ニュージーランドはオーストラリア大陸から1,600km離れた南太平洋に浮かぶ島国です。この緑豊かな島国で造られるワインは比較的低価格ながら高品質。今、世界で人気急上昇中です。
今回はそんな旬のワイン産地ニュージーランドを徹底解説します!
目次
ニュージーランドワインの歴史
ワイン産地としての、ニュージーランドの歴史は非常に浅く、僅か20年ほどで急激な成長を遂げた新興ワイン産地。
初めてニュージーランドにブドウが持ち込まれたのは1819年ですが、それから150年ほどは高品質なワインの生産は行われてきませんでした。
しかし1960年代後半にワイン醸造に不向きなアメリカ系ブドウ品種をヨーロッパ系の国際ブドウ品種に植え替えはじめると、1980年代にはソーヴィニヨン・ブラン種のワインが国際的な品評会で入賞します。
その後もブドウ栽培に向く、恵まれた土地のポテンシャルを発揮して、様々なワインが高い評価を獲得。またたく間に有名産地となりました。
ニュージーランドのブドウ品種
ニュージーランドで栽培されている白ブドウはソーヴィニヨン・ブラン、黒ブドウはピノ・ノワールが主になります。
ソーヴィニヨン・ブラン
原産地はフランス・ロワール地方ですが、今やニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランが世界のベンチマークとなっています。なんとニュージーランドの約60%を占める圧倒的な栽培面積を誇ります。
グレープフルーツやパッションフルーツ、ハーブの爽やかなアロマと生き生きとした酸味が魅力のブドウです。
ピノ・ノワール
栽培面積はソーヴィニヨン・ブランの1/4ほどですが、黒ブドウとしては圧倒的な面積を誇るのがピノ・ノワールです。
言わずと知れたフランス・ブルゴーニュ原産で、テロワールの表現力が豊かな品種です。
その他
そのほかのブドウ品種はシャルドネに次ぎピノ・グリや、栽培面積こそ少ないですが、冷涼な気候を生かしたシラーなど現在のワイン業界のトレンドに乗った品種が注目されています。
※栽培面積や生産量のデータは、2017年調査のデータに基づきます。
ニュージーランドのテロワール
この短期間での躍進はニューワールドで最も恵まれているといっても過言ではないテロワール。「世界最南端のワイン産地」と言われる緯度が大きな要因といえるでしょう。
最南端と聞くと北半球の人間は暖かい南国を想像しますが、実際はその逆で、南半球の南=北半球の北と同じです。「世界最北端のワイン産地」と聞くと寒そうですよね?
そのためニュージーランドで造られるワインは新世界のワインにありがちな濃厚で重たいワインではなく、上品な酸味がキープされフレッシュでクリアな印象です。
この味わいが現在のワインのトレンドとマッチし、ますます市場を拡大しています。
もっと詳しくニュージーランドの産地を知る!
最南端と言っても、細長く南北1,200kmに37,000ha拡がるニュージーランドのワイン産地は、多様な気候と土壌で様々なブドウが栽培されています。ここでは抑えておきたい代表的な産地をご紹介いたします。
北島
オークランド
北島の北端オークランドは、ニュージーランドの中でも最も温暖な亜熱帯気候で、メルロなどのボルドー系品種から素晴らしいワインが造られています。
マーティンボロー
北島南端のマーティンボローはピノ・ノワールの聖地。ニュージーランドのロマネ・コンティと称されるワイナリーもここにあります。砂礫土壌から色が淡く、芳香性に飛んだピノ・ノワールが造られています。
南島
マールボロー
南島北端に位置するマールボローはソーヴィニヨン・ブランの世界的産地であり、ニュージーランドワイン生産の心臓です。国全体の67%のブドウ畑がここにあります。
カンタベリー
南島中部、首都クライストチャーチのに拡がる小さな産地。ニュージーランドでは数少ない石灰岩土壌が広がっており、しっかりとしたストラクチャーを持つブルゴーニュ的な高級ピノ・ノワールやシャルドネが少量生産されています。
セントラル・オタゴ
南島南部、ニュージーランドの南アルプス山脈の中腹に位置し、標高による寒暖差と国内唯一の大陸性気候(雨が少ない)という恵まれた天候と片岩土壌から凝縮感のあるピノ・ノワールを生産しています。
地図を見てお気づきでしょうか。オークランドやネルソンを除いたほとんどの産地が東側に固まっています。これは西から風雨が吹きつけるので、東側のほうが雨量が少なく済むためです。
おすすめのニュージーランドワイン
最後に、ぜひ一度お試しいただきたいニュージーランドワインをご紹介します。
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを味わうならこちらの白ワイン。
クリーンな果実味とフレッシュな酸はお食事全般と相性良好!
すっきり美味しい万能白ワインとして活躍すること間違いなしの一本です。
まとめ
いかがでしたか?
ニュージーランドワインは、初心者から愛好家まで満足できる幅広いワインが存在しています。
初心者に絶対おすすめしたいのは、和食にも相性ぴったり、手頃な価格でおいしいソーヴィニヨン・ブラン。
上級者はマーティンボロー、カンタベリー、セントラル・オタゴなど個性の全く違うピノ・ノワールを飲み比べれば、お気に入りの産地が見つかるはずです。
ぜひニュージーランドと一括りにせずに、細かい産地まで試してみてくださいね♪