第1回ワイン初心者向け講座 今すぐ使えるワインの知識

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公開日 : 2019.4.10
更新日 : 2023.7.12
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ワイン講座

ワインって小難しくてよくわからない、詳しくないのでレストランで注文するのが怖い。そんな風に思っていませんか?そんなワイン初心者の方でもワイン選びに今すぐ使える知識やレストランでの所作などをご説明します。

何か新しいことを始めるのにはピッタリの春。エノテカ編集部はワイン初心者向け講座の連載をスタートします。ぜひこの機会に、一緒にワインを始めてみませんか?

目次

実践で使えるワイン選びの方法

まずは初心者がつまづきがちなワイン選びのコツをご説明します。それは、生産国と品種のイメージを掴むこと。これがわかればワイン選びがもっと楽しくなりますよ。

おおまかなワイン生産国の特徴を覚える

世界の主要なワイン生産国の特徴を抑えましょう。おおまかな国のイメージを覚えれば、シーンに合わせたワインをチョイスできるようになります。

生産国ランキング

※source:oiv-statistical-report-on-world-vitiviniculture-2018

上図は2017年の国別ワイン生産量ランキング。

1~4位のイタリア、フランス、スペイン、アメリカは不動の産地です。5位以下は年によって前後しますが、この他にチリ、南アフリカ、中国などが主要なワイン生産国です。今回はこの上位4か国の特徴をご紹介します。

イタリア

イタリアは国内全州でワインを造っており、飲み飽きさせないバリエーションの豊富さがイタリアワインの魅力の一つです。

その中でも代表的なワインであるキャンティやバローロなどは、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

トマトソースと良く合う少し酸味のある赤ワインや、着飾らない素朴な味わいの白ワインなど、イタリアンのみならず食事と一緒に楽しめるワインが多く造られています。

 フランス

フランスワインも料理と同様に高級ワインとしての地位を確立しており、輸出金額ベースでは常に世界のトップに君臨しています。

誰しもが知っている銘醸地ボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュが代表的産地。

どんなスタイルでも最高品質のワインがあり、贈答用などワイン選びで失敗したくないシーンにおすすめの生産地です。

 スペイン

「安くて旨い」の代名詞スペインワインは、リオハやプリオラートなどが代表的な産地です。

フランスやイタリアと比べると少し遅くなりましたが、近年では各地で高品質なワインが造られ、元々ブドウ栽培に向いた乾燥した気候のおかげでハイコスパなワイン産地として知られています。

特に濃厚な赤ワインがお好きな人は、ご自宅用に色々と試す価値ありの産地です。

 アメリカ

ナパ・バレーがあまりにも有名なアメリカのカリフォルニア州は、フランスに並ぶ高級ワイン産地です。


赤白どちらのワインも高品質ですが、フランスなど旧世界の産地と比べるとフルーティな味わいのワインが多く、誰が飲んでも素直に美味しいと思えるワインが造られています。


このように、なんとなく国毎のイメージを掴んでおくだけで自宅用はスペイン産、贈答用はフランス産といったようにワイン選びにも活用できます。シーンにあわせてワイン産地を選んでみてくださいね。

ブドウの種類を覚える

ワイングラス

最も大事なワイン選びコツ。それはブドウの種類と味わいを覚えることです。

普段ワインを飲まない方は、「多少種類が違っても同じブドウ」と思われるかも知れません。しかし、他のお酒と比べると水すら添加せず、ほぼ原料だけで造るワインはブドウの個性が強く表れます。

そのためブドウ品種の特徴を覚えれば、概ねワインが選べるようになるといっても過言ではないほどです。そこで、最も代表的な4品種を覚えましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは、世界で最も栽培されているワイン用ブドウ品種。代表的産地はフランス・ボルドー地方やカリフォルニア、チリなどです。

カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインは、カシスのような黒系果実の香りと強い渋味・酸味があり長期熟成も可能ながっしりフルボディタイプ

高品質でありながら栽培も比較的容易なため、コスパの良い飲み応えのあるワインが多く存在します。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは、ワイン愛好家を虜にして止まないフランス・ブルゴーニュ地方原産のブドウです。

ピノ・ノワールのワインは、華やかでフレッシュな赤系果実の香りと高い酸味があり、渋みは穏やか。カベルネ・ソーヴィニヨンと対照的に繊細で軽めタイプの赤ワインです。

果皮が薄く病気になりやすいので栽培に手間がかかり、カベルネ・ソーヴィニヨンと比較すると高値です。

シャルドネ

シャルドネは圧倒的にメジャーな白ブドウ品種。原産地はフランス・ブルゴーニュですが、世界中のワイン産地で栽培されていない場所はないほどです。

生産地や醸造方法によって味わいが大きく変わるため、シャブリのように爽やか辛口タイプも存在しますが、初心者はコクのあるタイプだと覚えておきましょう。

ソーヴィニヨン・ブラン

シャルドネと対照的な味わいの白ブドウ品種です。フランス・ロワール地方やニュージーランドが代表的な産地です。

グレープフルーツやパッションフルーツ、ハーブといった清涼感のある香りで、キリっとした辛口タイプ。魚貝類やあっさりした味付けの料理と相性が良いです。

ブドウ品種の特徴と前述の国毎の特徴を合わせれば、かなりのワインが選べるようになります。普段からブドウの種類を意識して、ワインを飲んでみてくださいね。

レストランマナー

レストラン

ちょっと高級なレストランに行って、ワインを頼むときって緊張しませんか?ここでは、初心者がレストランで困惑する3つの状況と正しい対応をご説明します。

何を頼んでいいかわからない!

横文字だらけのワインリストを眺めたところで、そもそも詳しくないので何を頼んだらいいのかわからない。これがレストランで最も困ることではないでしょうか。

そういった場合は物怖じせずに、素直にソムリエに好みを伝えて選んでもらうのが一番。そこでソムリエにワインを注文する際のポイントを3つご紹介します。

予算を明確に伝える

ソムリエに提案されたワインが予算オーバーだとお互いに不幸になります。そういったパターンを避けるためにも、オーダーの際には予算を伝えましょう。

ゲストを前に、口頭で伝えにくい場合はワインリストの価格を指しながら、「このあたりで…」といえば伝わります。

使わない方が良い言葉

味の好みを伝える際に、「フルーティ」という言葉は使わない方が良いかも知れません。一般の方が言うフルーティと、ソムリエのイメージするフルーティにはズレがある場合があります。もし、少し甘くて飲みやすいワインを求めているのなら、そのとおり伝えましょう。

また、「辛口」という言葉は使わない方が無難でしょう。

ほとんどの赤ワイン・白ワインの残糖分は、多くても6mg/L以下に抑えられています。これは日本酒とは比較にならないレベルですし、スパークリングワインでいうところの極辛口(Extra Brut)レベルです。

しかし、ワインは甘い果実風味があり、何をもって辛口とするのか難しいところ。優秀なソムリエなら、それ以外の言葉を引き出して好みのワインを持ってきてくれるかも知れません。しかし、「辛口」という表現だけでは実際には何も伝わっていません。

理解してもらいやすい言葉

フレッシュ/リッチという言葉はソムリエに味のイメージを伝えやすく、赤でも白でも通用する表現です。これを抑えておけばイメージと全く違うワインが出てくることは少なくなるでしょう。

「フレッシュなワイン」というと、新鮮な果実の風味とやや酸味のある爽やかなワインがイメージされます。さきほど紹介した品種なら、白はソーヴィニヨン・ブラン、赤はピノ・ノワールが当てはまります。

「リッチなワイン」は、甘く熟した果実の風味が感じられるまろやかなワインがイメージされます。白ならシャルドネ、赤ならカベルネ・ソーヴィニヨンです。

これに加えて、渋みや酸味の好みを伝えれば、きっとお好みのワインを持ってきてもらえるはずです。

ホストテイスティング

ホストテイスティングとは、注文したボトルワインをゲストに注ぐ前に、注文者(ホスト)がするテイスティングのことです。

実はこれは、注文したワインが美味しいかどうかを確認しているわけではありません。欠陥ワインではないかを確認しています。

そのため、詳しくないからと断らずに、ワインの香りや味を確認してみましょう。欠陥ワインは初心者が飲んでも味に異常を感じます。

もし変だなと思った場合は、素直にソムリエに聞くのがおすすめ。ブショネなど、欠陥ワインだった場合には新しいボトルと交換してもらえます。

ワインを注がれる時

サーヴされるとき

レストランではグラスのワインが減ってくると、丁度良いタイミングでソムリエがワインを注ぎにきます。そんな時、ついワイングラスの足元を抑えていませんか?

「お酌」の文化がある日本では、お酒を注がれる時につい手を添えたくなるものですが、ワインの場合には不要です。それどころか、ワインが滴った場合に服にかかってしまう可能性もあり、ソムリエを緊張させるだけですのでやめましょう。

逆におかわりが不要な場合には、注がれる前にワイングラスの飲み口に手を添えることで、エレガントに意思を伝えられます。

ソムリエは、お客様に心地よい時間を過ごしてもらうためにサービスをしています。

知識がないからと怖気づかずに、気軽にコミュニケーションをとってみてください。ソムリエを味方につけると楽しい時間が過ごせますよ。

まとめ

今回はワイン初心者が最も悩みがちなワインの選び方と、レストランでの振る舞いをご説明しました。国と品種の特徴をイメージしてワインを選ぶことを繰り返していると、段々とワインがわかってくるので、ぜひ実践してみてくださいね。

次回のワイン初心者向け講座は、なぜワインは世界中で親しまれているのか?ワインの歴史を詳しく解説します。

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