大切な人との特別な食事での1杯も、疲れた1日の終わりに飲む1杯も、ワインはその時の気持ちに寄り添い、心を豊かにそして落ち着かせてくれる存在です。
また1杯のワインがいつもの日常にちょっとだけ彩りを与えてくれます。
そんなワインのある暮らしを覗いてみませんか?エノテカスタッフの生活に馴染んだワインのある暮らしをお伝えします。
今回は手の込んだ料理を作るのが趣味だというスタッフ・福田のとっておきの一皿とワインのペアリングをご紹介します。
著:福田 将也
ワインショップ・エノテカ 仙台藤崎店 スタッフ。 青森県出身。小さい頃から料理が大好きで、良い食材を手に入れてはワインとの最強のペアリングを模索している。
自他ともに認める美味しいもの好きな私の料理は、レシピの設計図を描くところから始まります。
スーパーで目新しい食材を見つけるたびに、それがどんな料理に変わるのか、冷蔵庫にある他の食材とどう組み合わせるのかを考えるのがワクワクします。まるで、食材というピースを組み合わせて一つの作品を完成させるような感覚です。
昨年作った中で特に印象に残っている一皿は、『七ヶ浜産真鱈と竹鶏たまごの冷やしリゾット』です。このときは、知り合いから立派なオクラと、カルローズ米という軽い食感をアルデンテな歯ごたえが特徴のお米をいただいたので、リゾットを作ろうと決めました。
設計図を描きながら、リゾットだけでは物足りないと感じ、何かお魚かお肉を添えたいと思いました。また、リゾットには濃厚な卵を絡めるアイデアも浮かんできました。
買い出しを終えたら、いよいよ調理開始です。設計図をもとに料理を形にしていく過程は、本当に楽しくて仕方がありません。
料理を作り終えたら、最後にもう一つ楽しみがあります。それは、料理にぴったりのワインを選ぶことです。ワイン選びは、料理の最後の仕上げのようなもの。この一皿を最高に美味しくしてくれると思うワインを選びます。
リゾットにはラングドック・ルーション地方の白ワインを合わせてみました。真鱈の上品な旨みと、白ワインの爽やかな酸味が絶妙に調和し、食べるごとに口の中で幸せが広がります。特卵のまろやかな食感とワインのコクが見事に重なり、大満足のペアリングでした。
ワインと料理は、どこか似ていると思います。ワインの生産者がシェフであり、ブドウが食材、醸造が調理過程にあたります。どちらも時間と手間をかけて完成させた逸品。何も考えずに気軽に楽しむのも良いですが、じっくりと考えながら味わう時間が私にとっての至福のひとときなのです。
次はどんな料理を作ろうか、どんな食材に挑戦しようか。新しい食材やレシピに出会うたびに、次はどんなワインが合うのだろう?と考えながら、ワクワクしながらキッチンに立ちます。
これが、私の「ワインのある暮らし」です。
コラム内に登場したワインはこちら
コトー・デュ・ラングドック プエッシュ・ノーブル・ブラン
白
アロマティック&ピュア
コート・ロティ最高峰の生産者、ルネ・ロスタンがラングドックで造る、注目のハイコスパワイン。3種のブドウのブレンドが生む、エレガンス溢れる味わい。 詳細を見る
3.8
(4件)2022年
4,180 円
(税込)