ラインヘッセンの老舗ワイナリー「ヴィットマン」の魅力に迫る!

お気に入り追加

ディスカバー
公開日 : 2021.11.16
更新日 : 2023.7.12
シェアする
ラインヘッセンの老舗ワイナリー「ヴィットマン」の魅力に迫る!

ドイツ最大のワイン産地ラインヘッセン。この地でワインを生み出しているのが「ヴィットマン」です。


ヴィットマンは1663年から15代続く老舗の家族経営ワイナリー。ブドウの品質にこだわったワイン造りで、著名な各誌で軒並み好評価を獲得しています。近年では、2014年に当主のフィリップ・ヴィットマン氏がワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出。今やヴィットマンはドイツで最も著名なワイナリーのひとつとなっています。


今回はヴィットマンのワインを生み出す、テロワールや所有する偉大な畑、そしてビオディナミ農法の取り組みについてご紹介します。

目次

ラインヘッセンの個性あるテロワール

ヴィットマンでは、テロワールの個性が反映されたリースリングワインを造ることを目指し、日々の畑仕事や醸造に情熱を注いでいます。


そんなヴィットマンが本拠地を置くのがドイツ最大のワイン産地、ラインヘッセンです。以前は大量生産の甘口ワインのイメージが強かったこの地域ですが、生産者たちにより組合が作られ州独自の畑の格付けを実施するなど品質向上が著しく、ヴィットマンはV.D.P.ラインヘッセンの代表を務めるなど、この高品質化を牽引しています。


「千の丘のある地方」として知られているラインヘッセンですが、テロワールにおいて二つの特徴が挙げられます。


一つは気候です。西のドナースバーク山塊により冷気から守られた地域で、日照量が年間1,500 時間とドイツの中では比較的長く、降雨量も少ないことから、ラインヘッセンは世界のワイン産地の中でも非常に冷涼な地として知られるドイツの中で、温暖かつ乾燥した地域と言えるでしょう。


もう一つが地質です。ドイツの有名産地であるモーゼルやラインガウでは、主にスレート土壌が広がっているのに対し、ラインヘッセンでは2,300年以上前に形成された石灰質土壌があります。


これらの気候・地質条件から、モーゼルやラインガウでは冷涼な気候も相まってキリっと引き締まった酸を持つリースリングが多く作られ、ラインヘッセンでは、柔らかい酸のリースリングが生み出されています。

偉大なる畑「モアシュタイン」

ラインヘッセンの中で最も有名な畑の一つが、特級畑「モアシュタイン」です。


世界的にも有名なこの畑はわずか5haの区画で、1282年に初めて言及されたヴェストホーフェン村最古の単一畑です。表面の石灰岩を含む泥炭土の下にはごつごつした岩の石灰岩の帯水層があり、ブドウ樹に栄養素やミネラルを供給するのに最適な環境と言われています。


ヴィットマンでは、この畑から辛口と甘口のワインを生み出しており、その味わいの複雑さと並外れた深み、充分な熟成のポテンシャルから、2020年にはジェームス・サックリングの年間TOP100ワインにて「モアシュタイン・リースリング・トロッケン・グローセス・ゲヴェックス」が第6位を獲得。


その際「モアシュタインは今日、世界中が注目している畑」と賛辞を贈られており、数あるドイツのブドウ畑の中でも非常に重要な存在となっています。

ビオディナミへ農法の取り組み

ヴィットマンを語る上で欠かせないのが、有機農法、そしてビオディナミ農法への取り組みです。ヴィットマンでは1980年代というドイツにおいてはかなり早い時期から有機農法の取り組みを始めています。


降水量の多いドイツでは、雨がブドウの木から化学肥料や除草剤を洗い流してしまうため有機農法が通常の農法よりも困難とされていながらも、「ラインヘッセンの個性あるテロワールを最大限に表現するには、ブドウ畑のコンディションが保たれていることが大切である」と考え、先代のギュンター・ヴィットマン氏は有機農法への転換を決意します。ラインヘッセンの乾燥した気候も手助けとなり、現在ではドイツにおける有機栽培の第一人者という地位を確立しました。


その後1990年にはオーガニック認証を取得。さらに現在の当主であるフィリップ氏は、フランス・ロワールのワイナリー当主で、フランスで初めてビオディナミを取り入れ成功し、現在世界中でビオディナミの啓蒙や講演活動を行っているニコラ・ジョリー氏の著書を読んだことをきっかけに、2004年にビオディナミ農法に転換します。


ビオディナミ農法では合成化学農薬、除草剤や液体肥料を使用しません。宇宙、月、太陽の動きの原動力が土壌、ひいてはブドウ樹に与える影響を考慮し、畑やブドウ樹の状態を毎日観察。月の動きとともにそのバランスを見極め 、適正な時期と日取りを見極めるなど、この農法を実践するには畑でより多くの手作業が必要となります。


フィリップ氏はビオディナミを実践している生産者が何をしているのか直接見て理解するため、実際にアルザスやロワール、ブルゴーニュの生産者を訪問し知識を深めたそう。そうした努力の結果、完熟した高品質なブドウを多く収穫することができると言います。


これらの取り組みは、ひとえにテロワールを表現したワインを造りだすため。この確固たるこだわりが、ヴィットマンの個性溢れるワインを生み出す秘訣のひとつと言えるのではないでしょうか。

まとめ

ラインヘッセンという個性あるテロワールと、長年の自然に寄り添ったブドウ栽培によって生み出されるヴィットマンのワインは、まさに“自然からの贈り物”。


ヴィットマンのテロワールへのこだわりと、個性豊かな自然が織りなす、極上のリースリングを味わってみてはいかがでしょうか。

ヴィットマンのワイン一覧

この記事をシェア

公式SNS・APP

最新情報やワインの読み物を 毎週お届けします

line お友達登録

お買い物に便利! アプリ限定クーポンも随時配信

公式アプリ

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。

エノテカ株式会社はアサヒグループです。