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ワインショップ・エノテカ丸の内店

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イエルマン バックヴィンテージ限定入荷!スタッフ早川、語らせていただきます

早川

2025.02.02
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皆様こんにちは!エノテカ1のイエルマン好き、早川です。この度、私の猛烈なイエルマンへの執着が実を結び、他の店舗で取り扱いのない希少なバックヴィンテージが入荷いたしました!ということで、丸の内店では3月までイエルマン祭りを開催中です。今回は私の全身全霊をかけて、イエルマンの何たるか、その魅力をお伝えいたします。後半にはバックヴィンテージのテイスティングコメントも掲載!ぜひ参考にしてみてください。

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州

 イエルマンの本拠地はイタリア北部、スロヴェニアと国境を接するフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州。両腕でアドリア海の暖かい海風を受けながら、背中に南アルプスを負う冷涼産地です。美しい酸を伴った素晴らしい白ワイン数多くが生み出され、「イタリア白ワインの聖地」として地位を確立しています。


 とはいえ、「聖地」と称されるようになったのは20世紀に入ってからのこと。もともとは大量消費と大量生産の世界でした。当時のブドウ農家の間では、大量生産した何種類かのブドウをブレンドし、バルクと呼ばれる大きな樽に入れ、樽ごと瓶詰め業者へ売るのが一般的だったのです。安さと単純な飲みやすさが追求され、品質やテロワールの表現は二の次三の次。しかし、そんなフリウリにもついに革命の時が訪れます。


 常識を覆したのは「フリウリワインの父」マリオ・スキオペット。フランスやドイツから最先端の醸造技術を取り入れ、フリウリに近代化の風を吹かせました。彼の功績によって、ブレンドでもバルクワインでもなく、品質を追求した単一品種のワインが、フリウリワインの新たなスタンダードとなったのです。

シルヴィオ・イエルマン

シルヴィオとトゥニーナ

 イエルマンも1960年代ごろまではバルクワインの生産者でしたが、4代目のシルヴィオはそんな生家の在り方に納得しませんでした。若い時に父親に反発して家を飛び出し、ヨーロッパや北米を回り、フリウリに戻ってからはマリオ・スキオペットに師事します。革命家のもとで、熱心に近代醸造を学んだのです。


 理想を追い求める彼が行きついたのは、新たな革命。師が敷いた常識をさらに覆す、土着品種と国際品種のブレンドだったのです。1975年、シルヴィオが新たにリリースした「ヴィンテージ・トゥニーナ」は、フリウリワインのスタンダードを大きく揺るがしました。古典的なブレンドスタイルに回帰しながら、土着品種が主流の産地であえて国際品種を混ぜるという、前代未聞の試み。加えて、知名度の高い原産地呼称に頼らず独特の名づけで販売し、それにも関わらず相場の倍の価格という強気な値付けです。


 当時を顧みて、シルヴィオは「スキャンダルだった」と語ります。そして、「最も誇りに思うワインだ」とも。その比類なき個性と紛れもない品質は、イタリアを超えて世界中で高く評価され、現在もフリウリを代表する白ワインの一つとして君臨し続けています。

上も下も表も裏も

 フリウリの革命児イエルマン、公式サイトにこんな格言が記載されています。


“So, what does being innovative really mean? It mostly means to challenge all the things we take for granted and turn them upside down and inside out.”

「革新的であるとは、何を意味するのでしょうか?それは、私たちが当たり前のように受け入れている全てのことを、上も下も表も裏もひっくり返してしまうことです」(拙訳) 


  シルヴィオの”ひっくり返し”は、もちろんヴィンテージ・トゥニーナに留まりませんでした。イエルマンの全キュヴェを飾る色とりどりのスクリューキャップが、彼の哲学を表しています。

スクリューキャップへの挑戦

 先進的なステンレス製のスクリューキャップ派か、伝統的な天然コルク派か。オーストラリアなどのニューワールドではスクリューキャップが普及していますが、イタリアやフランスなどのオールドワールドでは、まだまだ伝統のコルク派が多くを占めています。中にはトップキュヴェはコルク、テーブルワインにはスクリューキャップと区別する中道派の生産者も。


 そんな中で、我らが革命児シルヴィオ・イエルマンは、まずトップキュヴェであるヴィンテージ・トゥニーナにスクリューキャップを導入。目指すべきイエルマンスタイルは、スクリューキャップのみが可能にする鮮烈なフレッシュ感の表現だと打ち出したのです。その後徐々に全キュヴェに導入されていきました。イエルマンのワインには共通して、目の覚めるようなフレッシュな果実味と、生き生きとした酸を感じることができます。


 スクリューキャップの唯一にして最大の難点といわれるのは、その熟成速度です。酸素をほぼ通さないスクリューキャップのワインは熟成しない。熟成ポテンシャルのあるワインには天然コルクしかない!果たして本当にその通りでしょうか?

キュヴェ紹介

ワー・ドリームス

 1987年リリース。引退を考えていたシルヴィオが、とあるバンドが歌った世界平和と平等を訴える歌に影響を受け、” インターナショナル” をワインで表現しようと思ったことがきっかけで生まれました。国際品種の筆頭であるシャルドネを使い、国際的に主流であるオークの小樽で熟成しています。計9ヴィンテージ作り上げた後に生産を終了し、シルヴィオ自身も引退するつもりだったようですが、大人気キュヴェとして38年経った今も世界中で愛されています。

・2012年ヴィンテージ 17,600円(税込)

スクリューキャップは熟成しないなどと誰が言ったのでしょう。これまた常識破りの熟成感が出ています。グラスに注いだ瞬間目を奪われるきらびやかな黄金色!パパイヤやマンゴー、焼きリンゴやバタースコッチの香ばしく甘いアロマが爆発しています。濃密で滑らかな口当たりは蜂蜜のよう。そしてスクリューキャップによって守られた骨格のある酸がすべてを支えています。熟成の成す壮大さと、若々しい酸のコンビネーションが見事な一本です。

カポ・マルティーノ

 1991年リリース。ワイナリーの110周年を記念して生まれた、フリウリへの敬愛を表する作品です。フリウリらしく、品種はフリウラーノ、マルヴァジア、リボッラ・ジャッラ、ピコリットと土着品種のみブレンド。それぞれの個性が素晴らしく活かされた複雑さが魅力です。ワイン名の「カポ・マルティーノ」はイエルマンが所有する丘の名前。エチケットに描かれているのは、丘の上に植えられた糸杉です。

・2014年ヴィンテージ  17,600円(税込)

 イエルマンの熟成、ここに極まれり。熟成ワー・ドリームスのスケールの大きさも素晴らしいですが、こちらはシルヴィオのブレンド技術が最大限に発揮されています。良く熟したレモンなどの柑橘系のアロマに、ライムのようなさわやかな苦み、パッションフルーツ、バナナや白コショウ、ほのかにドライハーブのニュアンスがあります。若いヴィンテージのものだと、これらの要素が何層にも重なる分厚いミルフィーユというスタイルですが、熟成が進むことですべてがきゅっと一つにまとまり、恐ろしいほどの密度となって舌の上を転がりまわるのです。活気のある酸もワインにはっきりとした輪郭を与え、果実味を引き立てています。若い状態でも素晴らしいワインなのですが、まさか熟成でここまで化けるとは思いもしませんでした。ただただ脱帽です。

ヴィンテージ・トゥニーナ

 既にご紹介した通り、シルヴィオ・イエルマンの改革の友です。1975年はちょうどシルヴィオの娘が誕生した年で、彼女はトゥニーナと名付けられています。独特のワイン名もイエルマンのワインの特徴ですが、シルヴィオの娘や息子、父など、家族の名前にあやかったものがいくつかあります。

 シャルドネとソーヴィニヨン・ブランが50%、リボッラ・ジャッラとマルヴァジアが50%という比率です。「土着品種と国際品種をブレンドする」という強いコンセプトに決して負けない味わいのインパクト、品質の高さが、このワインの素晴らしいところだと思います。現在までにイタリアで最も権威あるワイン評価誌にて、かれこれ30回以上も最高評価を獲得している常連なのです。

・2017年ヴィンテージ 13,200円(税込)

テイスティングした瞬間に「わあうまい」と叫んでしまったワインです。口に含んだその時から明らかにおいしい。花束のようなフローラルなアロマ、とろける蜂蜜の中に、ローズマリーのようなハーブの清涼感も。口に含めばぐっと舌と心をつかむ酸味と、口から溢れんばかりの豊かな果実味、そしてなんといってもぎゅっと身が詰まって凝縮した旨味がたまりません。フリウリらしい個性も表現しながら、世界を愛し世界に愛されるカリスマ性も兼ね備える。なんてかっこいい在り方なのか!私の憧れです。

イエルマン祭り開催中!

 追い求める理想のためなら、タブー破りも常識外れも恐れないシルヴィオ・イエルマン。革命に革命を重ねる大胆不敵な精神もさることながら、そこから大成功を収める確かな目と先見性に感銘を受けます。

現在、店頭ではイエルマン特集を開催中です。今回紹介したトップキュヴェ3種に加え、人気の国際品種シリーズから、名刺代わりのリボッラ・ジャッラ「ヴィナーエ」、実は美味しい赤ワインも取り揃えています。

皆さんもぜひ、私と一緒にイエルマンワールドの虜になりませんか?

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