世界屈指のワイン産地を有する一方、隠れた銘醸地も多数存在するフランス。中でもワイン愛好家注目なのが、南西2大赤ワイン、マディラン・カオールや、甘口白の銘醸地ジュランソンなどを擁するフランス南西地方。小さなアペラシオンにお手頃な注目銘柄がひしめきあう愛好家にとっては宝の山のような産地ですが、それゆえにどのワインを選んで良いのか悩ましいのもまた事実です。
今回は、そんな南西地方のなかでも6地域に着目。各産地の個性を堪能できる粒選りのハイコスパワインをセレクト</font></b>してご紹介いたします。南西地方を牽引するスター生産者から、ペトリュスの醸造家が手掛ける銘柄など、注目アイテム多数!是非この機会にあれこれ飲み比べて、南西フランスの魅力を存分にお愉しみください。
銘醸地ボルドーさえ恐れた!? 高い品質を備えたハイコスパワインの宝庫!
ボルドーやブルゴーニュなどの花形産地と比較するとマイナーな印象の南西地方のワインですが、実は12世紀ごろからその品質は高く、知る人ぞ知る銘酒と言われていました。しかし、水運を利用してワインを輸出していた当時、上流から運ばれてくるワインの品質の高さを知っていたボルドーのワイン商や貴族は、その名声が広がるのを恐れボルドーの人々が、ボルドーワインよりも時期を遅くして港に運び込むことを規定したため、「奥地のワイン」とさえ揶揄される程の不遇の時代がありました。
しかし、特産物の品質を保証するAOC法が成立すると、フランス南西地方のワインは次々とその認証を受け、その品質の高さが再確認されました。近年では新しい世代の生産者たちが生み出した洗練されたワインがフランスの星付きレストランでオンリストされており、現地フランスでも価格以上の品質を備えた「Qualité prix (カリテ・プリ)=お買い得」なワインの宝庫として注目されているのです。
豊富な土着品種と多様なテロワールが生み出す、ユニークでバラエティーに富んだワイン。
ボルドーとラングドック・ルーションに挟まれた南西地方には、フランスの他の地方に比べても豊富な120種ほどの土着品種が存在しています。また、大西洋と河、中央山塊やピレネーの山々に囲まれた変化に富んだ地形によって、多様なテロワールが形成。これらの2つの要因で、エリア毎にまったく個性の異なるワインが生まれるため南西地方のワインは、ワインライフに変化を加えるスパイスのような存在でもあるのです。これは南西地方が「生きることを愉しめる土地」と称される理由のひとつでもあります。
豊富な土着品種と多様なテロワールが生み出す、ユニークでバラエティーに富んだワイン。
ボルドーとラングドック・ルーションに挟まれた南西地方には、フランスの他の地方に比べても豊富な120種ほどの土着品種が存在しています。また、大西洋と河、中央山塊やピレネーの山々に囲まれた変化に富んだ地形によって、多様なテロワールが形成。 これらの2つの要因で、エリア毎にまったく個性の異なるワインが生まれるため南西地方のワインは、ワインライフに変化を加えるスパイスのような存在でもあるのです。これは南西地方が「生きることを愉しめる土地」と称される理由のひとつでもあります。
今回入荷した南西フランス6つの産地▼
エノテカ・オンライン厳選の9銘柄▼
マディラン
マディランはアドゥール川の中流域に位置する赤ワインの銘醸地。中世の時代からマディランのワインは巡礼者たちによってその名声が広められ、フランス・ヴァロア朝の国王フランソワ1世や歴代のイギリス国王にも愛飲されていた歴史を有しています。気候は主に海洋性気候で、年間降水量はボルドーよりやや多い1,000mm。夏は非常に暑く一年で最も乾燥しており、ブドウ作りには最適です。造られるワインは、カオールで造られるワインとともに南西地方の2大赤ワインとされ、黒みを帯びた濃い色合いと熟した赤や黒の果実香、スパイシーなニュアンスを持つ、熟成ポテンシャルのあるしっかりしたタイプとなります。
カオール
カオール地方は、フランス南西地方を流れるロット河流域に広がる古くからの銘醸地です。地中海の影響を受ける海洋性気候で、秋にはオータンと呼ばれる南仏の乾燥した熱波が吹き付け、ブドウの完熟を促進</font></b>。乾燥した気候ですが、ロット川のおかげで適度な水分が保たれることによって、熟度の高いブドウが結実し、しっかりとしたタンニンと心地よい果実味を備えたワインが生まれています。
特にマルベック(コー、オーセロワとも呼ばれる)を70%以上使用した「黒ワイン」は12世紀から既に名高く、南西地方を統治していたアキテーヌ公爵家のアリエノールと後のヘンリー2世との婚礼の宴を飾り、アヴィニヨン教皇ヨハネス22世や歴代のフランス国王に愛されていました。
イルレギー
イルレギーは南西地方のワイン産地の中でも最南端にある、バスク地方の小さなアペラシオン。海洋性気候でありながら山地の影響を受けており、フェーン現象で降雨量が抑えられてはいるものの年間1500mmと比較的湿度の高く、どちらかと言えばブドウ栽培に技術を要する土地となっています。多くの畑が急な斜面にあるため段々畑でブドウを栽培。土壌は非常に複雑で、それゆえ白・ロゼ・赤とバラエティーに富み、熟した果実やフラワリーなニュアンスのある飲み易いワインが多く生産されています。
ジュランソン
ジュランソンはスペインの国境、ピレネー山脈と大西洋に接する銘醸地です。現在では白の甘口と辛口のみ認められており、特に甘口ワインはボルドーのソーテルヌと肩を並べるほどの高い品質を備えています。この甘口ワインは樹上でブドウの房を乾燥状態になるまで待ってから遅摘みすることで糖度を上げる、パスリヤージュという方法で造られており、フォアグラや羊乳チーズであるブルビとの相性は格別です。また、ジュランソンのワインはフランス国民に一番人気がある国王アンリ4世の洗礼用のワインとして使われて以来、フランス王家の儀式に欠かせないワインとなっています。
ベルジュラック
ベルジュラックはフランス南西地方を横断し、大西洋へ注ぎ込むドルドーニュ川の両岸に広がる歴史ある銘醸地です。13世紀にイギリス国王ヘンリー3生からリブヌル港、ボルドー港までの輸送税免除という特権を与えられたベルジュラックのワインは、イギリスそして北ヨーロッパへ盛んに輸出。百年戦争後は低迷期にありましたが、17世紀に再び盛り返し19世紀まではオランダへの輸出が盛んに行われました。生産されるワインのスタイルはボルドーに近く、白は成熟度の高いセミヨンを主体としたやや甘口~辛口で、赤は若いうちからリッチな果実味を愉しめ、かつ熟成能力にも優れています。
ガスコーニュ
ガスコーニュ地区は、西側からは大西洋の影響を、南側からはピレネー山脈の影響を受け、日照量が多く、昼夜の寒暖差にも恵まれたブドウ栽培に最適な環境が整った丘陵地帯</font></b>。ガスコーニュ地区ならではの気候が、ワインに独特な香りと上質なフレッシュ感を与えます。
商品一覧
7 件
プルプル・ド・グレゼット・ルージュ
赤
パワフル&ストラクチャー
「黒ワイン」と称されるカオール地方の名門。マルベック種が元来備える力強さと名手ミシェル・ロラン氏の精巧さが融合した、リッチな赤ワイン。 詳細を見る
4.0
(3件)2020年
2,420 円
(税込)
2018年
2,772 円
(税込)
キュヴェ・プレスティージュ ベルジュラック・ブラン
白
アロマティック&ピュア
「美味しいワインをたくさん造る」ことが信念の造り手。シャトー最良のブドウで仕立てられる、価格以上の贅沢な味わいが楽しめる白。 詳細を見る
5.0
(1件)2019年
2,530 円
(税込)