シャトー・デレスラ CHATEAU DERESZLA
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ハンガリー
シャンパーニュの名家を迎え、見事立て直しに成功したシャトー
トカイ地方で非常に古い歴史を持つシャトー・デレスラ。最初に記録に登場するのは15世紀初頭、ハンガリー国王ジグモンドへ農民から税金として納められたワインリストにその名が記されています。15世紀半ばワイナリーはハンガリー国王の所有となりましたが、所有者が変わりゆく間に品質が低下。見捨てられていたワイナリーのポテンシャルを見抜き復活させたのが、かつてシャンパーニュでパイパー・エドシックを率いた名門ドラン家でした。 エドシックを成功に導いた後、目立った動きを控えていたドラン家が、2005年に新たなプロジェクトとしてデレスラを選びました。品質の向上と効率化を目指して、5か所に分かれていたセラーを一か所に集め、最新技術を備えた醸造設備を導入。2年の歳月をかけて現在のセラーを完成させたのです。ワイナリーの技術向上は、2008年以降現在までEUとハンガリーの共同プロジェクトの一環としても継続されています。 もともと生物学者だった醸造家のエデッィト・バーイ氏。自然とワインを愛する彼女は、研究者として生物学に向き合うことだけでは満たされず、やがてワイン造りの“科学”に魅せられるようになります。そして2002年、何かに背中を押されるようにブダペスト大学の醸造学部に入り、醸造とブドウ栽培を勉強。このシャトーで醸造家となるまでは、アルゼンチンのアルタ・ビスタを始め、フランスのジュラ地方のドメーヌ・ロレ、シャンパーニュのテタンジェなどで修業を積んでいます。 バーイ氏が目指すものは、「自然、気候、土壌、伝統と新しい技術を活かした、テロワールワインを造ること」。自然、気候、土壌、それらを伝統と新しい技術を使いワインに写し取ることで、ユニークなワインを造ることを理想としています。畑では伝統的な農法を行い、リュット・レゾネを採用。圧搾は、上質な果汁を得ることでワインの質を上げるため、ブドウの自重でゆっくりと行っています。