休火山ヴルトゥーレの名を冠したバジリカータ州のワイナリー

バジリカータ州に位置するワイナリー、ヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレの畑は標高500m以上の冷涼な場所に位置します。ヴルトゥーレとはこの地域にある休火山の名前で、火山灰土壌が味わいに独自の要素をもたらしています。特筆すべきは、ブドウ樹の樹齢の長さです。平均樹齢60年で、中には80年のものもあります。朝の気温は8℃ほどで、標高900mの場所では雪が降ることもあります。 2015年6月まで醸造長を務めたデニス・ヴェルデッキア氏は、ニュージーランドで学んだピノ・ノワールの醸造経験を活かし、皮が薄いアリアニコに、ポンプを使うと攻撃的なタンニンが出てしまうので、ピノ・ノワールと同じようにポンプを使わない方法を取り入れました。 2015年6月から醸造長を引き継いだマッシモ・ディ・バリ氏は、デニス・ヴェルデッキア氏の醸造方法に加え、毎年フランスの樽メーカーを訪問し、造りたいワインに適した木材を選び、樽の焼き具合もオーダーします。樹齢の古い板の方がより豊かなテクスチャをもたらすので、できるかぎり樹齢の古い木の板を使うようにしているとのこと。 セラーの2階にはラボが併設されており、資格を持ったスタッフが検査や分析を行っており、2014年4月からは最新式の瓶詰ラインが稼働。町のある丘には500年前の雪の貯蔵用の洞窟を利用した樽熟成用セラーがあり、中は非常に涼しく、季節を問わず16～18度程度の一定の気温に保たれています。ブドウ栽培においては、除草剤、肥料は使用せずグリーンハーヴェストを実施しています。