17の自治州がそれぞれ独自の発展を遂げてきたスペインの文化は、同じ国とは思えないほどバラエティに富んでいますが、ワインも各地の気候や風土によって様々。各地で個性豊かなワインが生み出されており、日本でもパエリアやタパスなどのスペイン料理とともに、折にふれてスペインワインを身近に味わう機会が多くあります。
そこでこちらのページでは、リオハからシェリーまで、スペインを代表する10の産地とともに、その魅力を堪能できるエノテカおすすめのワインをご紹介いたします。是非この機会に、スペインワインの幅広いスタイルをお楽しみください。
世界に誇るワイン大国スペイン
栽培面積世界第1位!
大西洋と地中海に挟まれ、中央部は標高600~1,000mの台地というスペインは、地方によって気候や風土が大きく異なります。そんなスペインは国土のほぼ全域でブドウ栽培が行われており、栽培面積は約96ha。堂々の世界第1位となっています。
輸出量世界第2位!
スペイン国内のみならず、世界中で愉しまれているスペインワイン。年間約2,140万hlを輸出しており、その輸出量はイタリアに次いで世界第2位を誇っています。
生産量世界第3位!
スペインのワイン生産量は年間約3,367万hl。イタリア、フランスに次ぐ世界第3位のワイン大国です。各地方の環境に合わせて個性豊かでバラエティに富んだワインが生み出されています。
※参考:O.I.V.発表の2019年度データ
スペインワインの格付け
スペインワイン法による格付けは6つにカテゴリー分けされており、下層から地理的表示のできないテーブルワインはビノ、IGPワインのビノス・デ・ラ・ティエラ、D.Oよりも規定の緩い地域名付き高級ワインV.C、デノミナシオン・デ・オリヘン(D.O)、最も厳しい規定をクリアした高品質なワインに与えられるデノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ(D.O.Ca)、さらに、少数の評価の高い単一エステートに適用される、ビノス・デ・パゴと格付けされます。原産地呼称制度の最高峰、D.O.Ca(特選原産地呼称)に認定されているのはリオハとプリオラートの2つの地方のみです。
また、スペインのワイン法では赤ワインと白ワインの熟成基準も具体的に定められているのも特徴。総熟成期間と樽を使用した期間によってクリアンサ、レゼルヴァ、グラン・レゼルヴァに分類されています。使用されているのは、一般には330リットル以下のアメリカンオークやフレンチオーク。しかし、リオハのように長い熟成期間や樽容量を定めているD.O.Pもあり、目指すワインスタイルによって既定の熟成期間を超えて熟成を行う生産者も多く存在しています。
スペインの主要産地とおススメ銘柄
「リオハ」伝統と革新が融合する不動のDOCa
スペイン北部、エブロ河流域にあるリオハは、1991年にスペインのワイン産地で最初に特選原産地呼称(D.O.Ca)に認められた、この国有数のワイン産地。生産されるワインの約92%は赤ワインで、テンプラニーリョが最も広く栽培されています。リオハといえば、オークによる長期熟成が生み出す香り高くエレガントな味わいが魅力ですが、近年誕生している、熟成期間を短くすることでブドウ本来の果実味と骨組みを活かしたモダンタイプの赤ワインにも注目です。
「プリオラート」凝縮した風味を生む高級ワイン産地
2009年、リオハに次ぐスペインで2番目となる特選原産地呼称(D.O.Ca)に認定されたプリオラート。1980年代後半に、新しいワイン造りに情熱を傾ける醸造家たちが、土着品種のカリニェナとガルナッチャを活かしたワインを生み出し、注目を集めました。リコレーリャと呼ばれる栄養分が少ない土壌が特徴で、ブドウの根が僅かな水分と養分を求めて地中深くまで伸びることで非常に凝縮した風味の赤ワインが生み出されます。
「ペネデス」スペインワインに革新をもたらした産地
ペネデスは、スペインの他の産地に先駆けて醸造所や技術革新、畑への投資を行ってきた革新的な産地。伝統品種から国際品種まで様々な品種が栽培され、造られるワインも赤、白、ロゼとバラエティ豊かです。ソフトでエレガントな複雑味のある赤ワインや、上質かつリーズナブルな白ワインが生産されています。
「コンカ・デ・バルベラ」山岳地帯にあるワイン造りの秘境
D.Oコンカ・デ・バルベラは、城塞都市や世界遺産に指定されているポブレ修道院が存在する歴史ある街。自然豊かな山間部で穏やかな地中海性の気候、そして保湿性の高い石灰質の土壌というワイン造りに最適な環境が再発見され、将来を期待される産地として注目を集めています。この地では白ブドウ品種の栽培が大半を占めていますが、近年では高品質な黒ブドウ品種も増加傾向。ミネラル感が豊富で、清涼感と酸、凝縮した果実の旨みを備えたワインが造り出されます。
「カヴァ」スペインが世界に誇るスパークリングワイン
カヴァはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵によって造られるスパークリングワインのD.O.名です。使用される品種は主にマカブー、チャレッロ、パレリャーダの3種。その他シャルドネとピノ・ノワールの使用が認められています。リーズナブルな価格でカジュアルに愉しめるのが魅力のひとつです。
「ソモンターノ」多種多様な個性が魅力の産地
「山麓」を意味するソモンターノは、北部のピレネー山脈の麓に位置しています。原産地呼称には地元品種だけでなく多種多様な外来品種が認められており、造られるワインの種類も百花繚乱。そのためソモンターノはスペインのなかの「ニューワールド」と呼ばれ、そのモダンな味わいは海外からも称賛されています。
「リベラ・デル・ドゥエロ」錚々たる生産者がひしめく注目産地
「ドゥエロ河の川岸」という意味の名の通り、ドゥエロ河流域に沿って、地元でティント・フィノと呼ばれるテンプラニーリョを中心に栽培されています。造られるワインは複雑で凝縮したスタイルが特徴。今やリオハと並ぶスペインワインのリーダー的存在の産地です。
「ルエダ」爽やかな味わいが魅力!ハイコスパ白ワイン産地
ルエダはスペインを代表する白ワイン産地。かつてはパロミノ種から造られるシェリータイプの酒精強化ワインが主流でしたが、固有品種のヴェルデホが優れた白ワインの素材として見直され、現在ではフレッシュで爽やかな若飲みタイプの辛口白ワインの産地へと生まれ変わりました。
「リアス・バイシャス」海のワインを生む上質な白ワイン産地
大西洋地方の沿岸に位置するリアス・バイシャスは、リアス式海岸の由来にもなった、深く入り組んだ海岸線が特徴です。栽培されるブドウの約96%はアルバリーニョで、青リンゴやレモンなど柑橘類を思わせるフルーティーなアロマや、白い花などのフローラルなアロマを持つフレッシュな味わいが魅力。魚介類との相性が良く「海のワイン」とも呼ばれています。
「ヘレス / シェリー」世界三大酒精強化ワイン、シェリーの故郷
シェリー酒とは、スペイン・アンダルシア地方のヘレス周辺で造られる酒精強化ワインの1種。一言にシェリー酒と言っても、辛口のフィノから極甘口のペドロ・ヒメネスまで、非常に多様なタイプがあります。雨が少なく、年間300日以上も晴天が続く、乾燥した気候が特徴の産地です。
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2023年
1,980 円
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