毎年心待ちにしているというファンも多い、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのアートラベル。例年、著名なアーティストによるラベルがファンの話題をさらっています。
最新2016年はどのアーティストが手掛けたのでしょうか?つい先日発表されたアートラベルをご紹介します!
2016 年のラベルには、素描をコマ撮りした「動くドローイング」と呼ばれる手描きアニメーションで知られる南アフリカ・ヨハネスブルク出身のウィリアム・ケントリッジ氏による作品が選ばれました。実は、アフリカ大陸出身者がラベルのアーティストとして選ばれるのは、今回が初。
作品『バッカス神の勝利』で描かれるのは、楽しげな行進のシルエット。ティツィアーノからマティスまで、数々の巨匠の絵画に描かれてきたバッカス神のキャラクターに着想を得ています。偉大なワインは何よりもまず楽しむものであると同時に、尊敬と節度を求める文化の伝統とも不可分である、との同氏の思いが込められています。
初のアフリカ大陸出身アーティスト
ウィリアム・ケントリッジ氏は、1955年南アフリカ・ヨハネスブルク生まれ。
俳優と舞台ディレクターとして活動を始めたのち、アニメーションの描画とビデオ作品の制作を開始。木炭やパステルで描いたドローイングを描き直しながら1コマごとに撮影する作品で知られています。
南アフリカの歴史や社会状況を色濃く反映した作品を多数制作しており、近代に自国が歩んだ暗い過去からインスピレーションを得ることも多く、「ポリティカル・アート」と自認すると同時に、作品にはユーモアとポエジーが溢れています。
100点満点を獲得した偉大なヴィンテージ、2016年
シャトー・ムートン・ロスチャイルドのオーナーファミリー。左から、ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルド氏、フィリップ・ド・セレイス・ド・ロスチャイルド氏、カミーユ・ド・セレイス・ド・ロスチャイルド女史
2015年に続いて今回のアーティストをセレクトしたのは、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのオーナーファミリーであるジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルド氏。ジュリアン氏はフランスのドローイングの専門家、蒐集家の顔をもち画商としての活動もしており、美術に造詣が深いことから故バロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人に代わりシャトー・ムートン・ロスチャイルドのアートラベルのセレクションを任されることになりました。
2016年のシャトー・ムートン・ロスチャイルドの出来はどうだったのでしょうか。
2016年の冬と春は極めて湿度が高かった一方、夏と秋は乾燥した気候となり、絶好のコンディションのもと収穫が行われました。その濃密さと肉づきの良さから、21 世紀生まれの偉大なヴィンテージと肩を並べる仕上がりとなっており、すでに『ワイン・アドヴォケイト』誌では伝説のヴィンテージと言われる1986年以来となる100点満点を獲得しています。
こちらのシャトー・ムートン・ロスチャイルド2016年のリリースは来年春を予定しています。どうぞお楽しみに!
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