サッシカイアを筆頭に、スーパータスカンの聖地として知られるのが、トスカーナ州ボルゲリ。40以上の有力生産者が競ってその品質を磨き、産地としての成熟度が高い評価に繋がっていることは、もはや周知の事実となっています。
ただ今エノテカ・オンラインには、スター銘柄のサッシカイアに加え、近年めきめきと実力を上げるボルゲリ近郊エリアのスヴェレートやマレンマ地方の注目生産者まで、圧巻のラインナップが揃っています。すべてのワイン愛好家必見のボルゲリエリアのワインを、是非この機会にご堪能ください。
目次
瞬く間に世界的名声を得た、銘醸地ボルゲリ
サッシカイアから始まったボルゲリの歴史
ボルゲリを世界的ワイン産地に押し上げたのは、元祖スーパータスカンとして知られるサッシカイア。きっかけは1978年に行われたデキャンタ誌主催のブラインド・テイスティングでした。サッシカイアは当時、テーブルワインとして扱われていたにも関わらず、あのシャトー・マルゴーを含む11ヵ国33種類のワインを抑え「ベスト・カベルネ」の座を獲得。そのずば抜けたクオリティの高さで「スーパータスカン」「イタリア最上の赤ワイン」と称賛され、世界的なブームを巻き起こしました。
その後も1985年ヴィンテージでイタリアワインで初めてパーカーポイント100点を獲得。1994年にはイタリアでは唯一、ボルゲリのワインとして初めての単独ワイナリーでのD.O.C昇格を果たし、ボルゲリワインの品質の高さを証明したのです。
気候と土壌
ボルゲリは、フィレンツェから車で2時間弱走った場所に位置する、ティレニア海と山に挟まれた小さな村。同じトスカーナにある銘醸地、キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは異なる地中海性の温暖な気候が特徴です。
6~8月の乾燥した空気、日中の豊富な日照量のおかげで、晩熟のカベルネ・ソーヴィニヨンでさえ秋の降雨の前に完璧に成熟。さらには海から吹く涼しい風がブドウの酸度を保つため、凝縮感と骨格が見事に調和したワインを生み出すことができるのです。
一方、土壌は砂質、石灰質、粘土質がモザイク状に入り組んでおり、海に近いことによりミネラル分も豊富。緩やかながら非常に起伏がある地形で、標高200〜300mの斜面もあれば80mほどの平地も存在し、とてつもなく入り組んだミクロクリマを形成しています。そのため、一言でボルゲリと言っても、生産者ごとに多様性に富んだワインが造られています。
名だたる生産者がひしめく銘醸地
サッシカイアの成功以来イタリアを代表する名門ワイナリーが進出したボルゲリは、今やイタリア有数の銘醸地として名だたる生産者がひしめき合っています。特に、今回紹介する6生産者は代表的な40の生産者が所有する畑面積の大半を所有するほどの大規模生産者。いずれも有名評価誌において高い評価を獲得するなど、高級ワイン生産地としての地位を確固たるものとしています。
今まさに注目!ボルゲリの一押し銘柄▼
イタリアの頂点に君臨する元祖スーパータスカン「サッシカイア」
先代のマリオ・インチーザ侯爵のボルドーワイン好きが高じて、1944年にボルドーのシャトー・ラフィットから持ち込んだカベルネ・ソーヴィニヨンの苗を作付したのがサッシカイアのはじまりです。
1978年にデキャンター誌のブラインドテイスティングにてシャトー・マルゴーを凌駕する評価を得たことで話題となり、1990年代から全世界で熱狂的なブームへ。I.G.T.トスカーナ=テーブルワインという枠を超えた品質でスーパータスカンと賞賛され、後には独自のAOCを名乗るまでなりました。
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イタリアワインの帝王が造るボルゲリワイン「カ・マルカンダ」
カ・マルカンダのワインは、「最高のものにしか興味がない」と断言するイタリアワインの帝王アンジェロ・ガヤ氏がボルゲリで最高の土壌を求めて研究を重ねて手に入れた理想の土地で造り上げられます。
ワイナリー設立時、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたスタイルが主流であったボルゲリにおいて、カ・マルカンダのメルロを主体ワインは挑戦的なことでした。しかし、今や、カ・マルカンダは「偉大な成功」と評価され、ロバート・パーカー氏も、「世代を超え様々な理想が錯綜してきたバルバレスコに対し、カマルカンダは、ガヤ単体で実現・完成させた「究極のワイン造り」と言っても過言ではない。」と評しています。
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サッシカイアに匹敵する評価を得る注目株「グアド・アル・タッソ」
はるか14世紀よりイタリアワイン史に足跡を残すフィレンツェの偉大な生産者、アンティノリがボルゲリで手掛けるのがグアド・アル・タッソ。実は現当主ピエロ・アンティノリ氏は、伯父のサッシカイアの成功を助けた立役者の一人で、さらに弟もあのオルネライアを手掛けているという名門です。
所有する畑はボルゲリで最大規模で、サッシカイアとオルネライアとルーツを同じくしています。2012年にはワイン・エン・スージアスト誌の「長期熟成に適したワイン」にて世界第1位を獲得を獲得。世界から注目を集めています。
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イタリアのトップ生産者、アレグリーニの新たなる挑戦「ポッジョ・アル・テゾーロ」
ヴェネトのトップ生産者であり、またイタリアでも5本の指に入る造り手として名高いアレグリーニ。2001年6代目当主マリリーザ女史は、亡き兄ヴァルテル氏、そしてアメリカ有数のイタリアワイン商であるレオナルド・ロ・カシオ氏とともに、「ポッジョ・アル・テゾーロ」と名付けた新ワイナリーをボルゲリに設立。およそ50haの手入れの届いた畑から上品さと力強さを兼ね備えたワインが造られ、濃厚で深みのある味わいと、心地良い果実味を特徴としています。
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近年評価を上げるボルゲリ近郊エリア、スヴェレートとマレンマ地方
名門ワイナリーがひしめき合うボルゲリに加え、イタリアの権威あるワイン評価誌ガンベロ・ロッソにて最高賞を受賞するワインが産出されるなど近年評価を上げているのが、ボルゲリ近郊エリアのスヴェレートやマレンマ地方。
大自然に囲まれたティレニア海沿岸部に位置しており、ボルゲリと同じくボルドー品種を使用したスーパータスカンなど偉大なワインが造られています。起伏のとんだボルゲリに比べると比較的なだらかな丘が広がる地帯のため太陽光を集めやすく、石灰が多く混ざった乾いた土壌で鉄やマンガンを含んだ土、多くの水分を含む粘土質土壌が混在。また沿岸部にほど近い為、潮風由来のミネラルが多く含まれた複雑で上品な味わいのワインが造られます。
今回はフランチャコルタの名門ベラヴィスタがスヴェレートの地でその地位を確固たるものにしたペトラや、19世紀半ばから続くマレンマ地方を代表するワイナリー、レ・モルテッレをご紹介いたします。
ボルゲリ近郊エリアの一押し銘柄▼
フランチャコルタの名門がスヴェレート地で手掛けるワイナリー「ペトラ」
ミラノ・スカラ座にも認められたフランチャコルタの名門、ベラヴィスタ。そのオーナー・ファミリーであるヴィットリオ・モレッティ氏と、愛娘フランチェスカ女史が、新たにトスカーナに建てたワイナリーがペトラです。
設立から24年を経て、ゼロから造り上げられた畑が成長し、よりありのままのテロワールの表現ができるようになりました。同時にワインの品質が近年目覚ましく向上し、これまでのパワフルなスタイルから、よりエレガントで複雑味の増したクラシカルなスタイルにシフト。味わい全体のバランス感にも優れ、長期熟成のポテンシャルも高いワインを生み出しています。
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商品一覧
32 件
スカラブローネ・ロゼ
ロゼ
リッチ&フルーティー
はるか14世紀よりワイン史に足跡を残す、アンティノリ。イタリア、トスカーナの銘醸地ボルゲリで造る、華やかな果実のアロマが特徴の美しいロゼ。 詳細を見る
4.2
(6件)2022年
3,300 円
(税込)
2020年
18,700 円
(税込)
WA 96