5000年以上の歴史を誇るギリシャワイン

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公開日 : 2019.7.26
更新日 : 2022.5.23
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ギリシャ

風光明媚な観光地として知られるギリシャ。

ワインの歴史は古く、土着品種から国際品種で造られたスタンダードなものまで様々なワインが造られています。

今回はそんなギリシャのワインについて解説します。

目次

ギリシャワインの歴史

ギリシャ

ギリシャには紀元前3,000年以前の先史時代からブドウが自生していたとされています。

ギリシャの南東に位置している東マケドニアのピリッポイでは、既に紀元前4,000年代後半にブドウ栽培とワイン造りが行われていたことがわかっています。さらに、先史時代から歴史時代に移行する紀元前3,000年代には、南部のクレタ島やその北にあるサントリーニ島でワインが取引されていたという証拠も見つかっています。

紀元前20世紀以降にはすでにこの地でワイン造りがされていたことが、世界最古の用圧搾機や容器が出土されていることからわかっています。

このような数々の証拠から5000年以上前からワイン造りがされていたことは間違いありません。

ギリシャワインの産地

ギリシャのワイン産地を大きく五つに分けて、それぞれの代表的な産地やワインもご紹介します。

ギリシャ北部

ナウサ

ギリシャの北部に位置する、古代ギリシャの伝統的なワイン産地です。ギリシャを代表する黒ブドウ品種クロノマヴロなど多くの土着品種が栽培されています。

代表的な産地はマケドニア地方にあるナウサ。1971年にギリシャで初めてO.P.A.P(高品質な原産地呼称ワイン)に認定された重要なワイン産地です。

ここではクシノマヴロだけで造られる赤ワインが造られています。土壌によって造られるスタイルは様々で、軽快な若飲みタイプから長期熟成型まで生産されています。

良質なクシノマヴロから造られたものは複雑で深みがあり、ギリシャの辛口赤ワインの中でも長期熟成能力の高いワインとされています。

中央ギリシャ

アテネ

世界で最も古い都市であり、ギリシャの首都アテネがあるのが中央ギリシャです。

中央ギリシャには原産地呼称に認定された産地はないものの、古くからレッツィーナ(注1)などの日常消費ワインが大量に造られてきました。現在でも、レッツィーナの主要品種であるサヴァティアノはギリシャで最も多く栽培されています。

(注1)古代ワインから飲まれていたとされる松脂の風味がするギリシャ特有のワイン

また、1980年代からは新たな生産者たちによって高品質なワインの生産も始まっており、今後が期待される産地です。

イオニア諸島とペロポネソス半島

ペロポネソス半島

アドリア海の南部にあるイオニア諸島には、七つの小さな島々が含まれます。そのうちのケファロニア島が三つの原産地呼称に認定された産地を有し、高貴品種ロボラから造られるロボラ・オブ・ケファロニアは、この地で唯一の辛口白ワインです。

ペロポネソス半島はギリシャ本土の最南端に位置し、多くのワイン産地を有することから近年注目を浴びています。

中でもコリントスには、ギリシャ赤ワインの最重要産地の一つであるネメアがあり、単一品種から造る赤ワイン産地としてはギリシャ最大。アギオルギティコ100%のワインが造られています。このワインは、「ヘラクレスの血」とも呼ばれていますが、これはネメアが深い紅色をした力強いワインであることと、ヘラクレスがこの地に住む恐ろしい獅子を退治した神話からきています。

エーゲ海の島々

サントリーニ島

美しい風景で有名なサントリーニ島など個性ある島が浮かぶエーゲ海。

白亜の壁と真っ青な屋根をもつ家々が岸壁に建つ風景でも有名なサントリーニ島は、観光地の一つとしても有名ですが、個性的なワインを生み出す産地としても知られています。

ここではアシルティコ100%のキレの良い酸と柑橘系の香りやミネラル感を備えた白ワインでが造られています。このアシルティコは世界的に注目が集まる品種です。

ブドウの生育期には常に強い風が吹くことから、クールーラと呼ばれる独特なバスケット型にした株仕立てが採用されています。これはサントリーニ島で伝わる伝統的な栽培方法です。

クールーラ

また、エーゲ海は甘口ワインの宝庫でもあり、リムノス島やサモス島ではマスカット種から最上級の甘口ワインが造られています。

クレタ島

クレタ島

クレタ島はギリシャの最南端に位置し、地中海に浮かぶ同国最大の島で、観光地としても有名です。

山岳部が多く、ほとんどのブドウ畑は標高の高い場所に位置しています。島の大部分は温暖な地中海性気候で、冬でも穏やかな地域です。

造られるワインはマルヴァジアから造られる甘口ワインが有名。天日干ししたブドウから造られ、果実と酸のバランスに優れた甘口ワインに仕上がります。

ギリシャのブドウ品種

ブドウ

クシノマブロ

ナウサで多く造られているギリシャを代表する黒ブドウ品種です。ピノ・ノワールやネッビオーロに似ていると指摘されることもありますが、遺伝子的には無関係で、ナウサが原産とされています。

クシノは「酸」、マブロは「黒い」を意味し、その名の通りしっかりとした酸味とタンニンがある赤ワインに仕上がり、長期熟成に向いています。

アシルティコ

気温が高い地方でもしっかりとした酸を維持する珍しい品種で、病害にも強いという特徴があります。透明感と気品ある白ワインを生み出します。

ギリシャで広く栽培されていますが、特にサントリーニ島の主要品種です。

サヴァティアーノ

レッツィーナの原料となる白ブドウ品種で、ギリシャで最も多く栽培されています。

濃厚なフルーツの香りが強く、ワインにジューシー感を与えます。高山で栽培されたものや樹齢の高いものは、香りがより芳醇で優雅な風味を生み出します。

おすすめのギリシャワイン

最後に、これまで紹介してきた代表的産地のワインをご紹介します。

ラミニスタ / キリ・ヤーニ

こちらは「キリ・ヤーニ」がナウサで手掛ける赤ワインです。

キリ・ヤーニはマスター・オブ・ワインも認めるギリシャ最高峰の生産者で、4代目当主のヤーニス・ブタリスはギリシャワイン界に多大なる貢献をしたことから「現代ギリシャワインの父」と呼ばれています。

こちらのラミニスタはクシノマヴロ100%で造られています。全ての要素が最高のバランスでまとまった逸品です。

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サントリーニ・アシルティコ・アシリ/ ドメーヌ・シガラス

サントリーニの固有品種アシルティコを世界的に有名にしたのがこちらのワインを手掛ける「ドメーヌ・シガラス」です。ニューヨークやロンドンなど世界のワイン産業をリードする国々のレストランでシガラス社のアシルティコが提供されるなど、世界的な人気が伺えます。

柑橘類や白桃、蜂蜜の風味を持ちながらも、強い酸味がワインを引き締める気品溢れる味わいです。

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まとめ

ギリシャワイン

ギリシャワインは日本ではあまり見かけないため、どんなものなのか想像もつかなかったという人も多かったと思いますが、いかがでしたでしょうか?

ギリシャは観光地としても有名ですので、綺麗な風景を思い浮かべながらギリシャワインを飲むのも楽しいですね。

ぜひ、機会があればギリシャワインを手に取ってみてください。

<参考>

『2019 ソムリエ協会教本』一般社団法人日本ソムリエ協会

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