イタリアの「緑の心臓」ウンブリア州で造られるワインを知ろう!

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公開日 : 2019.4.17
更新日 : 2022.5.23
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ウンブリア風景

20ある州の全てがワイン産地のイタリアで「緑の心臓」と呼ばれるウンブリア州。それほどまでに緑が豊かで自然に満ちた地では、どのようなワインが造られているのでしょうか。

今回は、ウンブリア州の気候風土とウンブリア州で造られる白ワイン、赤ワインについてご紹介します。

目次

ウンブリア州ってどんなところ

ウンブリア地図

イタリア半島のほぼ中心に位置するウンブリア州は、イタリアで唯一、海にも国境にも面していない州です。さらに、州土の70%を美しい緑の丘陵地帯が占め、渓谷も多いことからイタリアの「緑の心臓」と呼ばれています。また、大小多くの川が流れることや、イタリアで4番目に大きい湖、トラジメーノ湖もあることから、海には面していない内陸地ではありますが水源にも恵まれています。

気候は温暖な地中海性気候で、昼夜の温度差が激しい地域です。ブドウが栽培される丘陵地帯の土壌は、水はけの良い石灰質土壌でブドウ栽培に適しています。

緩やかな丘陵地帯という地形と気候、土壌のすべてがワイン造りに適した条件。そのため、古くからワイン造りに最適な土地として知られていました。

代表的なワイン

赤ワインと白ワイン

このウンブリア州を代表するワインが、南部のテルニ県で造られる軽やかな白ワイン、オルヴィエートと、北部のペルージャ県周辺で造られる濃厚な赤ワイン、モンテファルコ・サグランティーノです。どのような地で、どんな味わいのワインが造られているのかをそれぞれ詳しくご紹介します。

南のオルヴィエート

テルニ県オルヴィエート地区は、ウンブリアで最古のワイン生産地として知られており、現在もウンブリア州のブドウ栽培地の約80%をこの地が占めています。この周辺の7つの村は1971年に「オルヴィエートD.O.C.」として認定を受けました。歴史的な区域で造られるオルヴィエートは「クラシコ」と呼ばれ、より規定が厳しく定められています。

また、オルヴィエートには辛口、薄甘口、中甘口、甘口の4タイプがあります。甘みの度合いでドルチェ(甘口)、アッボカート(薄甘口)、アマービレ(中辛口)と分けられます。

使われている品種

白ブドウ

オルヴィエートは、最低60%以上のグレケットとプロカニコから造られます。

グレケットはギリシャ起源の白ブドウで、ウンブリア州で広く栽培されている品種です。ブレンド用に用いられることが多く、酸度が高くレモンや白い花などの香りがします。

プロカニコはトレッビアーノ・トスカーノとも呼ばれ、トレッビアーノの一種で様々な種類があるのが特徴です。

トレッビアーノ・トスカーノはイタリアのみならず、フランスをはじめ世界的にも広く栽培されている白ブドウで、世界で2番目に広い栽培面積を持ちます。また、フランスではユニ・ブランという別名で呼ばれます。

プロカニコから造られるワインはニュートラルな香りと味わいが特徴で、フランスではコニャックやアルマニャックなどのブランデーに用いられる品種です。

味わい

前述したように、オルヴィエートの歴史は古く、中世の時代には高貴な貴腐ワインとして人気を博しました。これはローマ教皇庁でオルヴィエートの甘口ワインが振る舞われていたほどです。

しかし戦後、消費者の嗜好の変化に伴い、フレッシュな辛口ワインも造られるようになりました。

北のモンテファルコ

モンテファルコはウンブリア州の北部に位置する州都ペルージャ県にある小さな村です。モンテファルコは峰と峰とを結んで高く連なる所に位置することから「ウンブリアの手すり」と呼ばれています。そんな標高の高い丘陵地帯で造られるのがモンテファルコ・サグランティーノ。

モンテファルコ・サグランティーノは1979年にD.O.C.の認定を受け、1992年にD.O.C.Gに昇格しました。

使われている品種

黒ブドウ

モンテファルコ・サグランティーノはその名の通りサグランティーノ100%で造られる赤ワインです。サグランティーノはモンテファルコ村でしか栽培されていない珍しい黒ブドウ。ポリフェノール含有量が非常に多い品種で、長期熟成に向いています。イタリアでもっともタンニンが強いブドウと言っても過言ではありません。

また、サグランティーノは起源がいまだにはっきりとわかっていないという謎めいた品種です。中世期に、ギリシャ正会の修道士によって教会の儀式用のワインを造るために持ち込まれたという説が有力視されており、儀式(サクラメント)が由来でサグランティーノという名前になったと言われています。

味わい

以前は、陰干しした糖度の高いブドウから造られた甘口ワインでした。しかし、オルヴィエートと同じように消費者の嗜好変化により、1980年代頃から味わいが変化。

果実味が豊かでタンニンが豊富な赤ワインとして1990年代頃に注目を集めました。

D.O.C.G.の基準で「最低アルコール度数は13%」、「最低でも30ヶ月(木樽12ヶ月)の熟成が必要」など細かに定められています。また現在も、陰干ししたブドウから造る「パッシートタイプ」も認められています。

おすすめのウンブリアのワイン

先ほどご紹介した南のオルヴィエートより、おすすめの白ワイン「カザソーレ・オルヴィエート・クラシコ」をご紹介致します。

中甘口タイプに分けられるこちらのワインですが、上品な甘さにフレッシュな香りがあるため口当たりは爽やか。

キーマカレーやベトナム料理などのスパイシーな料理と相性抜群!是非お試しください。

まとめ

今回は代表的な二つのワインを紹介しましたが、知名度は低くともウンブリア州の各地では他にも多くのワインが生産されています。

丘陵地帯の石灰質土壌は、ブドウ栽培に最適なため今後さらなる品質の向上が期待されています。

いつもと少し違ったイタリアワインを楽しみたいときにはウンブリアのワインを試してみてはいかがでしょうか。

ウンブリアのワインの一覧

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