ワインのテイスティングの際、「アロマ」や「ブーケ」という言葉を聞いたことはありませんか?
どんなときに使う言葉なのかわかっているとワインを表現するときに便利です。
ここではそんなワインを表現する上で欠かせない二つの言葉について解説します。ワインのどんな香りが当てはまるのでしょうか?
ワインの香りは3種類ある
ワインの豊かな香りはワインの大きな魅力の一つですが、実は1杯のグラスには200種類以上の香りが含まれていると言われています。また、それぞれのワインによって香りの多さも種類も違うことがわかっています。
実際にワインの香りをとるときを思い出してみてください。
ワインボトルを抜栓した際にふんわり漂う香りと、ワインをグラスに注ぎしばらくした後や、スワリング(注1)した後に漂う香りは違いますよね。このように、ワインには様々な香りが含まれています。
そんなワインの香りはそれぞれ何に由来するものかによって大まかに三つに分類されています。
- 第1アロマ:ブドウそのものの香り
- 第2アロマ:発酵や醸造に由来した香り
- 第3アロマ=ブーケ:熟成に由来する香り
(注1)グラスをくるくると緩やかに回すこと
スワリングについてはこちら
香りの特徴
それぞれの香りには特徴があります。ワインを楽しむ際に「第1アロマが強いな」「お、これはブーケだな」などという気付きがあれば、楽しさも広がるかもしれませんよ。
第1アロマ
第1アロマとは、果実香や花、スパイスの香りなどの原料ブドウに由来する香り。
ブドウ自体に香りがあるアロマティック品種(リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ、ソーヴィニヨン・ブランなど)はより強く感じられます。
第2アロマ
第2アロマとは、発酵や醸造に由来した香り。
低温発酵を行うとキャンディの香り、マセラシオン・カルボニックを行った場合はバナナの香り、リンゴ酸が乳酸に変化するマロラクティック発酵の場合はカスタードクリームや杏仁豆腐、ヨーグルトの香りがします。
第3アロマ(ブーケ)
第3アロマ(=ブーケ)は熟成により現れる香りで、木樽で熟成されたことで加わった香りや第1アロマが熟成することで変化した複雑な香りのことを指します。
熟成香とも呼ばれるもので、ワインに深みを持たせて、より複雑味のあるものへと進化させます。
代表的なのはバニラやココナッツ、カラメルなど香りです。他にもなめし革、獣臭、腐葉土、濡れた森林、紅茶、ドライフルーツ、トリュフなどのきのこ類、コーヒー、ココアなどの香りも。
これらが他のアロマと結びつき溶け合うことで、さらに魅力的な香りへと変化します。
まとめ
アロマやブーケの違い、おわかりいただけましたか?
ワインをテイスティングした際にどんな香りがあるかがわかったら、それが何に由来する香りなのか、第1アロマなのかブーケなのか……を探ってみるとワインがもっと楽しくなりますね。
ワインをテイスティングする機会があったらぜひ「アロマ」や「ブーケ」という言葉をどんどん使ってみてください。