今、世界中で注目を集めているポルトガル生まれのワインが「ヴィーニョ・ヴェルデ」です。
緑のワインとも呼ばれるヴィーニョ・ヴェルデは、アルコール度数も低めの微発泡ワインで、日本人の食の感覚とも合っていると言われています。
今回はそんなヴィーニョ・ヴェルデの産地や特徴、お料理との相性などについてご紹介したいと思います。
目次
ヴィーニョ・ヴェルデとは?
そもそもヴィーニョ・ヴェルデとは、ポルトガル北部のスペインとの国境地帯に位置する、ワイン産地ミーニョ地方の産地名です。「緑の地」と言われるほど自然が豊かな地域で、別荘地としても有名です。
ポルトガルのワイン法では、厳しい条件をクリアした場合に「D.O.P.ヴィーニョ・ヴェルデ」と表記することができ、その一部の若々しく低アルコールで微かな発泡を感じるフレッシュなワインがヴィーニョ・ヴェルデと呼ばれているものになります。
一方で近年はアルコール度数が高く、しっかりとしたワインも注目されています。
なぜ緑のワインなのか?
“緑ワイン”とはいうものの、“オレンジワイン”のように見た目がオレンジ色をしているからそう呼ばれているというわけではありません。
ポルトガル語で「vinho」はワインを意味し、「verde」は緑やフレッシュといった表現を含み、直訳すると“緑のワイン”となります。その名前の通り、完熟前のブドウ(緑のブドウ)を用いて醸造されるのが最大の特徴です。
ヴィーニョ・ヴェルデに使用されるブドウは、通常のものよりも1カ月から2カ月ほど早く完熟する前に収穫されます。そのため、発酵途中で発生する気泡がワインに残りやすく、微発泡ワインよりもさらに弱い泡を感じることもある低アルコール度数の飲みやすく爽やかなワインとなっています。
ヴィーニョ・ヴェルデの輸出
ヴィーニョ・ヴェルデは、若くフレッシュな飲み心地で熟成に向かないことから、基本的には地元のポルトガルで多く飲まれていました。
ワイン市場は世界的に高品質かつ高級志向のため、ヴィーニョ・ヴェルデは価格もお手頃で輸出しても利益があまり見込めないという理由から長年輸出を渋られてきたそうです。
しかし、歴史的にポルトガルと繋がりが強いブラジルからの強いラブコールがあったため、2000年代前半から空輸がスタートし、日本には2005年に初めて紹介されました。
(参照:ポルトガル大使館「ご存知ですか? ポルトガルの夏だけ限定ワイン『ヴィーニョ・ヴェルデ』」│ippin )
産地や品種は?
ヴィーニョ・ヴェルデはスペインとの国境であるミーニョ川周辺に広がる産地で、古くからワインを造っている地域です。標高が低い海側から山側に向かって、最大で700mもの高さに畑が広がっています。夏は涼しく冬は穏やかな気候で、特に標高の高い地域では寒暖差が激しいためにワイン造りに適しています。
使用される品種はローレイロ、アリンと、アザール、トラジャドゥーラ、パデイロ、エスパデイロなどがありますが、中でも一番メジャーで人気が高いのはアルバリーニョです。スペインの北西部にあるリアス・バイシャスでも多く栽培されている品種で、磯の香りが微かに感じられることもある特徴を持った高級品種です。
そのため、和食や魚介類を使用した料理との相性がばっちり。また、果物やサラダといったさっぱりした酸味を感じる食物との相性もよいために、蒸し暑い日本に住む人々の間でジワジワと人気が上昇しつつあります。
おすすめのヴィーニョ・ヴェルデのワイン
最後に、おすすめのヴィーニョ・ヴェルデのワインをご紹介します。
国内外で高い評価を受けるエレガントなワイン
生産者のキンタ・ダ・ハーダは17世紀から続く家族経営のワイナリーです。革新的な製造法を取り入れてワインを造っており、その努力が認められてスペインやポルトガルのコンテストで賞を受賞しています。
フランス・ブルゴーニュのシャブリ地区に似た土壌を持ち、ヴィーニョ・ヴェルデの中でもっとも美しいテロワールであるといわれるバスト地区で栽培されたブドウは、バランスのよい熟度と酸を携えており、柑橘系の果実と熟した果実の香りが立ち上るエレガントなワインを生み出します。
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世界一売れているヴィーニョ・ヴェルデ
世界70カ国で親しまれ、最も多くの人が手にしているヴィーニョ・ヴェルデです。
お値段は1,000円台と非常にお手軽ながらすっきりとした味わいで、魚介などのフリットに合わせていただくと、止まらなくなると評判の1本です。
少し低めの温度で冷やして飲むと、暑い季節を吹き飛ばしてくれるような清涼感ある味わいです。重いワインはちょっと苦手……という人にも気軽に楽しんでもらえる存在です。
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まとめ
今年は早い時期から暑く、猛暑が続いていますよね。ヴィーニョ・ヴェルデは、ジメジメした空気を吹き飛ばすようなワインが飲みたいと考えている人にぴったりです。
ボディが重い赤ワインが好きだという人も、高めの温度で楽しむプレステージのシャンパンが好きだという人にも、普段とはちょっと違った味わいで気分転換してもらえると思います。ぜひ一度手にとってみてくださいね。
<参考>『2018 ソムリエ協会教本』一般社団法人日本ソムリエ協会
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