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ワインショップ・エノテカ 船橋東武店
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このショップのスタッフレビュー
川島
こんにちは、休みの度に庭へ七輪を引っ張り出し、コロナ渦で飲みに行けない鬱憤を晴らしていた船橋東武店の川島です!
既にお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、めざせ週刊と言いつつ、さっそく隔週連載になっておりまして、申し訳ございません……。
通常業務に支障がない範囲で、できるだけコンスタントな更新を目標にして参りますので、あたたかく見守って頂ければ幸いです。
さて、スタッフブログ第5話のテーマは、「船橋の新名物・ホンビノス貝」です。
そもそもホンビノス貝とは、ハマグリに似た見た目故に「白ハマグリ」と呼ばれることもある、北アメリカの大西海岸が原産とされる二枚貝のこと。アメリカでは重要な水産資源として、古くから日常的に食されているポピュラーな貝として知られています。
日本ではアサリが用いられることが多いクラムチャウダーですが、クラムチャウダー発祥の地であるアメリカではホンビノス貝が使われるそうです。
ホンビノス貝は元々日本には生息していない、1998年に東京湾の幕張人工海浜(千葉県千葉市)で初めて発見されたいわゆる“外来種”です。
原産国から来た船の船体に付着していた、原産国から来た貨物船のバラスト水(貨物船の重さを調節する海水)に混ざって運ばれてきた、輸入業者が売れ残りを不法投棄した……など、日本へやってきた理由は諸説ありますが、どれも決め手にはかけるのだとか。
外来種のせいで在来種が減ってしまった!という話は様々耳にしますが、荒い砂地を好むアサリやハマグリと、細かい泥地を好むホンビノス貝で棲み分けができているため、在来種(アサリ・ハマグリ)への影響は今のところないとのこと。ただ繁殖力が強いため、今後の生態を注視していく必要はあるそうです。
①青潮にも強い!
これまで船橋ではアサリ漁が盛んに行われてきましたが、近年は青潮により収穫量が減少……そこへ突如登場した生命力が強く、しかも一年中捕れるホンビノス貝は、漁師さん達の救世主となりました。
②安く買える!
ホンビノス貝は季節関係なく一年中捕れる上に、1度に捕れる量も多いため、2・3月が旬と言われるハマグリと違って、安く購入できるのも魅力のひとつ。更に水揚げ後、水なしで1週間も保存が可能と言われており、輸送の手間が少ない点も価格の安さに一役買っています。
③砂抜き不要!
アサリなどと違って貝の内部へ砂を溜めないため、基本的には砂抜きせずに調理できます。(「砂抜きしてください」と表示して販売しているものもあるそうなので、ご購入時によくご確認ください)
ここまでホンビノス貝のことを調べていたら、私も食べたくなっちゃいました……。
船橋駅近くの魚屋さんやスーパーではお目にかかれなかったため(地元のお客様方のお話によりると3月頃によくお店に並ぶらしいです)、船橋産のホンビノス貝をネットでお取り寄せ。
ブランド「三番瀬産ホンビノス貝」を名乗れない規格外の大きなホンビノス貝をお安くGETし、ワインと合わせてみることに。
箱には砂抜き不要とありましたが、実験も兼ねて砂抜きを行い、結果は10個中、一筋ほどの砂(泥)を吐き出した貝が1個だけ。
砂抜き不要というのは本当でした!
まずはシンプルに浜焼き! 塩気が強いため、塩や醤油は不要。 ぷりぷり肉厚な身を噛み締めるたび、ジューシーな出汁が口いっぱいに広がり、その味に集中しようと思わず無口になる美味しさ。 今回はLサイズを購入したのですが、食べごたえがあって大満足。大正解のチョイスでした。 BBQで豪快に焼くのも良いかも! 合わせたのは、昨年11月に発表されたエノテカのワイン屋大賞で2位へ入賞した「パソ・ダス・ブルーシャス(トーレス/スペイン/品種:アルバリーニョ/辛口白)」。 レモンなどの柑橘類や白い花の香りが、貝特有の僅かな磯臭さを消し、食欲UP。 まろやかな甘味のある果実感がホンビノス貝の旨味を引き立て、程好い酸味と苦味の余韻が味わいを引き締めてくれます。 これはホンビノス貝とワインを延々と往復できるベストマリアージュでした。
次も定番、酒蒸し。 浜焼きで出汁がたくさん出ることがわかったため、千葉県産のなばな(“茎を楽しむ菜の花”みたいな野菜)と一緒にワイン蒸しにしました。 合わせたワインは、「ロ・タンゴ・トロンテス(ボデガ・ノートン/アルゼンチン/品種:トロンテス/辛口白)」。 ホンビノス貝5個、なばな1束と共に、(少々勿体ない気もしますが)ロ・タンゴ・トロンテス100mlを鍋へ投入。 こちらにも塩・醤油などは使いません。 貝の口が開いてから3分ほど蒸して、いざ実食。 浜焼きよりもしっとり、ぷりぷりの身が美味しい! やはり調味料は要りませんでした。出汁を吸ったなばなが文句なしに美味しい。入れて正解。 是非、お好きな季節の野菜と一緒にお試しください。 ロ・タンゴのトロピカルフルーツやパイナップルといった甘い香りとの相性が少々不安だったため、あまり香りが広がらないようまずはキリッと冷やした状態でチャレンジ。 ライチやマスカットといった香りと果実感のワインと、なばなのほのかな苦味が、絶妙なバランスでマッチ。爽やかな酸味がホンビノス貝の旨味をより強調し、シャープな印象へ変化しました。 こちらもベストマリアージュ! ただやはりワインの温度が上がって、甘い蜜っぽい香りが強まると、食材との不均衡さが出てしまうため、ワインクーラーなどを使用し、ワインが常に冷えた状態でお楽しみいただくのがおすすめです。
クラムチャウダーの本場はアメリカ……ということで、最後はアメリカのシャルドネとのマリアージュを検証。 今回は市販のクラムチャウダーに、追いホンビノス貝をしてみました。 合わせたワインは、サクラアワード2023にてゴールド受賞した「ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ(ケンダル・ジャクソン/アメリカ/品種:シャルドネ/辛口白)」。 ふくよかな樽香と果実味を楽しむため、温度はやや高め(10~12度ほど)で用意しました。 結果、ホンビノス貝の旨味を無駄なく味わえる一番の料理は、クラムチャウダーと言っても過言なし! 実は、幼い頃にアレルギー症状が出てから成人する頃までアサリ断ちをしていたために、あまりアサリの味に馴染みがなかった私。 クラムチャウダー=アサリという組み合わせが多いために、クラムチャウダーにも馴染みがなかったのですが、これは美味しいぞ! 追いホンビノス貝のおかげで少々塩気を強く感じたため、薄く切って焼いたフランスパンとともにいただいたのですが、フランスパンが消える消える。ワインが進む進む。 リンゴ、梨といった香りに、ジューシーと表現したくなる果実感とバニラを思わせる余韻のワインと、旨味が凝縮したクラムチャウダーの味わいのパワーが拮抗し、どちらも主役であり引き立て役でもある名コンビが誕生。 正直、ワインの方が勝ってしまうのではないかと不安だったのですが、杞憂でした。 クラムチャウダーとアメリカのシャルドネ、ぜひお試しいただきたいベストマリアージュです。
以上、ホンビノス貝とワインのマリアージュ検証でした。
このブログを読んでくださった皆さんも、ホンビノス貝が食べてみたくなったのでは……?
船橋市では一丸となって、新名物のホンビノス貝を全力応援中。
平成29年11月には、千葉ブランド水産物(味や品質に優れ、千葉ならではの個性を持っている品物だけに、県が認定する称号)に、「三番瀬産ホンビノス貝」が認定されました。
また2019年には、日本一のクラムチャウダーを決める「日本クラムチャウダー選手権 with パンフェスティバル」を開催。(この大会で2連覇を決めた船橋市内のお店は、なんとクラムチャウダーの本場アメリカ大会でも見事優勝!)
浜焼きに酒蒸し、お吸い物、パスタ、カルパッチョ、かき揚げ、鍋、ラーメン、ピザ……ホンビノス貝の美味しさが楽しめる飲食店が、船橋のあちこちにあります。
スーパーや飲食店でみかけた時は、ぜひお試しください!
最後に、今回合わせたワインと、川島が愛用しているアイスクーラースリーブをご紹介。
逐一氷をたくさん作らなければならないワインクーラーと違い、スリーブを保冷剤のように冷凍し、ボトルへ被せるだけで温度をキープできる優れもの。場所もあまりとらないため、私は常に冷凍庫へ常備しています。
ただ一度冷凍庫から取り出すと、1,2時間で保冷力が落ちてしまうので、私は2つ購入し、溶けてしまったら冷凍していたものと交換……を繰り返して使用しています。
ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。