奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスに、ミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?!ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明!
あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
スパークリングワインの人気の高まりと産地の広がりはとどまることを知りません。タスマニア、英国はその中心地としてすっかり認知され、南アフリカのカップ・クラシック、カナダのノヴァ・スコシアからも驚くような品質のものが生まれています。
オーストリアも法整備など余念がありません。日本も老舗から新興ワイナリーまで良質で、高価なスパークリングをリリースするようになりました。
これほどまでに競合が入り乱れると本家の存在感は薄れるものですが、シャンパーニュは輝きを放ち続けていて、需要、品質に加えて、価格、ブランド力に影を落とすことはありません。その要因は生産者のたゆまぬ努力に尽きますが、世界の素晴らしいスパークリングワインに対してシャンパーニュの別格たる品質と個性はどこから生まれるのでしょうか。
セレブリティに愛飲されてきた輝かしい歴史、クレイエールと呼ばれる白亜質土壌、ローマ人が掘ったといわれる10℃ に保たれた地下セラー、複雑かつ緻密なアッサンブラージュが特筆すべき要素として挙げられます。
その中でシャンパーニュの独自性において最も重要なのがアッサンブラージュでしょう。特にバックヴィンテージのワイン、vinde réserveを膨大な量をストックし、ブレンドされることによって生まれる個性はメゾンの歴史、品格、財力の結晶といえるものです。
ヴィンテージがラベルに記されていないことがむしろ品質の高さを示しているというワインはシャンパーニュの他にはないでしょう。vin de réserveは品質やスタイルの安定をさせるだけでなく、緻密さ、なめらかさ、奥行きをシャンパーニュに与えます。
透明感のあるシャンパーニュ
コレクション 242は、輝きのあるイエロー・ゴールドにグリーンの反射がみえます。香りはフレッシュ感が際立っていて、ブリュット・プルミエとは異なるスタイルに驚きを覚えます。
グレープフルーツやフレッシュな洋梨の果実香も。パン・ド・ミーからブリオッシュのイースト香に、カルダモンやオレガノといったセイヴォリー・ハーブのタッチ。味わいは率直で直線的、きめ細かでしなやかなテクスチャーとフレッシュな酸味が印象的です。アフターにはエレガント、気品が漂います。
このシャンパーニュを一言で表すなら「透明感」。半分近い比率でブレンドされるvin de réserveには2種類のワインが使用されており、ひとつは大樽で熟成された単年ヴィンテージのもの、もうひとつは「パーペチュアル」と呼ばれる複数のヴィンテージをブレンドし熟成させたものです。
パーペチュアルは熟成感よりも透明感を与えると私は認識しています。そしてシルキーなテクスチャーという類まれな味わいがこのキュヴェの魅力となっています。
革新的なデザインのエクストラ・ブリュット、豪華なスティルワインなど話題に事欠かないメゾンから大胆な変革ともいえる新たなスタイルのキュヴェの誕生です。
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シャンパーニュの頂点に立つ老舗メゾン、ルイ・ロデレール。こちらはスタンダード・キュヴェ「ブリュット・プルミエ」が35年ぶりに全面リニューアルされ、新たに登場したシャンパーニュ。シルキーで柔らかなタンニンに、圧倒的に長い余韻を持ったエレガントな1本です。
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