ボルドー格付け第3級。AOCマルゴーの中で1級のシャトー・マルゴーに匹敵する人気と実力をもち、近年ではボルドーでいち早くビオディナミ栽培を取り入れ世界中のワインラヴァーを魅了し続けるシャトー・パルメ!
そんなシャトー・パルメからエクスポート・ダイレクターのダミアン・グルラ氏が来日!愛好家なら驚くほどの稀少ワインが連発!ワインショップ・エノテカ広尾本店で行われた興奮冷めやらぬテイスティングイベントをレポートします。
シャトー・パルメの歴史
エクスポート・ダイレクターのダミアン・グルラ氏
まずはダミアン氏にシャトー・パルメの歴史を語ってもらいました。
パルメの歴史は長く17世紀まで遡れます。当時はシャトー・ド・ガスクと呼ばれ、ラフィットなどと並び賞されるシャトーだったそうです。その後イギリス将官チャールズ・パーマー(パルメ)氏がシャトーを取得し、名称を変更し現在にいたります。
元々評価の高いシャトーでしたが現在の不動の地位を獲得したのは世紀のグレートヴィンテージとして有名な1961年ヴィンテージ。1961年のパルメはWA誌でも100点を獲得しています。
それでは早速テイスティングの開始です!
超稀少キュヴェが続々提供!
1杯目は、今回のイベントで唯一の白ワインとなるヴァン・ブラン・ド・パルメ。「パルメって白ワインも造っていたの?!」と思われた方も多いでしょう。生産量が非常に少なく自家消費用として販売されないことも多い幻のワインなのです。
2004年植樹のぶどうから2007年に醸造され復活を遂げたこのワインは、実は非常に歴史のあるキュヴェ。ほかの多くのシャトーと同じように、元々はゲストをもてなす為に造られていたプライベート・キュヴェで、わずか2本だけですがライブラリーには1924年のパルメ・ブランも現存するそうです。
新たに造るにあたり、パルメならではのワインを。というコンセプトで、ボルドーで一般的なソーヴィニヨン・ブランやセミヨン主体を避け、ミュスカデル主体にソーヴィニヨン・グリ、メルロ・ブラン、そしてロゼというほとんど絶滅状態の古代品種をつかったユニークな品種構成になっています。
2010年 ヴァン・ブラン・ド・パルメは華やかで、煮詰めた桃や蜂蜜のアロマ。酸味は穏やかでリッチなアタックのフルボディ。ほろ苦い余韻が感じられました。
続いても稀少なワインが提供されます。
ヒストリカル・ナインティーンスセンチュリー・ボルドーブレンド。カベルネ・ソーヴィニヨン44%、メルロ44%、シラー12%で構成される、このワインは19世紀のパルメを再現したキュヴェです。
ダミアン氏によると、現在は気候変動が進み世界的に年々暖かくなっていますが、昔はもっと平均気温も低く栽培や醸造の技術も未熟だった為、厳しいヴィンテージのワインは今の比じゃないくらい出来が悪かったようです。
当時は伝統的にワインを樽で買ったネゴシアンが瓶詰をしていました。そして彼らは厳しいヴィンテージの淡い色調(クラレット)のボルドーワインには、色と味わいを補強するために北ローヌ・エルミタージュの力強いシラーをブレンドしていたそうです。
パルメのセラーにはもうこの時代のボトルはないそうですが、15年ほど前にサンフランシスコのコレクターに1869年シャトー・パルメ・エルミタージュというキュヴェを飲ませてもらったことがきっかけで、このプロジェクトが起こり2006年に初リリースとなりました。
シラーの存在を示す仄かな黒胡椒の香りと重厚で力強いボルドーともローヌとも言えぬ味わいが独特で、19世紀のボルドーワインはこんな味だったのかと想像させられます。生産本数は300ケースほどで毎年造られるわけではない稀少なワイン。
参加者からエルミタージュのどの生産者からブドウを買い付けているのか、という質問がありましたが残念ながらそれについては企業秘密とのことでした。
参加者の質問答えるダミアン氏
シャトー・パルメ垂直試飲
この日のメインは2012年、2006年、2000年のシャトー・パルメのプチ垂直試飲。
それぞれのヴィンテージのパルメの特徴をダミアン氏が説明しながらテイスティングしました。
夏が暑く太陽に恵まれた2012年はビロードのように滑らか、フルーティで外交的なスタイル。8月が冷涼だった2006年はシリアスでまじめ、果実味だけではなく複雑さを感じることができるそうです。
そして最後はダミアン氏が伝説的なヴィンテージのひとつと語った2000年シャトー・パルメです。
2000年は伝説的な1961年や、近年で言えば2015年と並ぶ素晴らしいヴィンテージだそうです。品質が約束されたような天候だった2000年は造る前から期待されており、実際に出来上がったワインは、香りの複雑さ、品のある果実味、深み、美しい酸とパルメらしさを全て持ち合わせた完璧なワインだったそうです。
2000年シャトー・パルメは18年の熟成を経て香りはかなり発展していますが、味わいはまだまだ新鮮で充実した果実味と十分なストラクチャーが感じられました。ダミアン氏はあと30~40年もつキャパシティがあると説明していました。
垂直試飲を終えて
ヴィンテージによる個性の違いはボルドーワインの楽しみのひとつです。2012年と2006年のように対照的な性格のヴィンテージ、長期熟成に向く2000年のような年と2007年のように早飲み向きで飲み頃が全く違う年などなど。
長期熟成向きの偉大な年だけしか購入しないという消費者もいますが、ダミアン氏いわく、評論家の評価が低い1991年や1993年、2007年も今飲めば素晴らしく、サプライズをくれるヴィンテージのひとつだそうです。好きなシャトーがあるならそういった年も楽しんでみてくださいとスピーチを締めくくりました。
このイベントのために稀少なワインをたくさん持ってきて頂いたダミアン氏ありがとうございました!
今回のイベントで提供されたワイン
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今回イベントが行われたワインショップ・エノテカ広尾本店
住所 〒106-0047 東京都港区南麻布5-14-15
TEL 03-3280-3634 / FAX 03-3280-3635
E-mail Hiroo_shop@enoteca.co.jp
営業時間 11:00~21:00
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