き込まれます。第2楽章はピアノの独奏が多く、スペクタクルよりも、内省的で幻想的な世界にあなたを連れてゆくでしょう。第3楽章はむせ返るような濃密なロマンティシズムが怒涛のように訪れ、むしろ水やウイスキーでは受け入れきれない、ワインのあらゆるイメージと響き、香り、味と渾然一体となるマリアージュを体験できると思います。

3. Hématome / L'Impératrice


ワインとフードのマリアージュの古典には「産地を揃える」ということがあります。すなわち、フランスの音楽とフレンチワインと合わせるという方法は経験則上、かなり有効です。L'Impératrice(ランペラトリス)は、今では絶滅種と言われている「フレンチポップ」界に於いて、ジャズやハウス、ソウルの要素を取り入れて、21世紀のヌーヴェル・フレンチ・ポップをクリエイトした優れたチームです。


2曲選曲しましたが、「Hématome」はずっしりしたビートで情感に溢れ、パーティーのような、ヴェールを持ってよく動木、興が乗ったらちょっと踊ったりするようなシュチュエーションに合うと思います。ボルドースタイルのフルボディのワインとの相性がよろしいと思います。ビートの粘りはタンニンに、フランス語のヴォーカルはアロマに、今や死語かもしれませんが「オトナ可愛い」の真髄を味わえます。

4. Off to the Side / L'Impératrice


同じグループの曲ですが、こちらは会話にも疲れて、ソファやベッドとかで曲に染み入ったり、一人に閉じこまりたい時に、ピノ・ノワールやガメイなどの華やかな物と一緒にやって、脳内で踊ったり体を揺らしたり、色々なことを思い出すのにとても良いです。テンポが早く、映画の主人公になったような、いささかナルシスな時間を味わえるでしょう。

5. The Cigarette Duet / P rincess Chelsea


あなたを大人にするサウンドが続きましたので、思いっきり退行し、子供に戻れる、チープでストレンジなザ・シガレット・デュエットで、コンビニで売っているオモチャのようなワインを、お菓子と一緒に嗜む喜びを。あらゆる人が「懐かしい」と思う魔法がかかっています。

6. Fall / Miles Davis


ジャズの帝王と呼ばれ、様々な音楽との融合を果たしてきたMiles Davis(マイルス・デイヴィス)の、膨大な生涯全作品の中でも、赤ワインとの相性が最も良い曲がこれです。


この曲は実は追悼曲なのですが、そんな雰囲気は微塵も感じさせない、抽象的で濃密な悲しみと乖離の感覚に溢れ、むしろ幽玄さも漂います。濃いめのロゼワインでも、ホットワインのような手間を加えたものでもマリアージュは高いでしょう。ジャズは、他の音楽と違い、一人ひとりのプレイヤーが順番に演奏してゆきます。それはあなたに語りかけるようで、何も語ってはくれないようで。あなたは贅沢でエレガントな孤独感を味わうことになるでしょう。

7. The Look Of Love / 菊地成孔


以下、2曲は拙作で、特にこちらは歌っておりますので、紹介するのはいささか気恥ずかしいのですが、私の作品の中でも最も赤ワイン用に作られておりますので、ぜひお楽しみください。


東京で伴奏をレコーディングし、パリでヴォーカルトラックをレコーディングしております。バート・バカラックの名曲ですが、私とカヒミ・カリィさんの崩れ落ちるような儚い歌声がラテンフィールな伴奏の上で恋を歌い、レコーディングの現場にもたくさんのボルドーワインが並んでいた記憶があります。パーティー用にも、一人飲み用にも最適です。

8. 愛のテーマ / 菊地成孔


「ガチのクラシックは、ちょっと疲れてしまうなあ」という方に。こちらも拙作ですが、テレビドラマ「岸辺露伴は動かない」のために作曲・録音した「愛のテーマ」をどうぞ。非常にロマンティックな香気溢れる楽曲ですが、伴奏に工夫を凝らしており、酩酊するような作曲法を使用しています。映画音楽ぐらいがちょうど、という感じにお勧めいたします。香りとアルコールが回り、そのうち音楽はメロディやコード進行ではなく、各楽器のリズムの万華鏡のようなものばかりが見えてきて、赤ワイン独特の酩酊感を強めてゆくことでしょう。

鉄井 武さんが選ぶワインのためのプレイリスト

THE MUSIC BAR店長 鉄井 武(てつい たけし)さん
THE MUSIC BAR店長 鉄井 武(てつい たけし)さん

1981年神奈川県生まれ。渋谷にあるTHE MUSIC BAR Cave Shibuyaの店長を務めながらバンドCHASEDOWNのボーカル、個人としてエクスペリメンタルやR&B、ヒップホップなどの幅広いジャンルの音楽活動を行う。

誰とどこで飲むのか、そこに音楽のスパイスを加える。お酒を飲む場での空間づくり

仕事柄、お酒と音楽の組み合わせを考えますが、組み合わせというよりもその時の空間づくりを僕は重要視しています。夜10時頃には、お店はほとんど真っ暗でキャンドルの明かりだけが頼りになります。ワインのグラスにキャンドルの光が反射すると、なんとも言えない雰囲気になるんです。いい雰囲気だと、感じる味わいも変わると思っていますし、お客様には、この空間で飲むワインを美味しいと思ってほしいんです。ワインを飲み始めたころに、仲間と地元のレストランで安いワインを飲んでバカ騒ぎした経験があります。高価なワインじゃなくても、そのときの人と空間に価値があって忘れられない思い出になる。そしてそこに音楽があることで、空気が張り詰めずに心も軽くなる感じがするんです。


THE MUSIC BAR Cave Shibuyaでは、空間に自然と音楽が溶け込んでいます。


選曲するときに気を付けていることは、デートでも何回目のデートなのか、親しい友人との集まりなのか、なるべくお客様のシチュエーションを察知するようにしています。というのも、その時飲んだお酒や流れている音楽が会話の中心になったりもします。ワインを飲んだことがない人がこういった場所で初めてワインを飲んで、あとから「あ、この曲聴いたことがある。あの時飲んだワインは美味しかったな」と思い出していただけるような空間づくりと選曲をしています。

大切な人と二人で ゆっくりワインを楽しむときのプレイリスト

※Spotify の登録はこちらから:https://www.spotify.com/jp/signup  ※ご視聴にはSpotify のアカウント登録が必要です。ご契約プランによってお聴きいただけない楽曲がございます。予めご了承ください。 ※Spotify のご契約プランによってプレイリスト中に広告が流れる場合がございます。

1. 1979 / The Smashing Pumpkins


赤ワインと食事を楽しみながら聴きたい 、どこかノスタルジックなイントロが印象的。久々に会う二人のために、自然と会話もはずむ1曲を選びました。

2. Sentimental Kills / Cheer Chen


アコースティックギターとボーカルのみのSentimental Kills。どこか切なく感じられる曲調に、フルーティーな白ワインを飲みながら二人でぼーっと過ごせることでしょう。

3. Disintegration / Jimmy Eat World


曲中の "stay on my side tonight" という歌詞が印象的です。二人が好きなワインを飲みながら寄り添い合って聴いて欲しいですね。

4. Song #6 / Freak Power


『CODE 46』という映画の挿入歌です。映画自体は悲しい結末を迎えますが、〆のデザートワインを飲みながらその日の素敵なエンディングを迎えていただきたい。

5. The Downtown Lights / The Blue Nile


都会の煌びやかさの中に潜む切なさを感じる曲。ルーフトップでスパークリングワインを飲みながら、目の前に広がる夜景を見つめて、思いにふけていただきたいです。

6. 次の夜 / takeshi tetsui


自身の曲で大変恐縮ではございますが、手頃に買えるようなワインを人目を気にせず公園などで飲みながら聴いてほしいです。

7. 悦びに咲く花 / ACO


当店でも流れる曲でもあり僕自身も大好きな曲です。シャンパンを飲みながらで二人で過ごす時間の”悦び”を味わっていただきたいです。

8. Twentytwofourteen / The Album Leaf


イントロのキーボードの音色とライトな赤ワインが絶妙に合う曲だと思います。二人の会話を邪魔しない曲は映画のワンシーンのように演出をしてくれると思います。

9. Japanese Gum / Her Space Holiday


タイトルで選んだところもございますが、外国人からしてみれば日本のガムは味が長続きするという表現があります。日本の甲州ワインなど飲みながら聴いていただけたらと。

10. Forever Young / Alphaville


「永遠の若さ」をテーマにした曲ですが、いつまでも素敵な二人でいてほしいという願いを込めて、いつもは飲まないようなちょっといいワインを飲みながら聴いてほしいです。

長塚健斗さんが選ぶワインのためのプレイリスト

ボーカリスト・料理家  長塚 健斗(ながつか けんと)さん
ボーカリスト・料理家  長塚 健斗(ながつか けんと)さん

1990年東京都生まれ。4人組エクスペリメンタル・ソウルバンドWONKのボーカル。音楽家としてのみならず、元フランス料理のシェフとしての経験から飲食店のプロデュースなど料理人としての一面も持つ。

ワインと音楽の組み合わせには決まりがない。テンポを合わせることで生まれる美味しさ。

ワインとの出合いを大事にしています。もちろん、こういったワインが好きといった好みもありますが、それよりも一期一会を大切にしています。そして、そんなワインに合わせる料理を考えながら音楽を楽しむのが好きです。


僕の中で、ワインと音楽の組み合わせに決まりはありません。逆に「こうじゃなきゃいけない」という考えがそもそも嫌いで、ワインも音楽も食事そのものも、そんな狭い世界で収まるものじゃないと思っています。


時と場合によりますが、パーティーには音楽がほしいですよね。ですが、必ずしもなきゃいけないものではない、とも思っています。特に最近は飲食店で音楽が強すぎる、反対に音楽に関心がなさすぎて雰囲気に合っておらずノイズになっているパターンも多く見受けられます。


音楽をなくしても、料理とワインと会話で満たされることだってよくありますから、そのあたりを見極めることの重要度は思っているよりも高いと感じています。食事にも会話にもワインにも、それを楽しむ最適なテンポ(BPM)があり、それが感覚的にはまった時はワインがより美味しく感じます。ワインと食事、そして一緒に飲む人との会話や食事内容に着目してみてください。じっくり話したいのか、 ゆっくり味わいたい料理やワインなのか、それともテンポよくカジュアルに過ごしたいのか、それさえ見極められたら自ずと音楽は見つかるはずです。

パーティーでたくさんの人とワインを楽しむときのプレイリスト

※Spotify の登録はこちらから:https://www.spotify.com/jp/signup  ※ご視聴にはSpotify のアカウント登録が必要です。ご契約プランによってお聴きいただけない楽曲がございます。予めご了承ください。 ※Spotify のご契約プランによってプレイリスト中に広告が流れる場合がございます。

1. em nome da paz (feat.Anchietx, Cupertino, Leo Guima) / Os Garotin


ラテンな雰囲気が漂うポップなサウンド、みんなで歌いたくなるような中間部分。こんな曲で踊りながら飲むワイン、美味しいに決まってます。

2. Rainbow in Your Eyes / Al Jarreau


休みの日は午前中に家事を終わらせて、スッキリ晴れやかな午後の陽気と共に友人と爽快感のあるスパークリングを開けたくなります。

3. Spiritual Thang / Eric Benét


お気に入りのこの曲を聴きながら、お気に入りのワインを開けて美味しい食事をワイワイ楽しみたいです。

4. 二人ぶんの熱い夢 / 中西保志


盛り上がってきたタイミングで、懐かしさ感じるこんな曲を聴きながら開ける、昔よく飲んだワインを開けてみるのも悪くなさそうです。

5. ROCKMAN / Mk.gee


ワインはかつてのように、「高貴な大人のもの」といったイメージのものではなくなってきているというよりも、もっと可能性が広がってきているなと感じています。ラウドなサウンドに浸りながら飲むワイルドな味のワイン。そんなペアリングがあってもいいでしょう。

6. The Lost Girls / Flying Lotus


浮遊感のあるボーカル、民族的なサウンドと没入感のある構成。メロディアスでありながら複雑さと驚きのある。そんなワイン絶対に美味しいですよね。

7. Life Is Not The Same / James Blake


パーティーも終盤、しっとりとじっくりと会話をするタイミングが訪れることがあります。タンニン強めのワインと濃厚なチーズがそこにあれば、普段は話せない内容もきっと話せることでしょう。

8. For All We Know / Brad Mehldau


もう二度と出会えないかもしれない貴重なワインを飲む時、この曲を聴きながらその味わいを噛み締めたい。

9. 月に濡れたふたり / 安全地帯


かつて勢いで買ったワインを思い出したかのように開けた時、予想とは全く違う驚きの味わいだったことが何度かあります。こんな驚きや感動する美味しさがずっと味わえたらいいのにと願うワインほど、すぐに空いてしまうものです。パーティの最中、そんな瞬間がふと訪れるのもいい思い出になりますよね。

10. How Deep Is Your Love? (feat. Alex Isley) / PJ Morton


最後はみんなで大合唱です。美味しいワインと食事と人と、様々な出会いに感謝を。次のパーティではどんな思い出話と面白いワインに出会えるのか、そんなワクワクがあってもいい。

『エノテカタイムス』は全国のワインショップ・エノテカとエノテカ・オンラインにて配布中です。ぜひお手に取ってご覧ください。 ※一部対象外の店舗がございます。 ※エノテカ・オンラインでは、ご購入画面よりお選びただくことでワインとご一緒に『エノテカタイムス』をお届けします。 ※数に限りがございます。期間中でも配布が終了している場合がございます、予めご了承ください。

    この記事をシェア

    公式SNS・APP

    最新情報やワインの読み物を 毎週お届けします

    line お友達登録

    お買い物に便利! アプリ限定クーポンも随時配信

    公式アプリ

    ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
    妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

    ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。

    エノテカ株式会社はアサヒグループです。