そろそろ海外旅行に行きたい!というもどかしさを感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回はおうちに居ながら旅行気分を味わえるワイン産地を一緒に巡ってみましょう。
大自然と食文化の魅力が溢れる国、南アフリカを紹介します。
南アフリカってどんなところ?
もう一つの魅力が多様性に富んだ文化です。言語や民族、文化の多様性から「レインボーネイション=虹の国」と呼ばれています。
様々な人々が入り交ざってできた文化によってユニークな食文化があります。恵まれた食材を使ったバラエティ豊かな料理を生み出していて、それと合わせて楽しまれているのがワインです!
実はワインの歴史は長く、360年以上にもわたります。南アフリカで有名なコンスタンシアという極甘口ワインは、あのナポレオン・ボナパルトが愛したワインの一つでもあります。
長らく国内向けに低品質のワインを製造していましたが、1994年のアパルトヘイト撤廃後、量から質への転換が進められました。
最近では新しい生産者を中心とした団体が創立され、生産地に合った自由で個性あふれるワイン造りを実践し、世界に南アフリカの魅力を発信するようになっています。
ケープ半島の大自然
南アフリカでぜひ訪れたいのがケープ半島です。ここでのポイントが海。アフリカというとサバンナの草原をイメージしますが、実はこんなに美しい海の景色があるんです。大西洋とインド洋の二つに囲まれたこの半島では、美しい海岸線を見ることができます。
特に観光名所として知られているのが喜望峰です。
大航海時代、ヨーロッパの船人たちがこの地を通りアジアを目指してインド洋へと出発していきました。大西洋とインド洋が出会うダイナミックな景色に歴史のロマンを感じます。この航海中の大切な食物の一つとしてワインがこの地で造られるようになったそうです。
こちらはバフーンと呼ばれるヒヒ。喜望峰を歩いているとこんなに近くに野生動物が現れます。
アフリカの地でペンギンが見られることをご存知でしたか?
ケープタウンから喜望峰に向かう途中にあるボルダーズビーチでは世界で唯一、ケープペンギンを間近で観察できる場所です。こんなに可愛いペンギンが近くで見られるなんてたまらないですね。
同じケープ半島にあるのがワインランドです。
喜望峰とは打って変わって山の景色が広がります。ここは南アフリカワインの名産地として、数多くのワイナリーが点在している地域。山々に囲まれた麓にはブドウ畑が広がり、ケープ・ダッチ様式と言われる白壁と曲線の美しい建物が見られます。
ワインランドではもちろんワイナリー巡りを体験できます。試飲だけでなく、レストランを併設しているワイナリーも多く、自分たちのワインに合うベストな料理と共にワインを提供してくれます。
南アフリカワインの特徴
アフリカの暑いイメージからワインにも大味なイメージを持つ人が少なくありませんが、実際には上品で繊細な味わいを兼ね揃えたワインが多く生産されています。
南アフリカと言えば、シュナン・ブランが有名で、最も多く栽培されています。またピノ・ノワールとサンソーの交配品種であるピノ・タージュも南アフリカ独自のブドウとして知られています。
最大の特徴がブレンドワイン。赤ワインではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、カベルネ・フランのブレンド、白ワインではソーヴィニヨン・ブランやセミヨンをブレンドしたボルドーブレンドが主流です。
他にもシラーズをメインにグルナッシュやムールヴェードルなどを混ぜたローヌブレンド、シュナン・ブランを主体にした地中海ブレンドも人気を博しています。
また、赤ならピノ・タージュ、白ならシュナン・ブランを主体としたケープブレンドのスタイルは、ケープブレンドと呼ばれる南アフリカ独自のブレンドもあります。
美食家必見のグルメタウン、フランシュック
ワインランドの中心地区の一つ、フランシュック。この地はフランスから逃れてきた移民によって発展し、フランスに強く影響された町並みやレストランが美しいグルメタウンとして知られています。
洗練されたフランス料理を出すレストランが多く、美食家には必見の町です。ブドウ畑ばかりかと思いきや、レストラン巡りもできるのが魅力。
ワインの特徴としては、ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどの国際品種が多く造られています。また、瓶内二次発酵のスパークリングワイン「キャップ・クラシック」の産地としても有名です。
多様な食文化
バラエティ豊かな南アフリカグルメを紹介します。
アフリカの食材を使い、ヨーロッパやアジア、アフリカの文化が交わった調理方法で作ったユニークな料理が楽しめます。
例えば、こちらのスプリングボックスのカルパッチョ。
スプリングボックスとはガゼルに似たアフリカ大陸南部に生息する動物で、この肉は南アフリカでしか食べることができません。
それをカルパッチョという西洋風な食べ方で頂くというところに、文化の融合を感じます。
また、国民食いえるのがブラーイ。ワニやインパラ、ダチョウなどのジビエを使った南アフリカ式のバーベキューです。
こうした南アフリカ料理は甘辛い味付けで仕上げられています。甘味と塩味がしっかりと感じられる食事に、シュナン・ブランとピノ・タージュはぴったり。決して濃い味付けではないため、ワインと一緒にいただけばよりお互いの個性が引き立ちます。
美味しい料理とワインで食卓を囲み家族や友人と尽きない会話をする、こうしてのんびりと過ごすのが南アフリカ流の休日です。
大自然と多様な食文化が共存する魅力の土地
南アフリカには山や海、ブドウ畑、さらにはペンギンまで様々な自然を見ることができます。
アフリカと聞くとついサバンナの草原を思い浮かべてしまうので、イメージと違ったのではないでしょうか?
そのような自然だけでなく美食とワインが楽しめるのも魅力です。
ワイン産地をのぞくと、まだまだ知らなった世界を体験できます。
海外旅行へ気兼ねなく行けるようになったら、ぜひ直接訪れたいですね。