味と香りを楽しむ嗜好品ワインとコーヒーの共通点

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ライフスタイル
公開日 : 2021.7.26
更新日 : 2023.7.12
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突然ですが、コーヒーはお好きですか?

ワイン好きの方の中には、コーヒーがお好きな方も多いとよく言われます。かく言う筆者もその一人。日々の生活にワインとコーヒーは欠かせません。

どちらにも共通するのが、多彩な味と香り、そしてそれぞれが持つ世界の奥深さでしょう。

本日は、ワインとコーヒーの共通点を、三つの角度から覗いていきたいと思います。

目次

コーヒーの基礎知識

今やコーヒーは、カフェやレストランに留まらず、スーパーやコンビニ、そして自動販売機と、見かけない日はないという程、身近な存在ですね。

ご存知の方も多いと思いますが、そもそもコーヒーとは、コーヒーノキという樹から採れる種子、つまりコーヒー豆を原料に造られる飲料です。

1杯のコーヒーができるまでの道のりは長く、種を撒くところから始まり、約3年をかけて樹は成木となります。やがて白い花が開花し、開花から約8ヶ月かけて実が真っ赤に熟したら、いよいよ収穫となります。

実はここでも既にワインとの共通点が。

ブドウの樹も成木となるまで約3年の時間を要します。そして開花の後実が着色し、やがて収穫となるのです。

収穫されたブドウは、選果をするところから始まり、圧搾や発酵、そして熟成、最終的には瓶詰めという多くの工程を経て、私たちの手元に届けられます。

コーヒーも、収穫後は精選作業が行われ、その後カップテストや等級選別作業を経て輸出され、さらに品質鑑定などを受けたのちに製品となります。さらにそこから焙煎、配合、粉砕といった製造工程を経て、製品となって私たちの手元に届き始めるのです。

我々が口にする1杯までに長い道のりがあるということが、まずはワインとコーヒーの共通点と言っても良いかもしれません。

共通点その① テロワールの概念

「ワインベルト」という言葉を聞いたことはありますか。

ワインベルトとはブドウの栽培に適した地域を表したもので、具体的には北半球は北緯30~50度、南半球は南緯20~40度の緯度帯のことを言います。

北半球のワインベルトには、フランス、イタリアをはじめとしたワイン大国の他に、カナダやアメリカ、そして日本などが含まれます。南半球のワインベルトにはチリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどのいわゆるニューワールドと呼ばれる産地が含まれます。

これらの地域は、気温や日照時間、年間降雨量をはじめとした、高品質なブドウを育てるにあたって重要な条件がそろっているのです。

これと同じように、実はコーヒーの世界にも「コーヒーベルト」と呼ばれるものが存在します。ワインと同様に、気候や土壌がコーヒーの栽培に適した地帯のことで、ちょうどワインベルトの隙間である赤道を挟んで北緯25度から南緯25度の一帯を言います。

赤道直下ということで暑い国々を連想しますが、この地域の中でも特に山間部でコーヒーは育てられています。山間部の高地で造られることによって、昼夜での気温差が大きくなり、質の高いコーヒー豆の収穫に繋がるのです。

ワインとコーヒー、どちらにおいても生産地域には気候などの条件があり、さらに地域の個性が味わいに大きく影響することが共通点として挙げられるでしょう。

共通点その② 数ある品種

ワインには、黒ブドウのカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、ピノ・ノワール、白ブドウはシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなど、多くのブドウ品種が存在します。

皆さんもお気に入りの品種があるのではないでしょうか。

コーヒーにおいても、ワインと同様にたくさんの品種が存在します。コーヒー豆の品種は、まず「アラビカ種」と「カネフォラ種」に分類されます。

アラビカ種は、一般的にカネフォラ種よりも風味が良いとされ、現在生産されているコーヒー豆の半数以上を占めている品種です。

近年人気を博している「ゲイシャ」も、このアラビカ種の一つ。原産地はエチオピアで、標高1000~2000mの熱帯高地での栽培に適しており、栽培には大変な手間が掛かります。さらに霜や乾燥、病害虫などにも弱いため、栽培がとても難しい品種です。

味わいは酸味が強く、花のような香りやエレガントな余韻が特徴。ブドウ品種に例えると、ブルゴーニュのピノ・ノワールといったところでしょうか。

一方カネフォラ種に属するのは、ほとんどが「ロブスタ」という品種で、病気に強い特性を持ちます。ロブスタ種は苦味が強く渋みがあり、主にインスタントコーヒーなどに使用されています。

ワインと同様に、コーヒーもお気に入りの品種を見つけると、数ある種類の中から自分の好みの味わいを探しやすくなりますよ。

共通点その③ ポリフェノール

ワインに含まれているものといえば、そう、ポリフェノールです。そもそもポリフェノールとは、ほとんどの植物に存在する苦みや色素の元となる抗酸化物質の一つで、5,000種以上の種類があると言われています。

赤ワインの原料となるブドウには、アントシアニンやタンニンをはじめとしたポリフェノール成分が豊富に含まれています。ポリフェノールの健康効果は非常に高いと言われ、特に乳脂肪消費による心臓病が少なくなるとされています。

実は、コーヒーにもポリフェノールが含まれているってご存知でしたか。

コーヒーには「クロロゲン酸類」というポリフェノール成分が含まれています。含有量は、コーヒー1杯(約140cc)に含まれるカフェインが約85㎎に対し、クロロゲン酸は約280mgと約3倍。

コーヒーの飲用が、がんや糖尿病、動脈硬化などの予防に有効であるという研究成果が相次いで報告されていますが、それらにはクロロゲン酸などのポリフェノールが持つ抗酸化作用が寄与しているのではないかと言われ、注目を集めています。

まとめ

ワインとコーヒーの奥深い世界を、「産地」「品種」そして「ポリフェノール」の視点から見てみました。

「ワインは飲むけどコーヒーは普段そんなに飲まない」あるいは「コーヒーは毎日飲むけど、ワインはまだよくわからない」という方も、特徴や共通点を考えながら飲んでみると、より理解が深まるかもしれません。

ワインやコーヒーの香りに包まれながら、双方の奥深い世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

参照:一般社団法人全日本コーヒー協会

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