「マリマー・エステート」は、輝かしい受賞歴を数多く有するスペインの名門、トーレス家のマリマー・トーレス氏が手掛けるワイナリー。ヨーロッパのワイン造りの伝統と技術を駆使して造り出す彼らのワインは、今や世界的にも高いクオリティを誇り、ワインラヴァーを魅了し続けています。

マリマー氏は、1945年、スペインのバルセロナに生まれました。彼女は、バルセロナ大学でビジネスと経済学の学位を取得したのちに、スタンフォード・エグゼクティブ・プログラムを卒業。6ヶ国語を流暢に操る彼女は、卒業後、アメリカでトーレスの輸出部長としてトーレスワインの拡販に努めました。

就任当初、年間1万5千ケースほどであったワインの輸出量は、彼女の活躍により10年で10倍の15万ケースにまで成長。マリマー氏が輸出部長に就任した当時は、ワインビジネスに女性の出る幕は無いという固定観念が強く、これほどの成功を収めるのは容易なことではありませんでした。しかし、彼女の努力と商才が実を結び、今では「アメリカで最も有名なスペインワインの第一人者」と呼ばれるほどに称えられています。 

本場アメリカでワインビジネスを極めたマリマー氏は、カリフォルニアのソノマ・コーストで特に涼しく美しいグリーン・ヴァレーに魅せられ、自らワイン造りを行うという新たな目標を掲げます。マリマー氏は、カリフォルニア大学デイヴィス校で1年間ワイン醸造学とブドウ栽培学を習得。彼女がこだわりを全て注ぎ込んで造り出すワインは、今や世界的にも高いクオリティを誇り、ワインラヴァーを魅了し続けています。

マリマー・エステートがソノマ・カウンティに所有する、"ドン・ミゲル・ヴィンヤード"。マリマー氏の父親の名を冠したこの畑はロシアン・リヴァー・ヴァレーのサブ・アペラシオンであるグリーン・リヴァー・ヴァレーに広がっています。

彼らが所有するブドウ畑は、太平洋から16km、南東向きの斜面に広がり、冷涼な気候、火山起源と海洋堆積物のゴールドリッジと呼ばれる水捌けの良い砂質ローム土壌、太平洋からの冷たい海風が寒暖差を生み出すブドウ栽培に最適の環境です。この冷涼な気候を活かし、シャルドネとピノ・ノワールを中心とした有機栽培を行っています。

マリマー氏はブドウ畑のあり方にこだわり、「エステートのブドウのみで造られる、土地の地方色を強く反映したワイン造り」というヨーロッパの伝統を重んじています。 ブドウ栽培に関しては、2003年よりオーガニック農法を取り入れ、ブドウの搾りかすや藁を含んだ堆肥を使用。畑では、被覆作物を植えることで益虫を呼び寄せ、フクロウによるリスの捕食を行うなど、自然の理にかなった栽培方法を取り入れています。

さらに2017年には、畑・環境・従業員含めた総合的な視点で自然環境保全に取り組みたいとの思いから、サステナブル認証を取得。これまでの環境に配慮した取り組みに加え、土地と調和した自給自足の生態系を営むことを目指しています。

また、ブドウの植樹は1haあたり約5,000本とカリフォルニアの一般的な畑の4倍にあたる高密度。密集栽培は、ブドウの樹同士が土地の養分を競って奪い合うため、地中に深く根を張り、小さな果実に栄養を集中させるようになります。当然ながら生産量は減ってしまいますが、その分凝縮した繊細で高貴なアロマを持つブドウが生み出されます。栽培方法には垣根仕立てを採用。地熱の恩恵を受けられるようブドウを地表近くで実らせるなど、彼女の経験を生かしたブドウ栽培は特筆すべきものがあります。

このように畑からこだわったマリマー・エステートのワイン造りは、どれをとっても非常に手間暇を掛けて行われています。このような栽培方法で造り出されたブドウの、その中でも、単一畑のブドウのみを使用して造られるプレミアムワインが「ラ・マシーア」シリーズ。こちらは、カリフォルニア・サステナブル・ワイングローイング・アライアンスのサステナブル認証を取得したワインです。