ユベール・ラミー HUBERT LAMY
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フランス ブルゴーニュ コート・ド・ボーヌ サン・トーバン
異次元の密植栽培を行う、サン・トーバンの注目ドメーヌ
ユベール・ラミーは、サン・トーバンに本拠地を置く1973年に設立されたドメーヌ。当主のオリヴィエ・ラミー氏は、フランスのワイン専門紙ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランスにて「まだあまり知られていないサン・トーバンの評判を高め続けている」と紹介される注目の造り手です。異次元の高密植栽培から、フレッシュさとブドウの熟度、ミネラル感が調和した、サン・トーバンのテロワールを見事に表現するワインを生み出しています。
目次
1990年代から急成長を遂げた、サン・トーバン注目の造り手
ユベール・ラミーは、1973年に先代のユベール・ラミー氏がサン・トーバンに創業したドメーヌ。ラミー家は、最も古い記録で、1640年からブドウ栽培に携わったとされる歴史のある家系です。彼らは今でこそ白ワインを多く生産していますが、設立当初は8haほどの自社畑を所有し、生み出すワインの約80%は赤ワインでした。また、当時の経済状況から造られたワインのほとんどはネゴシアンへ樽で販売していました。
しかし、1990年代にサン・トーバンの一級畑を借りたことや購入したことをきっかけに、ドメーヌは急成長を遂げます。ピノ・ノワールが植えられていた区画を、シャルドネの方が土壌の特性に合うと考えたユベール氏は植え替えを行い、高品質な白ワインを生産。今では、マルク・コランやピエール・イヴ・コラン・モレと並んで評されるサン・トーバンの注目ドメーヌになりました。
現在ドメーヌは、サン・トーバンだけでなく、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、サントネを含む18.5haの畑を所有しています。当初は、村の中心に位置する小さな醸造所でワイン造りを行っていましたが、1981年に以前よりも大きく、よりワイン造りに最適な醸造所を建設し、作業の効率化を図りました。セラーは、白ワインと赤ワインで異なるセラーにて熟成されており、より適した環境でワインの熟成が進められています。
当主のオリヴィエ氏は、フランスおよび海外にてワイン造りやマーケティングを学び、メオ・カミュゼでも半年間働いた経験を持っている人物。その期間には当時醸造のコンサルタントをしていた、大変有名な造り手である故アンリ・ジャイエ氏からブドウ栽培やワイン造りを学んでいます。
その後1995年にドメーヌに参加し、それらの経験をもとに、新しいアイディアと手法でブドウ栽培から醸造を管理。フランスのワイン専門紙ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランスにて「まだあまり知られていないサン・トーバンの評判を高め続けている」と紹介されるほど、注目の造り手です。
30ものプルミエ・クリュを擁する白ワインの名産地
ユベール・ラミーが本拠地を置くサン・トーバンは、世界的に名高いピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシェに隣接した村です。周辺の有名なアペラシオンと比較すると知名度は高くはないですが、30のプルミエ・クリュを擁する名産地。AOCに認定された1937年当初は、多くの畑にてアリゴテが栽培されており、1960年代からピノ・ノワールが流行し、生産量の大半はシャルドネを使用したワインではありませんでした。
ですが、そのトレンドは徐々に変化し、今では数多くの品質の高いシャルドネが生産されています。また、コストパフォーマンスに優れた良質なワインが多いのが、このサン・トーバンの魅力です。
サン・トーバンの特徴は、300~350mの高い標高と急な傾斜。石灰質土壌の畑が多く、凛とした酸と豊富なミネラル感を備えたシャルドネが生み出されています。特級畑はないものの、全体の70%以上が一級畑として認定されており、一級畑アン・レミイは、あの特級畑モンラッシェを見下ろす場所に位置。オリヴィエ氏は「クリーミーなシャルドネではなく、石灰質のテロワールが表れた上品なサン・トーバンを目指している」と語っています。
異次元の高密植を行い、テロワールを見事に表現したワイン
ユベール・ラミーの特筆すべき点としては、密植栽培が挙げられます。密植栽培を行うことで、ブドウ樹の間で栄養分と水分の取り合いが起こり、競争が発生。結果として、低収量になってしまいますが、通常のブドウよりも凝縮感を持った小さな実のブドウを生み出すことができます。ドメーヌの設立当時は、1haあたり10,000本でしたが、オリヴィエ氏の父であるジャン氏の助言で、0.07haもの狭い場所に10,000本を植えたことにより品質の高い果実の収穫に成功。
このことをきっかけに、高密植を様々な畑で実践しており、一級畑デリエール・シェ・エドゥアールの上部区画では、1haあたり30,000本という超高密度の密植を行っています。一般的なブルゴーニュのブドウの房は約150gと言われていますが、彼らのブドウの房は約30gと小さく、凝縮感のある質の高い果実を生み出しているのです。
収穫は手摘みで行っており、振動選果台にて、選果を行います。空気圧プレスで優しく圧搾して果汁を抽出。その後、シャルドネは約300Lの木樽とドゥミ・ミュイと呼ばれる600Lの木樽を用いて、アルコール発酵とマロラクティック発酵を行います。
ピノ・ノワールはマロラティック発酵を樽にて実施。ワイン本来の味わいの表現を意図して新樽率は低く、白ワインには5~10%程度の比率の新樽を使用し、約18~24カ月間熟成させた後に瓶詰めします。こうして生み出されるワインは、オリヴィエ氏が目指すフレッシュさとブドウの熟度、ミネラル感を纏った、サン・トーバンのテロワールが見事に表現されたスタイルです。
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