トマ・モレ THOMAS MOREY
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フランス ブルゴーニュ コート・ド・ボーヌ シャサーニュ・モンラッシェ
DRCモンラッシェの元栽培責任者による、シャサーニュの次世代ドメーヌ
トマ・モレは、コート・ド・ボーヌのシャサーニュ・モンラッシェ村を拠点に活躍するワイナリー。当主のトマ・モレ氏は卓越した感性と才能、手腕が評価され、あのDRC所有の特級畑、モンラッシェの栽培責任者を務めていました。ドメーヌではその経験と手法が大いに活かされ、銘醸畑の魅力を最大限に引き出したワイン造りが行われています。
目次
卓越した感性と腕を持つ、DRCモンラッシェの元栽培責任者
トマ・モレは、コート・ド・ボーヌのシャサーニュ・モンラッシェ村を拠点とするワイナリー。当主を務めるトマ・モレ氏は、この地で10代以上の歴史を持つ名門モレ家の出身です。彼はシャサーニュ・モンラッシェ村の白ワインの名手として知られる、ベルナール・モレ氏の息子として、以前から注目を集めていました。
トマ氏は兄のヴァンサン氏とともに、ドメーヌ・ベルナール・モレで1994年からヴィニュロンとしてのキャリアをスタート。カリフォルニア・ソノマに位置するワイナリー、カーターで1年間働き、最新の醸造を学ぶなど、旺盛にワイン造りと向き合いました。そして父ベルナール氏の引退と共に、代々引き継がれてきた歴史ある畑を兄ヴァンサン氏と分割する形で相続。その後、2007年に自身のドメーヌとなるトマ・モレを設立しました。
トマ氏の活躍は凄まじく、ファーストヴィンテージから兄ヴァンサン氏と共にワイン・スペクテータ―で「印象的なシャルドネ」という記事に取り上げられ、「この兄弟の2007年ヴィンテージのワインは素晴らしい出来栄えで、中には実に見事なものもある。注目すべきドメーヌだ。」と称賛されます。
そして、その仕事ぶりが当時のDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)の共同経営者であったオベール・ド・ヴィレーヌ氏の目に留まった結果、トマ氏の卓越した感性と才能、手腕は評価され、なんとオベール氏は直々にトマ氏をDRCの栽培責任者にスカウトしたのです。
DRCが所有する珠玉の畑の中でもトマ氏が担当したのが、「ブルゴーニュの白ワインの王様」と称される特級畑、モンラッシェです。DRCのモンラッシェと聞くと、世界で最も高価なワイン10選に数えられることなどで知られています。稀少性だけでなく、その味わいは著名なワイン評論家であるジェームス・サックリング氏が「私が今までに飲んできた中で、最高の辛口白ワインの一つである」とコメントし、100点を与えるなど、まさにワインラヴァー垂涎の逸品です。
トマ氏は自身のドメーヌと並行して、DRCが所有するモンラッシェを管理し、その類まれなる才能を遺憾なく発揮しました。自分のドメーヌに集中するため、3年でその職を退きましたが、「ここでの経験は何物にも替えがたい素晴らしいものだった」と振り返っており、その手法と経験が現在のドメーヌに取り入れられているのです。
テロワールの魅力を引き出す、徹底した栽培と自然な醸造
ドメーヌでは以前からビオロジック栽培で畑を管理していましたが、トマ氏はDRCで取り入れられていたビオディナミ農法に深く共感し、DRCと同じ栽培法を自身の畑にも導入。その結果、所有する畑は生命力に溢れる状態へと変化し、恵まれたテロワールの素晴らしさを最大限に活かしたブドウ栽培が行われています。
トマ氏が掲げるワインメイキングでのキーワードは「繊細、純粋、エレガント」。収穫ではピュアでフレッシュな実をピンポイントで採ることを目標に掲げ、過熟の状態を避けた瑞々しいブドウこそ大切だと考えています。
醸造での特徴は、できるだけ介入せず、抽出を穏やかに行い、ごく自然な状態に仕上げていること。自然酵母を用いて発酵を行い、醸造中にバトナージュは行わず、澱とともにじっくりと静置します。新樽比率は最大で20%と比較的低いフレンチオークで、約12ヵ月間熟成した後、軽くフィルターをかけてボトリング。これらの醸造を経て、テロワールの魅力を見事に反映させたワインが出来上がるのです。
円熟味のある豊満なスタイルで知られた、父のベルナール氏や兄のヴァンサン氏のワインと比較すると、トマ氏のワインはしっかりとした骨格と上質な酸が備わった、エネルギッシュなスタイルであることが特徴です。また、比較的若くても楽しめることも魅力。確かな知識と経験に裏打ちされた巧みな造りと、天性とも言えるその優れた感性との融合から生まれるワインは、近い将来、ブルゴーニュの今後を背負って立つであろうと予感させる仕上がりです。
特級畑とそれに匹敵する一級畑を多数所有する、輝かしいラインナップ
トマ・モレはシャサーニュ・モンラッシェ村で1つの特級畑と6以上の一級畑の区画を所有しています。そのラインナップの中でも筆頭格として知られるのが、特級畑のバタール・モンラッシェ。粘土質土壌から生まれる最も肉厚、肉感的なスタイルで、重厚な果実味が特徴の力強い味わいは、世界中に愛好家を持っています。
そして、もう一つの魅力が所有する一級畑のラインナップです。シャサーニュ・モンラッシェにはコート・ド・ボーヌ最多の55もの一級畑が存在していますが、その中でも時にグラン・クリュと遜色ないワインが造られると言われるモルジョやクロ・サン・ジャンを始めとした珠玉の一級畑を所有しています。
それらの畑は南北にかけて点在しており、ミネラル感が豊富なレ・シュヌヴォットや肉付きの良いリッチな味わいのモルジョ、豊満で華やかなアロマが魅力のレ・ザンプラゼなど、多様なテロワールから個性溢れる様々な味わいのワインが造られています。ユニークな一級畑と区画ごとによる味わいの違いこそが、トマ・モレのワインを楽しむ上での醍醐味と言えるのです。
トマ・モレの全ラインナップ
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