1970~80年代にアメリカを中心に大流行したランブルスコは、ワイン初心者にも飲みやすい味わいで、今も根強い人気があります。
今回はそんなランブルスコの選び方や料理と合わせるコツをご紹介します。
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ランブルスコとは?
ランブルスコとは、イタリア屈指の美食の都エミリア・ロマーニャ州で生産されるスパークリングワインです。
一般的には、程良い甘みと渋み、酸味のバランスが取れたフルーティな味わいの赤の微発泡ワイン。アルコール度数は辛口で11%ほど、甘口だと8%前後になります。
フルーティな味わいと低アルコール、さらに手頃な価格も相まって、ワイン初心者からの人気が高いワインと言えるでしょう。
しかし実は、ランブルスコの生産地は数多くのエリアに分かれており「ランブルスコ」と名に冠するブドウ品種も10種ほど存在します。
そのため赤(Rosso)の他に、白(Bianco)やロゼ(Rosato)、甘口から辛口まで、ランブルスコのバリエーションはとても豊富です。
そこで抑えておくべき、ランブルスコの種類を次でご紹介します。
種類
ランブルスコの生産地はイタリア最長の河川、ポー川の下流域、イタリアのエミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州の国境にまたがっています。
生産エリアは大きく分けて、エミリア・ロマーニャ州のモデナとレッジアーノ、ロンバルディア州側のマントヴァーノの三つで、ほとんどのランブルスコはラベルに「Lambrusco Modena」のように、この内のいずれかの産地を表示しています。
しかし、より高品質なランブルスコを選びたいのであれば以下の三つは抑えておきましょう。
- ランブルスコ・ディ・ソルバーラ
- ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ
- ランブルスコ・ディ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェ
ランブルスコを選ぶには、これらの産地の特徴と後述する甘辛度の見分け方がわかれば、お好みにあったワインを選べます。
ランブルスコ・ディ・ソルバーラ
ランブルスコ系品種の中で、最も高品質と考えられているランブルスコ・ソルバーラ種主体で造られるワインです。
ワインは淡い色調で、赤スグリにバラやスミレの華やかな香り、渋みは少なく、繊細でフレッシュな味わい。ソルバーラ種はタンニンが少ないので、ほとんどのワインが辛口に仕上げられます。
そのため、他のランブルスコとは一線を画す味わいで、ピノ・ノワール愛好家におすすめしたいエレガントなワインです。
ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ
重厚感のあるワインがお好きな方にはこちらです。
ランブルスコ系品種の中でいちばん渋味が強いランブルスコ・グラスパロッサ種を85%以上使用して造られています。
よく熟した黒系果実の香りに、力強いタンニンと酸味がありフルボディ。これらの要素とバランスを取るために、残糖分がやや多めに仕上げられることが多いワインです。
ランブルスコ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェ
ランブルスコで最大の栽培面積を誇る、高品質なランブルスコ・サラミーノ種を主体としたワインです。
スミレやバラの香りがありますがソルバーラほど香り高くなく、タンニンはグラスパロッサほど強くない、ソルバーラとグラスパロッサの中間的なキャラクターを持ちます。
ランブルスコの中でも、特にフードフレンドリーなスタイルと言えるでしょう。
甘辛度
ランブルスコの名前にセッコやアマービレといった言葉を見かけたことはありませんか?実はこれらの言葉は、ワインの名前ではなくランブルスコの甘み表示。
ランブルスコの味わいは甘口から辛口まで幅広いため、消費者が選べるようにおおよその残糖度を表示しているのです。
しかしその表示は、私たち日本人には馴染みのない言葉で記されています。フルーティで甘みのあるランブルスコを期待して買ったのに、開けてみたら辛口だった、なんてことを避けるために下の表を参考にしてください。
ラベル表示(読み方) | 残糖度 |
---|---|
Secco(セッコ) | ~15g/L |
Semisecco(セミセッコ) | ~30g/L |
Amabile(アマービレ) | ~50g/L |
Dolce(ドルチェ) | 50g~/L |
残糖分が少ないほうからSecco(辛口)、Semi-Secco(やや辛口)、Amabile(やや甘口)、Dolce(甘口)です。下図のように表か裏ラベルのどこかに書かれています。
また、ランブルスコはFrizzante(微発泡)が主流ですが、Spumante(発泡)と記載のあるものは炭酸が強めになります。
料理との相性
食事と合わせやすいスパークリングワインの中でも、程良い甘みと渋味、爽やかな酸味のあるランブルスコはとてもフードフレンドリー。
同じエミリア・ロマーニャ州の特産品であるパルマ産プロシュットやパルミジャーノ・レッジアーノはもちろんのこと、ピザやハンバーガー、焼肉、さらにはエスニックやインド料理まで幅広いペアリングが可能です。
深く考えなくても、ランブルスコと相性の悪い料理の方が少ないほどの万能さが魅力ですが、あえてペアリングのコツを挙げるとすれば、ランブルスコの甘みと料理のコクがかけ離れないようにすることでしょう。
おすすめのランブルスコ
最後に、エノテカおすすめのランブルスコをご紹介します。
ピノ好きにおすすめ!辛口ランブルスコ
なによりもおすすめしたいランブルスコ・ソルバーラ種を使ったランブルスコです。
バラや赤スグリの華やかな香りと、フレッシュでドライな味わいはランブルスコのイメージを覆してくれます。ピノ・ノワールがお好きな方は騙されたと思って試してください!
1000円台という価格ながら、ワイン評価誌ヴィノスで並のシャンパーニュを上回る90点を獲得しています。
ランブルスコ・ディ・ソルバーラ・セッコ
泡
フルーティー&バランス
【サクラアワード2024にてゴールド受賞!】華やかなアロマと優美な味わい。老舗生産者組合が生み出す、コスパ抜群の辛口赤スパークリング。 詳細を見る
4.1
(115件)1,430 円
(税込)
V 90
チャーミングな甘口ランブルスコ
ソルバーラとは逆に、濃厚でコクのある味わいをお求めの方にはこちら。
ドルチェ(甘口)ですが、とても滑らかなタンニンと残糖分がバランスを保っているので気になりません。
甘辛いタレを使った肉料理やチリペッパーの効いたスパイシーな料理を包み込んでくれます。また、スイーツとも合わせられる懐の深さもあります。
ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ・ドルチェ
泡
フルーティー&バランス
442もの造り手が集う、伝統的で高品質なランブルスコの協同組合。ランブルスコ種でも特に濃厚な品種が生む、チャーミングな味わいが魅力。 詳細を見る
4.3
(50件)1,430 円
(税込)
高評価!辛口ランブルスコ
ランブルスコ・サラミーノ種100%で造られている1本で、ほど良い渋味が感じられる味わいは、生ハムやピザとの相性がピッタリです。
造り手は2008年にフラッグシップ・キュヴェでランブルスコ史上初のガンベロ・ロッソ最高評価トレ・ビッキエリを獲得し、その後、12年も連続獲得するという快挙を達成した名実ともにランブルスコNo.1のトップメーカーです。
コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ
泡
フルーティー&バランス
ランブルスコの中で最も高い評価を受けるメディチ・エルメーテ社。食事を引き立てる、豊かな果実味が魅力の辛口赤スパークリング。 詳細を見る
4.3
(25件)2022年
2,585 円
(税込)
まとめ
美食の街で生まれたランブルスコは、多くの食事と相性が良く、食卓をより素敵に演出してくれます。
価格もお手頃なので、イタリアンに限らず生ハムやチーズを食べる時には、ぜひ試してみてくださいね。
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