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ワインショップ・エノテカ大名古屋ビルヂング店

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【大名古屋ビルヂング店】シャンパーニュの新時代 ワインファンの期待と憧れを集めるルイ・ロデレール

鎌田 英邦

2024.12.09
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みなさま、こんにちは。大名古屋ビルヂング店の鎌田でございます。

少しずつ寒さも厳しさを増し年の瀬を感じる毎日ですが、如何お過ごしでしょうか。

今回は1枚の写真から語り起こしたいと思います。こちらは私たち大名古屋ビルヂング店のスタッフによるテイスティング勉強会の風景を切り取ったものでございます。

ワイン業界は日進月歩。その流行はまるでファッションのように移り変わっていきます。かつての常識はやがて通用しなくなるもの。ワインスタイルの変遷を辿るには日々の研鑽が欠かせないのです。

その微細ながらも大きな変化を捉えるには、既に確立された個性を持った場所へ改めて焦点を当てることが大切なのではないか?

そこで、今月わたしたちがテーマとしたのは年末年始を彩る煌びやかな美酒、「シャンパーニュ」でございます。


古くよりシャンパーニュほど人の心をときめかせるお酒はなく、その際立った個性には多くの人たちが魅了されてきました。

では、従来から広く知られているシャンパーニュの特徴的な部分とはどんなところにあるのでしょうか?ややテクニカルな側面ながら、ここでは瓶内二次発酵の香りこそがシャンパーニュをシャンパーニュたらしめるものと定義してみたいと思います。


「瓶内二次発酵」はシャンパーニュ の代名詞とも呼べる製法です。1度アルコール発酵が終わったワインを瓶詰めしたあと、リキュール(糖分)を添加して再びアルコール発酵を促し、それによって生じた炭酸ガスをそのまま瓶内に閉じ込めて密閉してしまうスパークリングワインの造り方のことを指します。

この製法を発見したのがベネディクト派のオーヴィレール修道院で酒庫係を務めていたドン・ペリニヨン師と言われています。彼の名前は今でもワイン名となって語り継がれているのはみなさまご周知の通りでございます。


瓶の中に泡を閉じ込めて熟成させるこの造り方は、かつては「シャンパーニュ製法」と産地の名を冠した呼び名が与えられ、その方法論が世界に伝播されるにつれて今日では「伝統製法」と呼ばれるに至りました。

まさにシャンパーニュを象徴する瓶内二次発酵。

では、これによってワインにはどのような香りが生まれるのでしょうか?


この特殊な過程を経ることで一般的にシャンパーニュからは「焼いたパン」や「ビスケット」のような温かみのある香りが感じられるようになります。これはアルコール発酵に使われた酵母が瓶の中で逃げ場を失って滓となり、それに長く触れあった液体が酵母の香り成分を獲得することが原因。あの香ばしさが伝統製法によって生じた由緒あるものだと知ると、シャンパーニュの格調高さがより一層身に迫ってくるような気がしてくるものです。


さて、今回私たちは数種類のシャンパーニュを比較しながらそれぞれの共通点と相違点を探りだすべく意識を集中させていきました。

果たして従来とは違った個性を感じることができるのか?


比較テイスティングではワインの外観に現れる色調の違いを確認したり、香りにおけるフルーツの熟度の違い、味わいにおける酸味のバランスなどをチェックしながら各ワインの強みや美点を書き出していきます。


「トースト」「マフィン」「ブリオッシュ」


様々なコメントが残されましたが、近年のシャンパーニュでもやはり、上述の瓶内二次発酵から生じる香りはいずれのワインにもしっかりと感じられる結果となりました。


しかしながら…


それだけでは終わらないのが比較テイスティングの面白いところなのです。

比べるからこそわかるあっと驚く個性。

ここに気づいた瞬間にこそワインを学ぶ楽しみの醍醐味があるのかもしれません。


シャンパーニュは伝統製法に代表されるようにあらゆる歴史的名醸地の中でも特に伝統に重きを置いたワイン産地です。

その中にあって新たな時代の到来を確かに感じさせてくれたのはこちらの1本でした。

「ルイ・ロデレール コレクション」はバーでも提供中。(50ml 1,210円、100mi 1,980円)

コレクションシリーズがリリースされてから早4年。ルイ・ロデレールのスタンダードラインは確実に『現代』のシャンパーニュを映し出す象徴的な1本となったかのように思います。

その薫り立ちは酵母が生み出す香ばしさを伴いながらも圧倒的にフレッシュで、活力の漲る果実そのものの美味しさに満ちています。

複数品種のブドウを使用しながらも、それぞれの個性がバッティングすることなく重なり合い完全な調和へと至る。

シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエをおよそ4:4:2の割合でブレンドするこのスタイルは正に黄金比と呼ぶに相応しい味わいを実現しています。


スタッフコメントにも「シトラス」「貝殻」「蜜入りりんご」と爽やかさを連想させる言葉が並びました。

正にシャンパーニュのブドウ畑が広がる白亜の土壌を想起させる心象風景がまぶたの裏に浮かんでくるようです。

酵母の産み出す熟成のフレーバーと果実からもたらされる若々しい香り。

相反する要素がひとつのグラスから溢れだした時、私はそこにシャンパーニュの新時代を見た気がしました。


土地の味わい、すなわちテロワールが見えるワインへ。変わらない美味しさを提供し続けてきたシャンパーニュが、変化の中にある喜びを我々に伝えてくれている。

良いワインには天・地・人の三要素が等しく備わっているという考え方があります。

昨今はサステナビリティへの関心がますます高まる時代です。ワインもできるだけ人の手を加えず非介入であることが望ましいとする声が聞こえてくる事も多くなりました。

理想を追い求めるうえで、それもひとつの選択肢であると思います。

しかし、ブドウがワインへと変わる過程で人間の介入をゼロにすることは不可能と言わざるを得ないし、良いワインを造ろうとするならば、そこにはたゆまぬ人の努力が不可欠なのもまたひとつの真実なのです。


特に瓶内二次発酵という製法を必要とするシャンパーニュは正しく人類が産み出した叡知の結晶。

人の手がなくては生まれ得ぬ至宝と言えます。

店頭にはルイ・ロデレールのシャンパーニュを各種取り揃えております。

そして今、人の力によって生まれたシャンパーニュは純粋なテロワールを映すワインとして私たちの目の前にあります。


手仕事の芸術品とすら呼ばれたルイ・ロデレールのシャンパーニュがただひとつのナンバーを携えて送り出すコレクション。

1年を振り返るにふさわしいこのワインで年末年始をゆっくりお過ごし頂くのも良いもしれませんね。

では、みなさまとお会いできることをスタッフ一同心待ちにしております。

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