3000年前のワイン造りを現代に伝える、ルーマニアの造り手

ヴィル・ブドゥレアスカは2003年設立のワイナリー。ルーマニア南部にあるムンテニア地方のデアル・マーレに位置します。デアル・マーレのワイン造りは3000年前のダキア時代まで遡ります。古代ギリシャのホメーロスの作品の中にダキアワインの話が良く出ており、ホメーロスによると「ギリシャの戦士たちはワインを求め、ダキアを侵略した」というほど。また、ダキアのデチェバル王は優れたブドウ畑を資産として狙う他国からの襲来を防ぐために、ブドウ畑の一部を伐採したというエピソードも有名です。ブドゥレアスカ社はこの産地の歴史と伝統を引き継ぎ、デチェバル王をワイナリーのシンボルにし、ルーマニアワインの美味しさを世界に伝えようとしています。ワインメーカーを務めるスティーブン・ドネリー氏はイギリス出身。カリフォルニアのDAVIS大学卒業後、30年間の月日をかけて、世界各地（イギリス、ハンガリー、南アフリカやルーマニア）のワイン造りに従事してきました。30年間の経験をルーマニアのテロワールで活かそうという想いを心に込めて、このデアル・マーレ産地に1995年にやってきました。ドネリー氏は2007年からブドゥレアスカ・ワイナリーでワインメーカーとして貢献しており、この10年間、様々な国際ワインコンクールで、130個以上のメダルを受賞。うち金賞34個、銀賞66個と輝かしい功績を残しています。