ドメーヌ・ブラン・スール・エ・フレール
DOMAINE BLAIN SOEUR & FRERE

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フランス ブルゴーニュ ボジョレー

ドメーヌ・ブラン・スール・エ・フレール / DOMAINE BLAIN SOEUR & FRERE ワインボトル

シャサーニュ・モンラッシェの名手が手掛けるクリュ・デュ・ボジョレー


ボジョレー・ヌーヴォーで日本にもなじみ深い、フランス・ブルゴーニュ地方の産地、ボジョレー。近年、その多様なワインのスタイルからクリュ・デュ・ボジョレーが人気を博しています。ブラン・スール・エ・フレールは、そんなボジョレーでシャサーニュ・モンラッシェの名手として知られるマルク・アントナン・ブラン氏が手掛けるドメーヌです。

目次

注目を集める、クリュ・デュ・ボジョレー

フランスワインの一大生産地、ブルゴーニュ地方の南端に位置し、火山性土壌が特徴のボジョレー地区。毎年11月の第3木曜日にはその年の新酒であるボジョレー・ヌーヴォーが解禁され、日本中で愉しまれています。近年の大規模な地質調査によって多様な地質を有していることが明らかにされており、北部では花崗岩土壌を主体としつつも、北部の一部や特に南部には粘土質・石灰質や火山性土壌や片岩土壌などが見られます。


その中でも、北部に独自の村名を冠することを許された10の地域があります。クリュ・デュ・ボジョレーと呼ばれるそれらの地域には、多様なテロワールが広がっており、使用されるブドウは新酒同様ガメイが主な品種です。

ボジョレーで育つ、古樹のガメイ

そんなクリュ・デュ・ボジョレーは現在、ワイン業界において高い注目を集めています。クリュごとに複雑に異なる土壌から、ガメイで造られる多様なワインスタイル、そしてコストパフォーマンスの良さが魅力です。クリュ・デュ・ボジョレーに進出した生産者たちも次々に頭角を現しており、ますます注目を集めています。

多様な土壌を内包するコート・ド・ブルイィ

ボジョレー地区の北部に位置する10のクリュ・デュ・ボジョレーですが、村によってその土壌・特徴は細かに異なっており、ムーラン・ナ・ヴァンは花崗岩の土壌に由来し、しっかりとした造りが多い一方で、モルゴンは片岩と古い火山岩の土壌から、力強く肉付きのある味わいのワインが造られます。


クリュ・デュ・ボジョレーの中でも南側に位置するブルイィは最も面積が大きく、バラエティーに富んだ豊かな土壌。ブルイィの中央にはモン・ブルイィという火山活動によって隆起した山があり、その斜面に広がる小さなアペラシオンがコート・ド・ブルイィです。

コート・ド・ブルイィの特徴として挙げられるのが、青みがかった石で構成された土壌。これらは「ピエール・ブルー」と呼ばれ、造られるワインのキャラクターはミネラル感が豊富で複雑、そして深みのある力強いスタイル。そんなコート・ド・ブルイィで2014年に創業し、テロワールを表現したワインを造っているのがブラン・スール・エ・フレールです。

シャサーニュ・モンラッシェ村からの挑戦者

ブラン・スール・エ・フレールの当主はマルク・アントナン・ブラン氏。彼はシャサーニュ・モンラッシェ村でも高い信頼を寄せられるドメーヌ、ブラン・ガニャールのジャン・マルク・ブラン氏のご子息で、生まれながらにワインと接してきました。


幼い頃から収穫を手伝うなど自然の中で育ったマルク・アントナン氏は、ワイン醸造にも興味を持ちます。家族からワイン造りの基礎・ノウハウを学び、16歳の頃からエノロジーを学び始めました。両親のブラン・ガニャールだけでなく、祖父のガニャール・ドラグランジュを手伝うなど積極的に経験を積みます。2005年に学校を卒業した後はオーストラリアやニュージーランドに滞在し、様々な品種やワインメイキングの知識を吸収します。

当主のマルク・アントナン・ブラン氏

2009年春頃からは、本格的に両親のワイナリーに参加。また、祖父亡き後のガニャール・ドラグランジュでは、高齢の祖母に変わり、栽培・醸造を行っています。そんなマルク・アントナン氏はボジョレーのテロワールの多様性への関心とチャレンジ精神から何度も現地を視察。祖母の知り合いを通じて、コート・ド・ブルイィとブルイィに畑を取得します。


「同じ場所に異なる土壌が存在し、200~300m離れているだけで多様なワインを生むことが興味深く、新しい土地で、シャサーニュ・モンラッシェとは異なるアペラシオン、品種に挑戦したかった」と彼は振り返ります。彼の予想に応えるかのように、それぞれのキュヴェにはテロワール、土地の個性がしっかりと表れています。

テロワールの個性溢れる、異なるスタイルの2銘柄

ブラン・スール・エ・フレールは4つのキュヴェを生産。コート・ド・ブルイィ内ではテロワールの特徴から3つのキュヴェを造っていますが、その中でも注目したいのがピエール・ブルーとレ・ジュモーです。どちらも畑はブルイィ山の斜面に位置しますが、ワインのスタイルは別物。ピエール・ブルーがミネラル感を含み、酸がフレッシュであるのに対し、レ・ジュモーは丸みを帯びたヴォリューム感のある味わいが特徴です。

これらの違いには標高と土壌の違いがワインに深い影響を与えています。ピエール・ブルーはブルイィ山の上部~中腹に位置しており、土壌は青みがかった岩が多く含まれる花崗岩土壌。対して、中腹~下部に広がるレ・ジュモーにはピンク色の粘土質と砂質が混じり込んでいます。区画ごとのブドウの特徴に合わせて、収穫や醸造も調整。収穫は、低い場所に位置するレ・ジュモーから始め、標高が高いピエール・ブルーを最後に行います。

ブラン・スール・エ・フレールが所有する区画のマップ

栽培ではどの区画も今までゴブレで仕立てていましたが、ブドウ樹間の空気の流れを良くし、キャノピーの密度をコントロールするため、コルドン・ロワイヤルに変更。醸造においてはキュヴェごとに木製タンクとコンクリートタンクを使い分け、全房発酵を積極的に取り入れています。その割合はブドウの成熟度や茎の状態によってベストな状態を目指して、毎年キュヴェごとに変更。熟成はヴィンテージによって、それぞれのタンク内で8~12カ月間実施します。

醸造所の木製タンク(手前)とコンクリートタンク(奥)

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