暑い!暑い!夏真っ只中ですね。
夏になると、ピリ辛料理を無性に食べたくなりませんか?
実はこれ、とっても理にかなった衝動。辛味スパイスの発汗作用で、溜め込んだ熱が放散され、体温の上がりすぎを防いでくれるのです。
ピリ辛料理で汗をかいて、ほてった体を美味しくクールダウンしましょう!
また、胃腸に程良い刺激を与えてくれるので、食欲増進や夏バテ予防にも効果的です。インドやタイなど、暑い国で愛されていることも納得できますね。
それ自体のインパクトが強いピリ辛料理と繊細な変化を楽しむワインを合わせるのは難しいイメージがありますが、避けるべきいくつかのポイントを押さえれば、台無しになってしまうことはありません。
タイプに合わせたワインを選べば、料理とワイン、それぞれの個性を引き立て合う魅惑のペアリングを楽しめます。
辛い料理のペアリングのポイント
辛みの効いた料理とワインのペアリングを考えるときのポイントは、主に三つあります。
共通項を探す
スパイスや香味野菜の風味、野菜の香りなど、似たようなフレーバーやテイストがあるか?
ワインと料理の共通項を探っていくとペアリングしやすくなります。
インパクトを合わせる
辛味は他の味覚より、口に入れた時のインパクトが強いもの。
せっかくのワインの風味を打ち消してしまわないよう、ワイン選びも上品で繊細なものより、ふくよかさや華やかさのあるタイプを選んでみてください。
タンニンは控えめを選ぶ
風味とは逆に、強すぎず、穏やかなタイプを選びたいのがタンニン。
タンニンは料理の脂っこさを程良く中和してくれるのですが、渋みや苦みが強すぎると料理の辛さをより際立ててしまい、いわゆる「too much」な状態にしてしまいがちです。
ピリ辛料理と言っても、赤唐辛子、青唐辛子、黒コショウ、山椒など、辛味のタイプは一つではありません。ここからは料理別に、相性の良いワインの傾向をみていきましょう。
スパイスカレーとワインの相性
世代を超えて高い人気を誇るカレーは、もはや日本の国民食。もともと薬として扱われていたスパイスをたっぷり使うカレーは、厳しい季節の体の回復にもピッタリです。
数種のスパイスを組み合わせた複雑で濃厚なカレーには、ふくよかな果実味のある赤ワインを合わせてみましょう。ワインの重さ、飲み応えは、スパイスカレーのスープの濃度や具の重量感に合せると良いでしょう。
タンニンの渋み、苦みはカレーの辛さを際立ててしまうので、穏やかなタイプをチョイス。ほのかに甘味を感じる果実味がスパイスの刺激のインパクトを包み込み、風味を引き立て、コクと程良くマッチしてくれます。
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モンテス・アルファ・メルロ / モンテス
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ヤンニョムチキンとワインの相性
ヤンニョムとは、コチュジャンベースに甘味噌、ショウガ、ニンニク、ゴマなどを加えた甘辛いタレのこと。これを鶏の唐揚げに絡めていただくのが、今話題のヤンニョムチキン。
韓国では、ファストフードやビールのつまみとして定番のお料理です。
ヤンニョムチキンと一緒に楽しむなら、油と辛さを心地良く流してくれるスパークリングワイン、1択。かなりインパクトの強いお料理なので、凛とした酸、コクと旨味が詰まったメリハリのあるタイプがおすすめです。
ガツンと強い香りや辛味を泡が優しく包み込み、果実味と酸味、ほのかな苦みが後味を引き締めてくれます。
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コルディエラ・ピノ・ノワール・ブリュット・ブラン・ド・ノワール / ミゲル・トーレス・チリ
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麻婆豆腐とワインの相性
ひき肉と香味野菜を炒め、豆腐を加えてスープで煮る料理。直線的な辛さの唐辛子と痺れるような辛さの花椒、インパクトのある辛さと、辛さの先にある深みのある旨味が魅力です。
スパイシーな麻婆豆腐と赤ワインのスパイス感を同調させることも可能ですが、ここは思い切って甘めの白ワインを合わせてみてください。
例えばアカシアとパイナップルのニュアンスのある、やや甘口の「リースリング」。刺激的な辛みにトロピカルな甘みが不思議と寄り添い、唐辛子の直線的な刺激を和らげ、辛味に隠れていた旨味をグッと引き出してくれます。
心地良い酸味と甘みを合わせると、辛味と甘みがスッと溶け合う感覚に魅了されますよ。
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クナックアルシュ・リースリング・リープリッヒ / シュタッフェルター・ホフ
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まとめ
料理もワインも、バランスを作る基本五味は、甘み、塩味、旨味、苦み、酸味。
味覚ではなく「痛み」に分類される辛味は、インパクトが強すぎると舌が麻痺してしまい、ワインの持つ複雑な味わいを感じにくくしてしまうこともあります。
激辛料理がとにかく大好き!という方も、ワインと一緒に楽しむときばかりは「ほどほど」で楽しむことをおすすめします。
今年の夏は、平年より暑さが厳しく長く続く見込みと言われています。心地良い刺激を感じるピリ辛料理と、美味しさを更に引き立てるワインのペアリングで、猛暑の季節を楽しく過ごしましょう。