店舗情報
ワインショップ・エノテカ大名古屋ビルヂング店
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鎌田 英邦
みなさま新年あけましておめでとうございます。年末年始の休日はいかがお過ごしでしたでしょうか。旧年は物価の高騰もあり、なかなか思うようにワインライフを充実させられなかったという方もいらっしゃるかもしれません。かくいう私もそのひとり…年が明けても苦しい毎日が続きそうではありますが、今年の干支は巳年。粘り強く頑張っていければと思っております。
新年というのは人の気持ちも新たにするものでございます。なにか新しい物事に挑戦したいと考えるのはワインラヴァーも同じではないでしょうか?特に昨今は物価上昇だけではなく、気候変動の影響も受けてワイン産地は大きく揺れ動いております。ここは従来の価値観から少し離れて新天地を探してみるのも面白いかと存じます。
当月、大名古屋ビルヂング店には世界の様々なピノ・ノワールが集まってきております。掲載いたしました写真を少しご覧下さいませ。
こちらには今回、フランス ブルゴーニュのワインはあえて選定しておりません。
ブルゴーニュはピノ・ノワールの産地として真っ先に名前があがる歴史的銘醸地であり、その名声は並みいるワイン産地の中でも群を抜いています。ロマネ・コンティをはじめ著名な畑から生み出される数々の名酒は常にワインを愛する者たちにとって羨望の眼差しで眺められるものでした。昨年はそんなブルゴーニュのグラン・クリュを並べながら当店のバーでセミナーを開催させても頂きました。しかしながら、今やブルゴーニュのワインは日常で飲むお酒として限りなく高みへ行きすぎてしまった感もあります。日々の疲れを癒す晩酌のお供としてはなかなかハードルの高い存在になったなとお感じになることも多いでしょう。
気候変動によって古き良き銘醸地は温暖化に苦しみ、かつての味わいを保証するためにはより多くのコストがかかるようになりました。生産者が苦心を続けているのはもちろんのこと、我々の懐具合も痛みはじめているのは言うまでもなく…
と、新年らしからぬ暗い世相の話ばかりしていても仕方ありません。得てして物事が移ろう時とは悪いことばかりではないものです。コインは表裏一体でございます。故に裏面を向いたコインもまたコインの一面に違いはないのです。
一時的にではありますが温暖化はワインのもととなるブドウの栽培適地をこれまでとは比較にならないほど拡大したことは紛れもない真実です。今やブドウを育てられない土地のほうがこの地球上には少ないのかもしれません。かつてピノ・ノワールはその栽培の難しさからブルゴーニュでしか成功できないとまで言われたこともあり、気難しいブドウから最高品質のワインを産み出すブルゴーニュのコート・ドール地区は「神に選ばれた土地」とまで称されました。現在でもグラン・クリュのワインが持つ比類なき名声にはまったく陰りがありません。その一方で温暖化はブルゴーニュのワインから確実に「酸味」を失わせていることも指摘されています。今やブルゴーニュはピノ・ノワールの産地として暑すぎるのです。
さて、そんな昨今において注目すべきワイン産地はどこにあるのか。少し目線を高くしてみたいと思います。見上げた視線の先には聳え立つ山脈が広がっています。
そう、現在注目のワイン産地は山の上、標高の高い畑にあるのです。
■ヤラ・ヴァレー ピノ・ノワール
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/NS02P0020?td_seg=tds990077tds990068tds773385
税込:4,950円
生産者:ジャイアント・ステップス
産地:オーストラリア ビクトリア ヤラ・ヴァレー
品種:ピノ・ノワール
ブルゴーニュの強力なライバルと絶賛される注目の造り手が手掛けるスタンダードキュヴェ。ブルゴーニュの良質のピノ・ノワールに匹敵する1本。
オーストラリア?暑い産地の筆頭では?と思われた方も多いかと思います。
確かにオーストラリアはもともと温暖な産地でございました。
しかしながら山の上はこれまでブドウ栽培にとっては寒すぎる場所でした。気候変動によって平地は暑くなりましたが、高標高のエリアにとっては今こそが最も条件の整った時期であると捉えることもできるのです。加えて南半球は日差しが強く、ブドウがよく熟す環境にあります。豊富な日照による成熟した果実味と高標高がもたらす張り詰めた酸味。これらを両立させる新たな銘醸地は実はこれまで思っていた常識の外にあったのかもしれません。
1月は始まりの月です。それは新たな価値観を受け入れやすい時期でもあります。
初詣でおみくじを引かれた方も多いかと思いますが、おみくじ同様、偶然得られた結果から運命を占う西洋のタロットカードでは始まりのカードは「愚者-THE FOOL-」といいます。
これは愚か者を意味するのではなく『自由』や『可能性』を示唆しているそうです。
今回、オーストラリアのワインをご紹介させて頂きましたが新天地とは本来みなさまご自身の目で見つけて頂くものでございます。ワインの自由と可能性はいつでもショップに広がっています。ぜひ当店に足をお運びの際はふだん目にとめない棚ものぞいてみて下さい。きっと新たな発見があることかと思います。
それでは本年も1年よろしくお願い申し上げます。
ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。