エルヴィオ・コーニョ
ELVIO COGNO

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イタリア ピエモンテ

エルヴィオ・コーニョ /  ELVIO COGNO ワインボトル

ラヴェーラを世界に知らしめた、バローロのシンデレラワイン


エルヴィオ・コーニョは、イタリア・ピエモンテ州ノヴェッロ村ラヴェーラに位置するワイナリーです。1990年創業という比較的新しいワイナリーながらも、イタリア随一の偉大なワイン、バローロを手掛ける実力派として、ワイン評価誌にて数々の高評価を獲得。また、本拠地ラヴェーラのポテンシャルをいち早く見出し、その実力を世界に知らしめた立役者として近年愛好家からも注目を集めています。

目次

ラヴェーラの名を世界に知らしめたワイナリー

エルヴィオ・コーニョは、イタリアのピエモンテ州ノヴェッロ近郊、ラヴェーラに本拠地を構える家族経営のワイナリー。エルヴィオ・コーニョ家は代々ワイン用のブドウ栽培を家業にしており、3代目エルヴィオ・コーニョ氏によって1990年にワイナリーが創業されました。


そこで、かつて「ジャコモ・コンテルノ」「ブルーノ・ジャコーザ」等と並ぶバローロの名門ワイナリーであるマルカリーニで、ブルナーテやラ・セッラといった銘醸地のワインの醸造に携わった経験の持ち主であるエルヴィオ氏は、その時に培った知見や目利きの力により、故郷であるラヴェーラのポテンシャルの高さをいち早く発見。ラヴェーラの地でワイン造りを始めることを決断し、その可能性を信じて情熱を持ってワイン造りを続けたのです。


そんなエルヴィオ氏の意志を継ぎ現在ワイン造りを手掛けているのが、エルヴィオ・コーニョ氏の娘、ナディア・コーニョ氏とその夫のヴァルテール・フィッソーレ氏。また最近では夫妻の娘、エレナ氏もワイン造りに参画し、先代から続く堅固な職人気質とテロワールへの深い愛情、ランゲという土地の個性と、代々続くワイン造りの技術に誇りを持ちながら、高品質で伝統に忠実なワインを造り上げています。

ヴァルテール氏と妻のナディア氏(左)、娘のエレナ氏(右)

そうした彼らのワイン造りへの真摯な姿勢と、手掛けるワインの高い品質が評価され、アメリカの権威あるワイン評価誌、ワイン&スピリッツが主催する「2020年のトップ100ワイナリー」では、9度目の選出を果たすという快挙を達成。また、イタリアのワイン評価誌、ガンベロ・ロッソの「ヴィニ・ディタリア」でも最高評価トレ・ビッキエリをいくつも獲得し、世界中の専門家から注目されるようになりました。

独特なミクロクリマの影響を受ける、ラヴェーラへのこだわり

photo credits: Enogea

エルヴィオ・コーニョでは創業当初からラヴェーラの土地に深く根ざし、独自性のあるワインを生み出しています。今日、ラヴェーラは、ノヴェッロ村において高く評価を受けるクリュとして知られていますが、彼らがファーストヴィンテージをリリースした1991年当時は最も無名の畑でした。


現在では、更にこのクリュにフォーカスするべく区画を分けてワインを醸造。バローロ ラヴェーラ、バローロ ヴィーニャ・エレナ・リゼルヴァ・ラヴェーラ、バローロ ブリッコ・ペルニーチェ、バローロ カッシーナ・ヌォーヴァと、同じラヴェーラの畑が持つ4つのユニークな個性を表現しています。


独特なミクロクリマの影響を受けるラヴェーラのワインは、他のバローロとは一線を画し、フレッシュで、ブルゴーニュワインにも通じるエレガンスと複雑さを備えた優美なスタイルに仕上がります。

伝統品種の魅力を最大限に引き出すブドウ栽培

「偉大なワインを生み出すためには、まず畑。入念な手入れが不可欠であり、私たちの努力は畑に注がれるべきだ。」と語るヴァルテール氏。エルヴィオ・コーニョではワイン造りにおいて、ブドウ栽培を最重要視しています。 成長の促進や抑制は行わず、農薬や化学肥料もほとんど使用せずに、伝統的かつ自然に任せた方法で栽培。「技術や醸造学はもちろん一助になるが、品質の伴わないブドウに魔法をかけることはできない。」とヴァルテール氏は語っています。


そんな彼らのブドウへのこだわりの1つが、国際的なブドウ品種を一切使わず、ネッビオーロやバルベラ、ドルチェット、ナシェッタなど、ランゲに古くからあるブドウ品種のみでワイン造りを行っていること。「土着品種で世界のワインと競い合うことこそが自分たちにとっての使命。」とヴァルテール氏は語ります。


そしてその土着品種の中でもネッビオーロにかける情熱は特に強く、「ネッビオーロはバローロエリアのまさに王様で、世界における偉大なブドウ品種。そんなネッビオーロにとって最高の環境でワイン造りに携わることが出来る身として国際品種でワインを造る選択はない。」と断言します。エルヴィオ・コーニョにとってネッビオーロは、愛する地ラヴェーラを表現するためになくてはならないブドウなのです。

また、白ブドウ品種のナシェッタについてもエルヴィオ・コーニョを語る上では欠かせません。ナシェッタは19世紀まではランゲの各地で栽培されておりポピュラーであったものの、時代の変遷とともに忘れられ、少数のワイナリーにより畑の所有はされていましたが、製品化は長らく行われていませんでした。


そんななか、ヴァルテール氏は1986年ヴィンテージのナシェッタ種を使用したワインを試飲し、「ランゲのテロワールを表現するにふさわしい。」とその美味しさに感銘を受けて本格的な生産のスタートを決意します。当時ランゲの土着品種として認められていなかったナシェッタ種は、2004年にはDOCとして認められ、DOCランゲ・ビアンコとして販売が開始。そしてヴァルテール氏の長年の努力により2010年にはDOCナシェッタとして認められるようになりました。

個性を活かすためのネッビオーロのクローンの使い分け

さらにもう1つのこだわりとして、ネッビオーロのクローンの使い分けが挙げられます。クローンとは、接ぎ木することによって生まれる新しいブドウの系統を指し、それによって生まれた子孫は、親の樹と同じ遺伝子を持っており、そのためそれぞれのクローンが独自の香りや味わいの特徴を持っているのです。エルヴィオ・コーニョでは3種類のクローンを栽培しており、その違いと個性を表現するためにキュヴェによってクローンを使い分けています。


ランピア:ランゲで最も広く使用されるクローンで、一貫した品質と収量どちらも申し分なく、育つその土地の個性を反映してくれます。房と果粒、種は中程度のサイズで、果皮は厚くなく豊富なタンニンを含んでいるのが特徴。バローロ カッシーナ ヌォーヴォとバローロ ラヴェーラにはランピアとミケの両方を用いており、バローロ ブリッコ ペルニーチェは100%ランピアを使用しています。


ミケ:ランピアに比べ、房と果粒が小さく果皮が厚く、また芽の間隔が近く葉が小さいのが特徴。そのため、丘の頂上より標高がそこまで高くない斜面での栽培に適しており、冷涼なヴィンテージの表現に優れた品種です。ランピアとは対照的に、タンニンが豊富で凝縮度の高いフルボディのワインを生産するのに適しており、バローロ カッシーナ ヌォーヴォとバローロ ラヴェーラのように、複数のクローンをブレンドしているキュヴェでより真価を発揮します。


ロゼ:成熟のタイミングが他の2つのクローンよりも遅く、上記の2つのクローンと比較して房が大きく淡い色調が特徴。また、果皮も薄くアントシアニン量も少ない品種。バラの花びらのような花のアロマに富んでおり、快活な酸とヴェルヴェットのようななめらかなタンニンを備えたワインが造られます。バローロ ヴィーニャ エレナ リゼルヴァは100%ロゼのクローンを用いています。


これらクローンの個性を表現するために、醸造もクローンごとに個別に実施しています。このような取り組みについてヴァルテール氏は「ネッビオーロという品種が持つ可能性や特性を引き出したいからであり、それゆえ、育った畑やテロワールの特徴が際立っていく。個性豊かなバローロ、その“個”にこだわりたいから挑戦している。」と語っています。

伝統と最新技術の融合で生まれる、ピュアでエレガントなバローロ

エルヴィオ・コーニョが情熱を注ぐネッビオーロは、酸化しやすく難しい性質です。そのため彼らは発酵の温度管理を徹底。温度調整とルモンタージュを自動制御する最新式のステンレスタンクによって、クリーンかつ繊細な果実味を抽出します。熟成は基本的に大樽を使うことで、タンニンの堅さをそぎ落とし、ブドウ本来の果実味を研ぎ澄ますことを重視。使用される木の種類により成分が抽出されるスピードが変わるため、樽の産地の選択は特に慎重に行います。


大樽に関してはすべてクロアチア産のオーク樽を使用。伝統的なバローロらしい独特の風格を纏った、風味豊かなワインに仕上げています。


ラヴェーラという土地の個性により、さらに輝きを放つネッビオーロの魅力を最大限に活かした醸造方法で仕立てる彼らのワイン。その味わいは、上質なピノ・ノワールで仕立てるブルゴーニュワインのような品格を備え、フレッシュさとエレガンス、そして複雑味溢れるエルヴィオ・コーニョならではの仕上がりとなるのです。


そして近年、2019年には有名誌フォーブスにおいて「イタリアのシンデレラ」として取り上げられたエルヴィオ・コーニョ。「素直に嬉しいよ。でも自分たちが、と言うよりも、ラヴェーラがまさにワンダフル・シンデレラ!ポテンシャルに満ち溢れている。素質はもちろん大事だけれど、一生懸命働き、努力する姿があってこそのシンデレラ。魔法だけではプリンセスにはなれないはず。」と、ヴァルテール氏はラヴェーラへの愛を語っています。


そんな彼らが手掛けるラヴェーラのバローロは、ワイン愛好家なら必ずや飲んでおきたいワインと言って間違いないでしょう。

おすすめの3銘柄

稀少なクローン、ロゼ100%で造られる個性的な最上級キュヴェ。ヴェルヴェットのような滑らかな質感が魅力の洗練された味わい。


バローロ ヴィーニャ・エレナ・リゼルヴァ・ラヴェーラ

エルヴィオ・コーニョ

2017

22,000

(税抜価格20,000円)

  • D 96
  • JS 95
  • V 93
  • WA 95
  • WE 97
  • WS 97

流行や味のトレンドに一切影響を受けることなく、バローロの変わらぬ味を貫いて良年のみに生産される、ヴィーニャ・エレナ。栽培が難しく稀少なクローン、ロゼを100%使用して造られ、凝縮した果実味と多層的なアロマが魅力です。2017年ヴィンテージは複雑でありながら各要素が美しく調和した、エレガントな仕上がり。花やスパイスのニュアンスを纏った気品のある風味とヴェルヴェットのように滑らかなタンニンを備えた、最上キュヴェに相応しい洗練された味わいの1本です。

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冷涼な気候が生む、フィネス溢れるフラッグシップキュヴェ。高い熟成ポテンシャルを備えた「伝統的なスタイル」。


2020

15,400

(税抜価格14,000円)

  • JS 95
  • WA 95
  • WS 95

ラヴェーラのテロワールを詰め込んだ、個性と魅力溢れるフラッグシップ・キュヴェ。標高約380mの高所に位置するため、冷涼な気候がワインにフィネスを与えます。クローンはランピア(60%)とミケ(40%)の2種類を使用して造られ、繊細かつ複雑で風味豊かな味わいが特徴です。2019年ヴィンテージはしっかりとした骨格と素晴らしい熟成ポテンシャルを備えており、生産者は「複雑で厳かさのある伝統的なスタイル」と評価。長期間寝かせることで味わいは次第に落ち着き、上品な熟成香をお愉しみいただけます。

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ネッビオーロのピュアな美しさを表現した1本。フレッシュで親しみやすい、華やかな仕上がり。


ランゲ・ネッビオーロ モンテグリッリ

エルヴィオ・コーニョ

ネッビオーロの持つ純粋な香りや第一アロマを存分に愉しめるキュヴェ。バローロと区別するためにバローロ以外のブドウを使用し、ステンレスタンクのみでの発酵やマセラシオン・カルボニックを用いることでピュアな果実味を全面的に押し出したスタイルが特徴です。2022年は長期の干ばつや記録的な高温で難しい年でしたが、フレッシュかつフルーティーな素晴らしい仕上がり。親しみやすい味わいで様々な食事に合わせて気軽に愉しめるのも魅力です。

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