映画とワインって本当にお似合い。この秋は、ワインを片手に映画を楽しんでみませんか。
目次
1970年スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日、1989年から芸能活動スタート。TBS「王様のブランチ」では2001年より映画コメンテーターとして出演、J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」などレギュラー番組も多数。声優、ナレーション、俳優などマルチに活躍。ファッションにも意欲的に取り組み、服やジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。
01 LiLiCoさんに聞く、映画とワインのイイ関係
ワイン好きで知られる映画コメンテーターのLiLiCoさんに、映画とワインの楽しみ方を聞いてみました。
ワインは人の性格や生き様を表すものだと思っています。私自身がワイン好きなこともあってか、映画にワインが登場すると必ずそこに注目してしまいます。どんなワインを飲んで、どのようにグラスを持つのか、映画の中のワインから登場人物の感情などを想像します。ワイングラスの持ち方ひとつでその人の性格や生き方がわかるんですよね。映画を観終わった後も、あのシーンであの人物がワインを飲んでいたな、という印象が一番残ってしまうほど、私はワインが大好きなんです。
映画を観ながら飲むのは、シャンパンと赤ワインがほとんどです。選ぶときのポイントは、映画の中の季節とワインを合わせること。例えばジョージ・クルーニー主演の『素晴らしき日』は舞台が秋なので、赤ワインを選びます。一年の中で一番好きな季節の秋には、赤ワインがお似合いだと思うんです。一方で『セックス・アンド・ザ・シティー』のような作品にはシャンパンを選びます。自宅で映画を観るときには、『マイ・インターン』や『天国の口、終りの楽園。』などのどこから観ても楽しめるようなもの、観るだけで幸せになれるような映画を選ぶことが多いです。ハッピーエンドや人生再生物語のような作品には、シャンパンを合わせて楽しんでいます。
ワインと映画を楽しむ生活の中で、テーブルセッティングに命を懸けています。ホームパーティーで一番にこだわっているのがテーブルウェアとお酒、ワインに合わせて素敵なセッティングを考えるのがなによりの楽しみです。お部屋は間接照明とキャンドルが基本なので、ワインと完ぺきな組み合わせです。今回紹介する映画の中のように、毎日の生活にワインがあるって素敵だと思っています。
02 LiLiCoさんが選ぶ、 “ワインが 飲みたくなる映画”
映画の中のワインに注目してみると、単なる飲みものではなく、登場人物の背景や心象を表していたりすることもあります。LiLiCoさんに、 “ワインが飲みたくなる映画”を3つ挙げていただきました。
また、あなたとブッククラブで
【あらすじ】
それぞれが人生の第二章を歩む女友だち4人の恒例行事「ブッククラブ」。1冊の官能小説との出合いがそれぞれの人生に輝きをもたらす。
【LiLiCoさんコメント】
ダイアン・キートンをはじめとする人生の先輩方が本について語る映画なのですが、その手には必ずと言っていいほどワインがあります。どんなに話が白熱しても彼女たちはワイングラスを手放さないんです。ワイングラスのステム(脚の部分)は、指でなでると暗にお誘いを意味するように、行間を読み取ると、ワイングラスを常に手放さないことは彼女たちのエロティックさの炎の象徴を表現しているように思えます。登場するのはほとんどが白ワインなので、普段はシャンパン&赤ワイン派の私も白ワインが飲みたくなります。こういう風に素敵に歳を重ねたい、そしてそこには必ずワインを…という映画です。
制作年:2018年
制作国:アメリカ
監督:ビル・ボルダーマン
配信情報:Prime Videoでレンタル・購入配信中、U-NEXTにて定額見放題配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
©Les Films d'Ici –Arte France Cinéma–LOOKS Filmproduktionen GmbH –Partner Media Investment –Eden Joy Music –2011
ハウスメイド
【あらすじ】
上流階級の豪邸でメイドとして働くウニは、ある日、一家の主(あるじ)と関係を持ってしまう。ウニの妊娠をきっかけに、穏やかだった屋敷は一変して!?
【LiLiCoさんコメント】
俳優イ・ジョンジェが最もノリにノッているときの映画。小物としてのワインの使い方が上手く、豪華な空間にワインが映えています。一家の主(あるじ)は帰宅するとワインを飲むのですが、メイドに必ずデキャンタで用意をさせます。ワインへの強いこだわりは、彼にとってワインがリラックスの象徴だからなのでしょう。ウニと主の印象的なシーンにもワインが登場するので、ぜひ赤ワインを片手にご覧ください。
制作年:2010年
制作国:韓国
監督:イム・サンス
配信情報:Prime Videoで見放題配信中、U-NEXTにて定額見放題配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
DVD発売情報:¥1,257(税込) 発売・販売元:ギャガ
©2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved
ジュリエットからの手紙
【あらすじ】
老婦人クレアのもとに届いた手紙。それは50年前にジュリエットの生家へ送った恋の悩みの返事だった。手紙に背中を押され、初恋の人を探す旅に出る…。
【LiLiCoさんコメント】
ロミオとジュリエットで知られるイタリアのヴェローナが舞台の作品。ヨーロッパ流のワインの飲み方に目が行きます。ヨーロッパでは、ワイングラスは一般的に小さめでガラスも厚め。そして赤ワインはステム(脚の部分)ではなく、ボウルを持ってワインを飲みます。この映画に出てくる登場人物はみなワインの飲み方がカッコイイんですよね。グラスのボウルをもって赤ワインを飲みたくなる映画です。
制作年:2010年
制作国:アメリカ
監督:ゲイリー・ウィニック
配信情報:Prime Videoでレンタル・購入配信中、U-NEXTにて定額見放題配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
®Distributed by Summit Entertainment
03 あの映画にはこんなワインが登場 映画とワインのペアリングガイド
映画に登場するさまざまなワイン。ワインそのものがテーマであったり、ほんの一瞬だけ登場したり。ワインが印象的なおすすめ映画とともに、グラスを傾けてみませんか。
ミッドナイト・イン・パリ × ボルドーワイン
【あらすじ】
脚本家ギルは、婚約者とその両親と共に憧れのパリを訪れる。ある夜、0時を告げる鐘の音に導かれ迷い込んだのは、1920年代のパリだった。
【コメント】
アカデミー賞とゴールデングローブ賞の脚本賞をW受賞したウディ・アレン監督・脚本作品。1920年代パリへの憧憬が詰まったこちらの映画では、ワイン好きの監督が随所にワインを登場させています。主人公ギルが婚約者一家と参加した試飲会では、クラレンドル・ロゼとシャトー・オー・ブリオン、タイムスリップした先のレストランでもサルヴァトール・ダリのもとへシャトー・オー・ブリオンが運ばれてきます。現代でも100年前でも、ワインを楽しんでいる登場人物。この映画に合わせて楽しむなら、今ならではの魅力が詰まったクラレンドル・ロゼがピッタリです。
「ミッドナイト・イン・パリ」と一緒に楽しみたいワインは…
制作年:2012年
制作国:スペイン・アメリカ
監督:ウディ・アレン
Photo by Roger Arpajou
©2011 Mediaproducción, S.L.U.,Versátil Cinema, S.L.and Gravier Productions, Inc.
おとなの事情 × イタリアの赤ワイン
【あらすじ】
ホームパーティーに集まったのは長年の友人である7人の男女。互いに秘密がないことを証明するために携帯の通話やメールをさらけ出すゲームを始めることに…。
【コメント】
世界最多18カ国でリメイクされた大ヒットコメディ映画。「ゲームをしない?食事中、携帯にかかってきた電話、メッセージをみんなオープンにするのよ」。友人夫婦7人が集う夕食の場で始まるゲームの場面、登場するのがイエルマンのレッド・エンジェルです。ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)を主体にしたエレガントな赤ワインですが、ワインの上品な味わいとは真逆に、秘密が暴かれるにつれて、登場人物たちは動揺とともに本性を見せ始めます。綺麗で繊細な味わいのワインと登場人物の様子のギャップにも注目してみてください。
「おとなの事情」と一緒に楽しみたいワインは…
制作年:2016年
制作国:イタリア
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
配信情報:Prime Videoで見放題配信中、U-NEXTにて定額見放題配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
DVD発売元:アンプラグド 販売元:ポニーキャニオン DVD発売中
©Medusa Film 2015
チーム・ジンバブエのソムリエたち × 南アフリカワイン
【あらすじ】
ワインのない国ジンバブエ出身の4人の難民たち。そんな彼らがフランスで行われる世界最高峰のブラインドテイスティング大会に挑むことに!?
【コメント】
ありえない挑戦を描いたドキュメンタリー。資金が足りずクラウドファウンディングを行ったり、大会直前にメンバーがインフルエンザにかかったり、コーチが超曲者で全くこちらの意見を聞いてくれないなど、リアルなドタバタが繰り広げられます。経済困難に陥ったジンバブエを逃れ、4人が南アフリカに移住した背景など、いつもとは違う角度からワインの世界を見ることができます。4人がワインと出合った南アフリカワインを片手に、観てほしい映画です。
「チーム・ジンバブエのソムリエたち」と一緒に楽しみたいワインは…
スペシャル・エディション・ピノタージュ
赤
リッチ&グラマー
南アフリカ屈指の近代的ワイナリーが手掛ける、南アフリカ固有品種ピノタージュ。豊かな果実味とスパイスの風味が食事に合わせやすい1本。 詳細を見る
4.3
(37件)2022年
2,970 円
(税込)
制作年:2021年
制作国:オーストラリア
監督:ワーウィック・ロス、ロバート・コー
配信情報:Prime Videoでレンタル・購入配信中、U-NEXTにて定額見放題配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
販売元:アルバトロス DVD発売中
© 2020 Third Man Films Pty Ltd
おかえり、ブルゴーニュへ × ブルゴーニュワイン
【あらすじ】
ワイン醸造家だった父の死をきっかけに10年ぶりに再会する3兄妹。自分たちでワインを造ろうと協力する中で、それぞれは悩みや問題を抱えていた…。
【コメント】
フランス・ブルゴーニュ地方のワイナリーを舞台にした本作は、公開当初の特別上映でブルゴーニュの生産者たちより絶賛されました。クラピッシュ監督がリアリティを追求するうえで起用したのが俳優としても活躍するドメーヌ・ルーロのジャン・マルク・ルーロさん。ワインの味わいを左右する収穫日について3兄妹がもめるシーンのアイデアはルーロさんの助言によるもの。3兄妹にドメーヌの管理人として醸造を教える役もまさにはまり役で、この作品に真実味を持たせています。雄大な畑に想いを馳せながらブルゴーニュワインと楽しみたい映画です。
「おかえり、ブルゴーニュへ」と一緒に楽しみたいワインは…
制作年:2017年
制作国:フランス
監督:セドリック・クラピッシュ
配信情報:Prime Videoでレンタル・購入配信中、U-NEXTにて定額見放題配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
発売元:キノフィルムズ/木下グループ 販売元:ポニーキャニオン
DVD発売中 価格4,180円(税込)
© 2016 - CE QUI ME MEUT - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA
映画×ワインを語る上で 外せない2作品!
Check1 今年で公開20周年 多大な影響を与えた名作 SIDEWAYS
ピノ・ノワール・ホリックな主人公のマイルスが "I’m not drinking any fucking Merlot." と叫ぶシーンが印象的な本作。公開当時、カリフォルニアの赤ワインといえばメルロでしたが、映画のヒットからメルロは下火に、一方でピノ・ノワールが脚光を浴びます。メルロの売上や栽培面積は減少しましたが、悪いことだけではありませんでした。冷涼な土地のメルロがピノ・ノワールに植え替えられ、ワイン全体の品質が向上したとの意見もあるそう…。こうして『サイドウェイ』は名作として語り継がれるとともにカリフォルニアのワイン業界に大きな影響をもたらしたといえるのです。
公開年:2004年
制作国:アメリカ
監督:アレクサンダー・ペイン
配信情報:ディズニープラスの「スター」で配信中
※2024年9月1日時点での配信情報です。
©2024 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
Check2 映画 × ワインの ショートフィルム Film & Wine
『ゴッドファーザー』やカンヌ国際映画祭2024でプレミア上映された『メガロポリス』(日本公開未定) など映画監督としても著名なフランシス・フォード・コッポラ氏。彼がカリフォルニアで手掛けるワイナリー、フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリーは、カリフォルニアの二大産業である映画製作とワインを隣り合わせで撮影し、その親和性をコミカルに映し出したショートフィルム『Film&Wine』をYouTubeに公開しています。