ロゼワインってどんなワイン?

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公開日 : 2024.8.22
更新日 : 2024.9.27
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ロゼワインってどんなワイン?

鮮やかな色合いと爽やかな味わいで人気を集めるロゼワイン。その魅力は、一体どこにあるのでしょうか?


この記事では、ロゼワインの基本から楽しみ方、ペアリングのポイント、そしておすすめのロゼワインまで、ロゼワインを存分に楽しむためのポイントをソムリエの解説付きで詳しくご紹介します。


ぜひその魅力をご堪能ください。

ロゼワイン一覧はこちら

解説してくれるのは、紫貴あきさん


紫貴あきさん

ワイン講師 日本最大級ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の人気講師。初心者から上級者まで唸らせる質の高いレッスンが評判で、その指導実績は3500人超。その他、企業研修、メディアへの執筆・監修・取材協力、出演など幅広く活動している。 著書『ゼロからスタート! 紫貴あきのソムリエ試験1冊目の教科書』(KADOKAWA)を2024年3月28日に出版。

目次

ロゼワインとは?

ロゼワイン

ロゼとはフランス語で「バラ色」を指す通り、ピンク色をしたワインを総称して「ロゼワイン」と呼びます。


基本的に赤ワイン用の黒ブドウを使用して造られますが、特定の品種というものはなく、その土地に合ったさまざまなブドウ品種から個性あるロゼワインが生み出されています。


ロゼワインの誤解で多いのが味わいについて。可愛らしい見た目も相まって「甘口」と誤解している人が多いようです。紫貴さんに今の主流を聞きました。

ソムリエ解説!ロゼワインって甘口なの?

「ロゼ=甘口」と勘違いされている……しばしそんな風に感じることがあります。たしかに、イチゴ風味のアイス、マカロンなどピンクの食べ物というと、甘いものが連想されます。 極めつけは、一昔前、ポルトガル産の半甘口ロゼが一世を風靡こともあり、すっかり「ロゼ=甘口」の図式が定着してしまったのかもしれません。 しかし、現在はすっきりとした辛口スタイルが主流なのです。ワイン王国フランスでは辛口のロゼは夏に飲む“ド定番” ビーチやカフェ、レストランなどあちこちで辛口ロゼワインが楽しまれています。

ロゼワインは辛口が主流

ロゼワインの楽しみ方

ロゼワイン

ロゼワインといってもその味わいはさまざま。選び方や飲み方、楽しむうえでのポイントを紫貴さんに教えてもらいました。

ソムリエ解説!選び方のポイントは?

ロゼワイン好きのフランス人は、ロゼを大きく2タイプに分けています。一つは「Vin de Gastronomie(ヴァン・ド・ガストロノミー)」と呼ばれる、色が濃く、しっかりとした飲みごたえのあるタイプです。白でもない赤でもないロゼワインは、その中間的な味わいが特徴で、魚や肉料理はもちろん、幅広い料理に合わせられます。 もう一つは「Vin de Soif(ヴァン・ド・ソワフ)」です。色が淡く、軽いすっきりとしたタイプのロゼで、フランス南部のプロヴァンス地方で伝統的に造られてきました。こういったタイプは、夏に喉の渇きを癒すために飲んだり、最初の一杯に口中をリフレッシュさせたりするのに好まれます。

ロゼワインの選び方のポイント

ソムリエ解説!飲み方のポイントは?

ロゼは自由なワインです。フランスでは氷水で割って飲んだり、柑橘や冷凍のラズベリーを浮かべて飲んだりします。そのアレンジは美しく、SNS映えしそうなものばかりです。 「型にはまらず自由に飲んでみて」と言いたいところですが、ちょっとこだわりたい方にワンポイント。 色が濃いロゼは10℃前後と少し高めの温度で飲むと良いでしょう。このタイプのワインは香りが複雑なものが多いため、冷やしすぎるとその豊かな香りが感じにくくなる傾向があるからです。すこし大ぶりのグラスで、ゆっくり温度上昇させながら香りの変化を楽しみたいものです。 淡く軽めのロゼは8℃前後でやや冷やし気味にすると、酸がすっきりと感じられ、フレッシュ感が際立ちます。この手のロゼは温度の上昇を抑えるためにも小ぶりのグラスが良いでしょう。

ロゼワインの飲み方のポイント

ロゼワインの製法

では、ロゼワインがどうしてピンク色になるか、そして同じロゼワインでもどうしてさまざまなタイプが存在するのかをご説明します。ずばり、これには製法が大きく関わっています。


ロゼワインの製法は大きく分けて二つ。①黒ブドウを使って白ワインと同様の製法で造られる場合と②黒ブドウを使った赤ワインの製造過程で造られる場合に分けられます。


(赤ワインと白ワインを混ぜていると思うかもしれませんが、この製法はとても稀です。)

ロゼワインの製法

セニエ法

セニエ法は、赤ワインの製造過程で生まれるロゼワインの製法です。ブドウの果汁を発酵前に短時間だけ果皮と接触させ、その後果汁を抜き取ります。これによりほんのり色づいた淡いピンク色のワインになるのです。


セニエ法によるロゼワインは、よりフルーティーでしっかりとした風味が特徴です。

直接圧搾法

直接圧搾法は、白ワインと同様の製法でロゼワインを造る方法です。黒ブドウを軽く圧搾し、その際に果皮から淡い色素が果汁に溶け込みます。圧搾の時間を調整することで、ピンク色のロゼワインになります。


直接圧搾法で造られるロゼワインは、繊細で軽やかな味わいが特徴で、フレッシュな酸味と香りが楽しめます。

ロゼワインのペアリング

ロゼワインで乾杯

製法や味わいから、ロゼワインは赤ワインと白ワインの良いところをもった、中間的存在と言えます。そのため、幅広い料理との相性の良さも特徴です。


ただ、さらにポイントを知っておけばロゼ選びももっと楽しくなります。紫貴さんにロゼワインのペアリングのポイントを三つ教えてもらいました。

ソムリエ解説!ロゼワインのペアリングのポイントは?

一つは料理とワインの色を合わせることです。一言で「ロゼ」といっても、オレンジがかったピンクから、青みがかったピンクがあります。サーモンピンクのロゼワインにスモークサーモン……といった具合に、色を合わせると不思議と合うのです。 二つ目は、ロゼの穏やかなタンニンと野菜のえぐみを合わせる方法です。ラタトゥイユ、シザーサラダ、野菜の天ぷら、生春巻きなどの穏やかなえぐみとロゼのタンニンはきれいにリンクします。 最後は香りを合わせることです。ロゼのなかにはスパイスやタイムやローズマリーなどのハーブの香りがするものをよく見かけます(特に南仏に多い)。香辛料やハーブをふんだんに使った料理にも、こういったロゼは抜群の相性なのです。

ソムリエ解説!濃いロゼにピッタリな料理は?

ジビエ

濃いロゼは、しっかりとしたタンニンと、穏やかな酸味のものが多く、飲みごたえがあります。こういったリッチなタイプは、赤身肉やジビエなどのしっかりとした食材や、炒める、揚げるなどの調理法を経たものとバランスが釣り合います。 料理の脂分は、ロゼワインのタンニンをなめらかに感じさせてくれる役割があります。バターを使った濃厚ソースが添えられた魚料理、仔羊のロティ、サシの多い牛肉のステーキにも抜群の相性です。

ソムリエ解説!淡いロゼにピッタリな料理は?

カルパッチョ

色の淡いロゼは、しっかりとした酸味があり、タンニンが少なく、軽やかなものが多いのが特徴です。こういったタイプは乾杯の一杯にはもちろん、シーフードや鶏肉などの軽めの食材、シンプルな調理法(生、茹でる、蒸す)をした料理が、どちらかがどちらかを圧倒することがなく好相性です。 鮮魚のカルパッチョや焼き鳥などもおすすめです。料理の酸は、ワインの酸を穏やかに感じさせてくれる役割があるので、「ワインの酸がキツすぎるな」と思ったときは、料理にレモンをしっかり搾ると良いでしょう。

おすすめのロゼワイン

最後に紫貴さんおすすめのロゼワインをご紹介します。


数あるロゼワインの中から、どれを選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。そんな時、ぜひ参考にしてみてください。

バイ・オット・ロゼ / ドメーヌ・オット★

夏にぴったりのプロヴァンスロゼです。淡いサクラ色、柑橘、桃の香り。軽やかな飲み口とキリッとした酸は、乾いた体にぐっと染み入るよう。 SNS映えしそうな南仏の伝統ボトル"flûte à corset(フルート・ア・コルセ)“も、バカンス気分を楽しむのにぴったりです。よく冷やして、ビーチサイド、テラス、ベランダで楽しみたい1本です。

バイ・オット・ロゼ
750ml

バイ・オット・ロゼ

  • ロゼ

    フレッシュ&ドライ

  • 2022

    3,630

    (税込)

カラフリア / トルマレスカ(アンティノリ)

イタリア南部の「かかと」に位置するプーリア州では、①軽やかなロゼ、②フルーティーでしっかりとしたロゼワインの2タイプが産出されています。このワインは、後者のタイプで、土着品種ネグラマーロからつくられるフルーティーロゼです。 しっかりとした味わいは、ラグーソースなどお肉を使ったパスタと好相性。カラフルなラベルもテーブルに華やぎを添えます。

カラフリア
750ml

カラフリア

  • ロゼ

    フレッシュ&ドライ

  • 2023

    2,750

    (税込)

  • V 90

モンテス・シェラブ・ロゼ / モンテス

ロゼはブドウ品種によってサーモンピンクになったり、青っぽいピンクになったりします。中でもシラーから造られるロゼは、目に鮮やかな美しいピンクになるのが特徴です。まさに眼福の1本。 ラズベリー、白コショウの香り。ジューシーな果実味ながらも、しっかりとした辛口が良いバランスです。ラベルに描かれた天使もユーモラスでギフト受けしそうです。

モンテス・シェラブ・ロゼ
750ml

モンテス・シェラブ・ロゼ

  • ロゼ

    リッチ&フルーティー

  • 2023

    2,530

    (税込)

まとめ

ロゼワインは、その美しい色合いと多彩な味わいで、多くのワイン愛好者に親しまれています。


製法の違いから生まれる個性豊かな風味、そして楽しみ方やペアリングのポイントを押さえることで、より一層ロゼワインの魅力を楽しむことができます。


日常の食事に彩りを添える1本やプレゼントにぜひロゼワインを選んでみてください。

文=川畑あかり

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