ピュアな味わいのビオ・シャンパーニュを仕立てるRMメゾン

ジョノー・ロバンはコート・デ・ブランの南西に位置する小さな村に居を構えるメゾン。ミシェル氏とマリー・クロード・ジョノー氏が、1960年代より栽培を、1971年より醸造を開始したRM生産者です。息子のシリル氏に代替わりしてからはビオディナミ栽培に着手し、上質かつサステナブルなシャンパーニュ造りに情熱を傾けています。 所有畑は7.2ha。そのうち約70％がピノ・ムニエの畑です。畑が位置する地区は丘陵地の底まで霧の層を形成する地形のため、春になると霜が降りやすくなります。そのため霜害に強く、厳しい気候条件でも良質な果実を収穫できるピノ・ムニエが、古代から栽培されてきました。土壌は粘土石灰質。ムリエールと呼ばれるシレックスの欠片が散在しています。 栽培は、2010年からビオディナミを実践。畑作業はすべて手作業で行い、微生物の働きを高めるため、春と夏に軽く起耕作業を行い、殺虫剤や除草剤は一切使用していません。2018年にはすべての畑でABマークを取得しています。また、樹齢がブドウの質、特に香り高さを決める重要なカギであるという考えから、ブドウの樹の抜き替えを定期的に実施。区画ごとの平均樹齢が35年を下回らないように計算されています。「すべては畑から」というジョノー・ロバンの哲学が、畑の管理に表れているのです。 収穫は、適切な糖度と酸度を確認しながら手摘みで行います。一次発酵にはオーク樽、ステンレス、エナメル素材のタンクを使用。目指すワインのスタイルによってアプローチを変えています。フレッシュで自然な酸と、ワインのテンションを表現するため、マロラクティック発酵は極限定的に実施。単一畑の個性を表現したユニークなキュヴェも仕立てているジョノー・ロバンのシャンパーニュは、個人の愛好家への販売が生産量のほとんどを占めるため、地元のレストランでもなかなかオンリストできない稀少なワインとして知られています。