9月15日(土)、「なだ万 高輪プライム店」にて、マッソリーノからオーナー兼ワインメーカーのフランコ・マッソリーノ氏と、パオロ・スカヴィーノからブランド・アンバサダーのリカルド・スガッラ氏を迎え入れ、バローロをはじめとするピエモンテワインと、なだ万が伝える四季折々の日本料理とのマリアージュを目的としたスペシャルテイスティングディナー会を開催しました。
初めての来日となったフランコ氏、リカルド氏の両氏と共に、和食とピエモンテワインのマリアージュに舌鼓を打った今回のイベント。あらためてお越しくださった皆様、本当にありがとうございました。それでは当日の様子をレポートします。ぜひご覧ください。
セッラルンガ・ダルバ村の頂点、マッソリーノ
4代目当主フランコ・マッソリーノ氏
100年以上、「セッラルンガの土地のワインを造ること」をモットーに長い歴史にわたって伝統的バローロを守り続けるマッソリーノ。地元でも、セッラルンガ・ダルバ村と言えばマッソリーノ、と誰もが名前を挙げる非常に信頼の厚い造り手です。
モダン派ワイナリーの巨匠、パオロ・スカヴィーノ
ブランド・アンバダー、リカルド・スガッラ氏
パオロ・スカヴィーノは1921年に創立した歴史あるワイナリー。1978年、当時まだ珍しい単一畑の「バローロ・ブリック・デル・フィアスク」をリリースし、これが現代バローロの傑作と高い評価を受けました。その後も、革新的な取り組みを続け、モダン派の生産者集団である“バローロ・ボーイズ”として注目を浴び、現在も歴史ある畑から極上のワインを生み出し続けています。
いよいよ開場、イベントスタート
ランゲ・シャルドネとソッリーゾ
まずウェルカムドリンクとして供されたのはそれぞれのワイナリーが造る白ワイン。フランコ氏の“アッラ・サルーテ!”という掛け声と共に乾杯です。どちらのワインも料理と合わせる前から、「和食に合いそう!」とのお客様の声も聞こえてきました。
先付「毛蟹身出し、トマトのサラダ仕立て、エンダイブ チャービル」
乾杯が終わり料理の提供がスタート。先付の1品目と見事なマリア―ジュを見せたのは、パオロ・スカヴィーノが造る「スマイル」という意味のソリーゾです。シャルドネ、ヴィオニエ、ソーヴィニヨン・ブランという珍しいブレンドで造られており、ブレンドによる様々な品種の要素が、トマトのさっぱりとした酸味や蟹のふくよかな甘みを受け止めます。
先付「水蛸柔らか煮、茄子色煮 小芋 南瓜 オクラ 振り柚子」
先付の2品目には、マッソリーノのランゲ・シャルドネの組み合わせが◎。
このワインは、フランコ氏がワイナリーを引き継いだ際に、新しいチャレンジとして造り始めた白ワイン。「自分のベイビーのようなワインだからコメントの際には気を付けてください」と、フランコ氏が笑いながら語られたのが印象的でした。
濃厚な味わいを支える酸とミネラル感が、柚子を添えた水蛸のふくよかかつ爽やかな味わいに、そして澱と共に寝かせるシュール・リー由来のワインの旨味が、噛むほどに旨味が出てくる野菜の味わいとマッチしました。
温菜「蛤スープ蒸、松茸あん、新百合根 葛切り」
続いての料理は、いわゆる茶碗蒸しに松茸の角切りがアクセントとなった温菜。同じタイミングでドルチェットとネッビオーロといった、ピエモンテを代表する品種で造られた赤ワインが提供されます。
白ワインと合わせて楽しむ方が多い中、リカルド氏は「ネッビオーロの複雑な香りが、松茸の香りを隠さずに増幅させる」とコメント。パオロ・スカヴィーノのランゲ・ネッビオーロは、バローロと同じ畑の若樹のブドウで造られる「バローロの入口」となるワインとのことで、実際に試してみると、ワインのエレガントかつ複雑な風味が料理の複雑性を強調させ、思わぬ相性に多くのお客様が驚きを示しました。
冷菜「寿司盛り合わせ、和牛炙り トリュフ、フォアグラ わさび、ぼんじり南蛮味噌」
冷菜のお寿司には、マッソリーノが手掛けるドルチェット・ダルバとの相性が印象的。フランコ氏曰く、ドルチェットは収穫時のブドウの実が甘く食用としても楽しめるブドウで、地元では「エブリデイ・ワイン」として親しまれているそう。ピュアな果実味とジューシーさが、和牛の香ばしさや、味噌を合わせたぼんじりのふくよかで甘じょっぱい味わいを引き立てます。
また、ネッビオーロと合わせると、上品さや高級感がプラスされ、特に滑らかな口溶けのフォワグラを食べた後にワインを口に含むと、料理とワインの複雑な味わいが綺麗に絡み合い、余韻にまで長く続く風味を楽しむことができました。
メインのお肉料理×バローロのマリアージュ
バローロ・ヴィーニャ・リオンダ、バローロ・ブリック・デル・フィアスク
そしていよいよこの日のメインとも言えるバローロが登場!それぞれのワイナリーのフラッグシップキュヴェ対決という豪華飲み比べです。
煮物「霧島豚柔らか煮、馬鈴薯餅 青味、溶き辛し」
最初にバローロと合わせたのは、なだ万発祥の料理として、永く大切にされてきた料理のひとつである豚の角煮。こちらの料理には、パオロ・スカヴィーノが創業以来所有する畑から生み出される、ワイナリーの発展を支えてきた特別なキュヴェ、バローロ・ブリック・デル・フィアスクの組み合わせが見事でした。
密度の高いタンニンを伴ったビロードのような質感が、角煮の脂身や餡のとろけるような口触りと絶妙にマッチし、パワフルさとエレガンスが同居した味わいが料理の味わいに更なる調和を与えます。
焼物「国産牛炭火焼、添え野菜、大蒜醤油 沖縄の塩 わさび」
メインの料理を締めるのは、国産牛の炭火焼。イタリアの赤身主体の肉とは違った、和牛特有のとろける旨味が特徴です。6年もの長期熟成を経たマッソリーノのフラッグシップキュヴェ、バローロ・ヴィーニャ・リオンダ・リゼルヴァのエレガントな味わいが、素材そのものの味わいを引き立て、素晴らしいマリアージュを演出してくれました。豊富な酸が脂身を洗い流し、余韻に漂う旨味の風味がいつまでも長く続きます。またアスパラやレンコンといった焼き野菜には苦味があり、ワインとお肉を繋ぐアクセントとして絶妙なハーモニーを奏でました。
デザート「ほうじ茶のブリュレ 和栗のアイス」
最後のデザートと合わせたのは、マッソリーノのモスカート・ダスティ。微発泡でアルコール度数が低い甘口ワインで、フランコ氏も「ビールのように楽しめる」と語るワインですが、ブリュレの焼き目の程良い苦みに、ワインの繊細な甘みとしっかりとした酸味が加わり、まさに「大人のデザート」と言える組み合わせを楽しむことができました。
まとめ
今回のイベントでは、気軽に愉しめる白ワインや赤ワインからイタリア随一の高級ワイン、バローロ、そして甘口のモスカート・ダスティまで、普段はなかなか合わせることのないピエモンテワインと和食との組み合わせを堪能することができました。
料理とワインのマリアージュ、そしてフランコ氏とリカルド氏の熱心な解説に、参加したお客様も大変満足されていたのが印象的でした。皆さまもぜひ、和食とピエモンテワインのマリアージュを愉しんでみてはいかがでしょうか。
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