ヴォーヌ・ロマネの名門アンヌ・フランソワーズ・グロ来日独占インタビュー!

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公開日 : 2019.3.20
更新日 : 2023.7.12
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現当主と前当主

(左)現当主マティアス・パラン氏、(右)前当主フランソワ・パラン氏

歴史あるヴォーヌ・ロマネの名門グロ家。その流れを汲むドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロから新当主マティアス・パラン氏と前当主フランソワ・パラン氏が来日し、エノテカ独占インタビューで語っていただきました!

目次

ヴォーヌ・ロマネの名門グロ家

ワインボトル

グロ家は1860年から、「神に恵まれた地」ヴォーヌ・ロマネでワイン造りを行ってきた由緒正しき名門一族。特に伝説的な醸造家だった先代のジャン・グロ氏は、1995年に引退する際に3人の子供たちに畑を分割して相続しました。

その子供の1人である長女アンヌ・フランソワーズ女史と、ポマールでドメーヌを営んでいたパラン家のフランソワ・パラン氏が結婚し、誕生したのがドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ。

ヴォーヌ・ロマネとポマールを中心とした畑から、繊細でピュアなピノ・ノワールの神髄ともいえるワインを醸しています。

威風堂々の若き新当主

現当主

今回来日した新当主マティアス氏は、弱冠29歳。なんと23歳だった2013年からドメーヌを引き継ぎ、当主として独り立ちしています。

しかし、そのキャリアはベテラン並。ボーヌ醸造学校を卒業した後、叔父のミッシェル・グロやドルーアン・ラローズなどの名だたるドメーヌで働き、2010年より自身のドメーヌで父フランソワ氏から引き継ぎを受けたサラブレッドです。

今回の来日にあたりワインショップ・エノテカ 銀座ミレ店で開催されたイベントでは、自身の哲学や醸造、栽培について細部にわたり威風堂々と語り、当主としての立ち振る舞いを見せていました。

潔く世代交代を決めた父

前当主

一方、父であるフランソワ氏は1973年からドメーヌ・パランで醸造を担当し、約40年のヴィンテージを経験。

しかも1988年以降は、ドメーヌ・パランとドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ、二つのドメーヌでワインを造り、人の倍のキャリアを積んできた鉄人です。

しかし、フランソワ氏は2012年を最後のヴィンテージとしてきっぱり引退。2013年以降は完全にマティアス氏にドメーヌを委ねているそうです。

お家騒動や世代交代がうまくいかず、新旧世代で意見が対立してしまうドメーヌも多いなか、若い世代を信じて潔く退くことは中々出来るものではありません。

不変のエレガンス

ブドウ畑

ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロが目指しているのは「繊細で優しくエレガントなピノ・ノワールらしいシルキーなワイン」。

マティアス氏は「父をモデルとしている」と語り、世代交代をしてもこのスタイルは受け継がれています。

これを特徴づけているのは、ブルゴーニュの神様と言われるアンリ・ジャイエと同じ100%除梗による醸造です。

アンヌ・フランソワーズ・グロでは、収穫後20分以内にドメーヌに到着したブドウを手作業により選果、除梗し、さらに2度目の選果を行い、破砕をせずに発酵槽へ投入。

この徹底した選果と除梗により、青臭く収斂性の強い渋味を出しがちな果梗を完全に取り除き、優しくシルキーなタンニンとピュアな果実味を抽出しているそうです。

近年は果梗を取らない全房発酵が流行っていますが、「どちらの方が良いというわけではなく、ドメーヌの目指すスタイルによって変わる」とマティアス氏。

それゆえアンヌ・フランソワーズ・グロのワインはブルゴーニュの中でも、特に繊細で女性的。イベントで提供されたワインも、まさに絹のような舌触りで参加者を魅了していました。

さらに、「ドメーヌのスタイルは大きく変わっていませんが、醸造の細部はいくつか変更しました」と熱く語ってくれました。

その中でも一番の変更点は、ワインをさらにエレガントに進化させるために、熟成に使うオーク樽の焼き加減を軽くしたこと。

オーク樽熟成の目的は、オークの香りをワインに与えること、緩やかな空気との接触によってワインをまろやかにすることなど、生産者の考え方によって様々です。

マティアス氏はオーク樽熟成の目的を、樽材の持つキメ細やかなタンニンをワインに与える為と考えており、余計なアロマを与えてしまうのは不本意だったそうです。

そこで、樽材を曲げる際の焼き加減を軽くし、焦げた木のような樽材の香りを出来るだけワインに与えずに、果実のアロマをよりピュアに表現できるようにしたとのこと。

その他にも澱引きの回数を減らすなどの微調整を行い、よりエレガントなワインを目指しています。

偉大な父の最高傑作

テイスティングしている様子

ワインショップ・エノテカ銀座ミレで開催されたイベントで提供されたワインは下記の通り豪華ラインナップです。

  1. 2017 ボーヌ プルミエ・クリュ レ・モントルヴノ・ブラン
  2. 2015 ヴォーヌ・ロマネ オー・レア
  3. 2014 ヴォーヌ・ロマネ クロ・ド・ラ・フォンテーヌ
  4. 2012 ポマール レ ペズロル
  5. 2012 リシュブール

この中でも圧倒的な完成度で会場が息をのんだのは、父フランソワ氏が手掛けたラストヴィンテージとなる2012年のリシュブール

時間の経過と共に様々な表情を見せる複雑なアロマ、異常なほどキメ細かいタンニンと酸味、密度のある瑞々しい果実味が完璧なバランス。ヴォーヌ・ロマネの神髄を体感できる、まさに球体のような味わいで参加者を唸らせました。

その出来映えは、インタビューの際にマティアス氏におすすめを聞くと、即答で「絶対にこれ!」と答えるほど。

実際に2012年リシュブールの評価は非常に高く、ワインアドヴォケイト誌の首席評論家だったニール・マーティン氏が、「過去に試飲したドメーヌのワインで最高」と評価し、ドメーヌ史上最高の97点を獲得しています。

実はこの2012年ヴィンテージは、父と子の最初で最後の合作だそう。なんだか最後のヴィンテージに、フランソワ氏が息子マティアス氏に見せた背中を想わせます。

この偉大な最高傑作を超えるために、マティアス氏はさらなる研鑽を積んでいくのでしょう。

相続税の高さから、大企業による家族経営ドメーヌの買収が続くブルゴーニュの中で、昔から土地に根差している家族の温もりを感じるドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ。

父から子へバトンが渡されてもそのスタイルは継承され、さらなる進化を遂げています。今後ますます、繊細でエレガントなワインでブルゴーニュファンを魅了してくれることは間違いありません。

親子写真

商品一覧はこちら

今回イベントが行われた 銀座ミレ店

銀座ミレ店
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座6-8-3 銀座尾張町TOWER 2F
TEL:03-3573-1531 FAX:03-3573-1532
最寄駅:東京メトロ日比谷線・銀座線・丸ノ内線「銀座駅」
営業時間:ショップ 11:00~21:00
カフェ&バー 11:00~22:00

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