第61回 Classic

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公開日 : 2022.4.26
更新日 : 2023.7.12
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奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスに、ミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?!ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明!


あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

これまで何度となく繰り返して言ってきましたが、ワインの世界の移り変わりは非常に早く、ついて行くのがやっとです。「5年前の知識はすでに古い」と言われるように、それだけ常に新しいものが生まれているのです。


ブドウ品種では、土着品種の注目度は翳りを知りません。アルバリーニョやアシルティコはもはや最も「クールな品種」となっています。


モダンがあれば必ず存在しているのがクラシックです。クラシック、決して古いとか昔ながらの、という意味ではありません。いつまでも変わらない存在感で、抜群の知名度を誇り、安定した品質で非常に幅広い人たちを魅了するワインを指す、と理解しています。


ブドウ品種として、その代表格は「カベルネ・ソーヴィニヨン」です。1976年「パリスの審判」で一躍国際舞台に名乗りをあげたボルドーの品種は、その後世界のどこに行っても出会うことのできるメジャー品種となりました。


そんなカベルネ・ソーヴィニヨン、その個性はイコール赤ワインの然るべき姿かのように、世界中でいわば模倣されていきました。


カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴とはどんなものでしょう。“ガーネット”と称される濃厚な色合い、濃縮感のある果実、カシスはカベルネの定番ともいえる香りで、木樽からのロースト、ヴァニラや丁子、ナツメグが洗練された印象を強めます。


味わいはやはり凝縮感があり、酸味とアルコール、タンニンがハイレベルなバランスを保った、がっしりとしたボディとなります。

ジャン・レオン ヴィーニャ・ラ・スカラ・カベルネ・ソーヴィニヨン・グラン・レゼルヴァ 2013は、濃縮感があり、複雑ですが、控えめな印象です。プラム、いちじくといった発展的な状態を示す果実の香りに、牡丹、チャコール、枯葉、スモーク、さらに鉄分質と何層にも香りが重なります。


味わいはスムースなエントリー、ジューシーかつ「噛めるような」果実味、酸味がボディをリフトし、アルコールと共にストラクチュアをつくります。余韻にかけて徐々に薄れゆく味わいはしなやかな渋みを伴いフィニッシュとなります。


「すっかりお馴染みの赤ワイン」でありながら、他の品種にはない特徴は、「なめらかさとフレッシュ感」です。カベルネというと、タンニンが注目されがちですが、若いうちから非常になめらかなテクスチャを持つのが他にはない特徴です。


そして「フレッシュ感」。以前、ボルドーの何人もの生産者から、そう聞き、少々意外に思ったものです。カベルネの香り、味わいにはフレッシュ感があります。2013年と10年近くの熟成を経たワインでもそれは健在なのです。


スペイン、カタルーニャ地方でいち早くカベルネの地となったペネデス。当時は最も進んだ生産地と称されましたが、今やまさしくクラシック カベルネの聖地、そんな風格を感じさせる赤ワインです。

今回紹介したワインはこちら

ハリウッドで数々の著名人の信奉を集めた伝説のレストラン、「ラ・スカラ」。その創業者ジャン・レオン氏が、カタルーニャの地に立ち上げたワイナリーがジャン・レオンです。こちらは良年にしか生産されない、フラグシップワイン。樹齢50年を超えるブドウを使用し造られた、美しい味わいが魅力です。

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