繊細とエレガンスを追求し、カリフォルニアに新潮流を巻き起こした巨匠

リトライは1993年にスタートした小さなワイナリーですが、現在では繊細かつエレガントなスタイルのピノ・ノワールの先駆者として多くの造り手から尊敬を集めています。凝縮感に走らない新世代のカリフォルニアの造り手達を紹介する著書 "The New California Wine" では、その象徴として表紙に採用され大きな話題となりました。 栽培と醸造を務めるテッド・レモン氏はフランス、ディジョン大学で醸造学の学位を取得し、ジョルジュ・ルーミエ、ブリュノ・クレール、パラン、ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ、デュジャックなどブルゴーニュのトップ生産者のもとで日夜研鑽。ギィ・ルーロではコート・ドールで初めてのアメリカ人栽培＆醸造責任者として活躍しました。 アメリカに帰国した後はシャトー・ウォルトナーの創業に醸造責任者として加わり、コンサルタントとしてフランシスカン、クロ・ペガスを始めとするカリフォルニアの著名ワイナリーに参加。オレゴンのアーチェリー・サミット、ニュージーランドでも活動を行い、ワイン造りの手腕を磨き上げました。 彼の目指す品質とスタイルを実現できる場所を探し求め、妻のハイジ氏と共に北はシアトル、南はサンタ・バーバラまで西海岸に沿って旅をし、ノース・コーストの冷涼な海岸線にワイナリーを設立。 濃厚なピノ・ノワールが大勢を占めた時代、リトライのワインはあまり高い評価を受けることはありませんでしたが、食事とともに楽しむエレガントなファインワインを探し求めるカリフォルニアのソムリエたちに見出され、次第に名声を獲得していったのです。