カリフォルニアのナパ・ヴァレーで家族経営を続けてきた歴史あるワイナリーのひとつ、ワグナー・ファミリー・オブ・ワイン。彼らはナパ・ヴァレーを中心に4つのワイナリーを手掛けています。こちらのメール・ソレイユはワグナー・ファミリー・オブ・ワインのオーナー、チャック氏がシャルドネの新天地を求めて、モントレー・カウンティのサンタ・ルシア・ハイランズに設立したワイナリーです。

シャルドネやピノ・ノワールにとって理想的な環境が整った畑を所有し、そのテロワールを見事に表現したワインを造り出しているメール・ソレイユ。カリフォルニアらしい濃密なスタイルを、ぜひお愉しみください。

史上唯一、ワイン・スペクテーターにて「ワイン・オブ・ザ・イヤー」を2回獲得したキュヴェ、スペシャル・セレクション・カベルネ・ソーヴィニヨンで知られるケイマス・ヴィンヤーズ。このケイマス・ヴィンヤーズを筆頭に、ナパ・ヴァレーを中心に4つのワイナリーを手掛ける家族経営のワイナリーが、ワグナー・ファミリー・オブ・ワインです。

その"リッチで芳醇"というカリフォルニアワインの王道を行くスタイルを貫く姿勢には、ロバート・パーカー氏をはじめ数々のワイン評論家から惜しみない賛辞が送られています。そんなワグナー・ファミリーが手掛けるワイナリーのひとつが、こちらのメール・ソレイユ。オーナーであるチャック・ワグナー氏が、上質なシャルドネを求めてサンタ・ルシア・ハイランズに設立しました。

メール・ソレイユ設立のきっかけとなったのが、タルボット・ヴィンヤーズの存在です。タルボット・ヴィンヤーズと言えば、カリフォルニア最高ランクの白ワインを造る名門。1997年にワイン・スペクテーター主催の「ザ・シャルドネ・チャレンジ」で、コント・ラフォンなどの名立たる生産者を抑えて世界第1位を獲得しています。

チャック氏はこのタルボット・ヴィンヤーズの白ワインに惚れ込み、最高のシャルドネを造り出すため、1988年にタルボット・ヴィンヤーズの隣の畑で植樹を開始。1992年のファースト・ヴィンテージがワイン・スペクテーターでなんと91点を獲得し、それ以降も各評価誌で90点以上を連発。現在では、ワイナリーの運営はチャック氏から息子のチャーリー氏に引き継がれ、200haに及ぶ広大な自社畑でシャルドネを中心に栽培し、カリフォルニア最高峰の白ワインを目指しています。

メール・ソレイユは、カリフォルニア・モントレーの南端にあるサンタ・ルシア・ハイランズに位置。サンタ・ルシア・ハイランズはカリフォルニアでも特に冷涼で乾燥した産地として知られています。

そのテロワールはシャルドネにとって望ましい環境。モントレーならではの豊富な日照量によってブドウはよく熟します。一方、海から約30kmに位置するため、モントレー湾から涼しい風が吹き付け、シャルドネにとって重要な高い酸を十分に保持。また、メール・ソレイユは土地の個性だけでなく、彼ら自身の個性も表現しようとしています。過去には、実験的にリスボンレモンとメイヤーレモンの樹を敷地内に植樹。驚くべきことに、最近になって繊細なレモンの花の香りがシャルドネから感じられることが分かり、メール・ソレイユは常に新しいアイデアを試すことを楽しんでいます。

栽培においても、ブドウを丁寧に育てるために、一定間隔に綺麗に植樹しています。さらに収量を低く抑えることで、この地のテロワールが存分に表現された、旨味あふれるブドウを育成。このように優れたテロワールとそれを最大限に活かす栽培によって、しっかりとした凝縮感とエレガントな酸をバランスよく備えたブドウを収穫することが出来るのです。

メール・ソレイユは、シャルドネを異なる醸造法で表現することによって、上質な2種類の白ワインを造っています。

1つ目は、オーク樽で造られる「リザーヴ」です。収穫されたブドウはフレンチオークの新樽と古樽両方で発酵、約1年の熟成を経ます。一部をマロラクティック発酵させ、酸をうまく残しながらも柔らかい口当たりに仕上げています。熟成中は定期的にバトナージュを行うことで、クリーミーなテクスチャーが生まれます。こうしてクリーミーでありながらも生き生きとした酸とレモンのようなフレッシュさを伴ったバランスの取れたワインに仕上がります。

2つ目はコンクリートタンクで造られる「シルヴァー」です。収穫されたブドウはステンレスタンクとブルゴーニュ産の石灰岩を用いたコンクリートタンクを現地から輸入し、その両方を用いて発酵・熟成。通常コンクリートタンクは清掃を容易にするためにタンク内部を塗装処理していますが、メール・ソレイユではワインをほんの少し「呼吸させる」ためその処理をしていません。結果として、ステンレスタンクのみの場合よりも、ワインにはミネラル感や複雑味が与えられます。このようにメール・ソレイユは、シャルドネのフレッシュさを引き出しつつも、それを際立たせる深みも備えた味わいに仕上げています。

どちらもボリューム感のあるリッチな味わいでありながら、しっかりとした酸も備えており、バランスのとれた仕上がりです。サンタ・ルシア・ハイランズのテロワールを、2種類のシャルドネによって見事に表現しています。