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ワインショップ・エノテカ 船橋東武店
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このショップのスタッフレビュー
川島
こんにちは、馬のような足音を立てて走る猫を飼っている船橋東武店の川島です!
スタッフブログ第7回目のテーマは、「同一品種・産地違いワインを飲んでみよう!」です。
今回テーマに選んだきっかけは数年前、とあるお客様がご来店されたときのこと……
(こちらのエピソードは、お客様との実際の会話を元に、お客様個人が特定されないよう脚色を加え、実際にご提案したワインも載せずに書かせていただきます)
「このワインを探しているんだけど……」
そうおっしゃったお客様が私に見せてくださったのは、レシートの裏に鉛筆で走り書かれた「サドルネ」の文字。
正直、サドルネというワインに聞き覚えがありません。
聞き覚えのない言葉に戸惑う様子を見せてしまった私に、お客様はもっと困惑された様子で続けられます。
「ワインが好きな人へ、ちょっとしたお礼にワインをあげようと思って。でも私はワインのことを何も知らないから、その人にどんなワインがいいか聞いたのよ。そしたらね、サドルネワインが好きだっていうから、忘れないように書いて、あとはお店の人に聞けばいいかなと思って……」
「その方は、普段からワインを飲まれる方なのですか?」
「そうみたい。ワインセラーも持ってるって言ってた。友達の娘さんなんだけどね」
「差し支えなければ、どのようなお礼なのかうかがってもよろしいでしょうか?」
「ちょっと車を出してもらったの。ついでだからお礼なんかいらないって言われたんだけど、そうもいかないでしょ。そしたらこのサドルネワインが良いって言うんだけど……」
少しずつお話を聞いていくうちに、パズルのピースが集まっていくような、妙な高揚感を覚えました。
ワインに詳しい方が、ワインをよく知らないという方に、特定の銘柄を指定するでしょうか?
星の数ほど多いワインの中から、特定の銘柄を探し出すのは至難の業です。
また、特定の銘柄を指定するということは、お礼の金額を指定するようなもの。
一度お礼をご遠慮されたような方が、はたして金額を指定するような提案をするのでしょうか?
――……名探偵川島の推理が冴えわたります!
「このサドルネとは、白ワインに使われる“シャルドネ”という品種ではありませんか?」
首を傾げられるお客様に、
①スーパーなどで売っている巨峰やシャインマスカットといった生食用ブドウのように、ワインの原料になるブドウにも様々な品種があること
②シャルドネは白ワインに一番使われるといっても良いほど、有名な品種であること
③産地や生産者にこだわらなければ、スーパーやコンビニで500円くらいから買えるワインもあること
といった事をご説明し、
「ワインの銘柄を指定するとお礼の金額を指定そてしまうことになるので、その方はあえて“一番有名な品種”を挙げたのでは?」という私の推測もお伝えすると、その場でそのご友人へお電話をされ始めました。
お電話先にワインを渡そうとしていたご友人の娘さんもいらっしゃったらしく、お客様がご本人に直接確認したところ、川島の推理は見事的中!
お客様もそのお電話で安心されたのか、表情もぱっと明るく朗らかに!
お電話後、シャルドネは産地によって味わいが異なることをお伝えすると、「あら、それなら飲み比べしたら面白いじゃない!」と、味わいの異なるシャルドネ100%の白ワインを2本ご購入してお帰りになりました。
このときのお客様のやりとりは、数年経った今でも、鮮明に思い出せるエピソードのひとつです。
ご自身はワインを飲まれない(お酒自体を召し上がらない方も)ながら、贈り物としてワインをお買い求めにご来店される方は多くいらっしゃいます。
ワインの名前、産地、品種、生産者名、フルボディとか軽口の味わいなど、ギフトをお渡しするワインに詳しい方から色々お好みを聞いても、ややこしくて忘れてしまったり、聞き間違えてしまうことだってよくありますよね。
そんな時はどうぞ恥ずかしがらず、エノテカのスタッフまでお声かけくださいませ。
出来る限り、お相手様のお好みに沿うワインがご案内できるよう、全力でお手伝いいたします!
さて、ここからが今回のメインテーマ。
先述のお客様がご購入されたワインのように、「同じブドウ品種ワインでも、産地によって味が異なるワイン」というのは、意外にも多いんです。
「前に(とあるブドウ品種)を飲んだんだけどイマイチだったんだよね…」という方も、もしかすると産地を変えればお口に合うワインが見つかるかも!?
そんな比較して飲むと面白いおすすめワインをご紹介します!
(先述のエピソード中にてお客様へご提案し、ご購入いただいたワインではありません)
まずは、初級編。特に違いがはっきりわかる「シャルドネ(白ワイン)」から。 この2つを比較すれば、シャルドネの幅の広さに驚くこと間違いなし! ■カイケン・ウルトラ・シャルドネ(カイケン/アルゼンチン メンドーサ/白 辛口) こちらはトーストやローストナッツのような樽香と、パイナップルやマンゴーといったトロピカルフルーツの香りが、両方同居する面白い白ワインです。 味わいはまさに濃厚! こちらはやや高めの温度で、ムニエル・グラタン・クラムチャウダーといった、バターやクリーム、チーズを使ったお料理と合わせていただきたいコクのある味わいが魅力。 ■シャブリ(ジャン・クロード・コルトー/フランス ブルゴーニュ/白 辛口) フランス2大辛口白ワインのひとつ、シャブリから、グレープフルーツのような酸味と苦味が楽しめるこちらの白ワイン。 キリっと冷やして、柑橘系フルーツを使ったサラダや、レモンとオリーブオイルが決めてのカルパッチョなどと一緒に飲みたくなるような、爽やかさが一番の魅力。 比較的デイリー向け価格も相成って、当店ではリピーターのお客様が多い人気のワインです。
初級編ふたつめは、同一品種ながら、産地で名前のことなる「シラー・シラーズ(赤ワイン)」をご紹介。 オーストラリア、ニュージーランドのシラーズから、赤ワイン好きになった方によくお会いするのですが、皆さん他の産地の「シラー」を飲んでびっくりされるそうです。 名前と共に異なる味わいをどうぞお楽しみください! (「ストーンホース・シラーズ」の在庫がないため、写真は同生産者の上級キュヴェにて代用しました) ■アケーロ(ラ・ブラチェスカ/イタリア トスカーナ/赤 フルボディ) まさに「濃い味」を代表するような、凝縮感のある果実感とタンニンをお楽しみいただけるイタリアのシラー。プラムやプルーンを思わせる甘やかで華やかなアロマに、フレッシュな酸味が良いアクセントとなり、ただ濃いだけではない、飲み飽きしないエレガントな味わいが魅力です。 醤油ベースのポークソテーや、ラム肉のミートソースなどとご一緒にお楽しみください。 ■ストーンホース・シラーズ(ケーズラー/オーストラリア/赤 フルボディ) サクラアワード2023にてゴールド受賞! 船橋東武店へ初入荷したのは昨年秋頃ながら、想像以上に奇麗でコスパの良いワインということで、品種問わず人気の造り手さんです。 これぞ「シラーズ」と言わんばかりのやわらかく綺麗なタンニンが素晴らしい! 木苺やブラックベリーといった甘酸っぱい香りと、凝縮感がありながら滑らかな舌触りが魅力の親しみ易い赤ワインです。 赤ワインに苦手意識のある方にもお試しいただきたい1本です。
続いて中級編。産地によって香りが異なり易い「ソーヴィニヨン・ブラン(白ワイン)」をご紹介。 お客様方から、「この国のソーヴィニヨン・ブランは好きだけど、他の国は苦手」というご意見を伺うことが多い品種です。 (「サンセール・ブラン」の在庫がないため、写真は同生産者の上級キュヴェにて代用しました) ■グランド・リザーヴ・ストレイツ・ソーヴィニヨン・ブラン(シレーニ・エステート/ニュージーランド マールボロ/白 辛口) ソーヴィニヨン・ブランのハーブっぽい香りが、なんとなく青臭く感じて苦手だな……と思う方に、ぜひ試していただきたいこちらのワイン。サクラアワード2023では、ダイヤモンドトロフィーを受賞しました。 パイナップルや柑橘系のフルーティな香りに、フレッシュな程よい酸味と苦み。温度が上がれば白桃やメロンなどの果実感も楽味わえる、ワイン単体でも楽しめるしっかりした飲みごたえも魅力のワインです。 ■サンセール・ブラン(ドメーヌ・ヴァシュロン/フランス ロワール/白 辛口) 先述のシャブリと並ぶ、もうひとつのフランス2大辛口白ワイン。ハーブやライムといった爽やかな香りと、ミネラル感たっぷりな酸味が楽しめるサンセールこそ、ソーヴィニヨン・ブラン特有のアロマを楽しめるワインではないでしょうか。 2022年ワイン屋大賞にて、白ワイン部門1位となった「パスカル・ジョリヴェ」のサンセールと迷いましたが、ハーブの香りがより顕著に楽しめるヴァシュロンのサンセールを挙げさせていただきます。
最後は上級編。派閥……とまではいきませんが、ワイン通の方々の中では、ブルゴーニュ派とニューワールド派で、顕著にお好みが分かれる「ピノ・ノワール(赤ワイン)」をご紹介します。 この違いが判るようになったら、あなたも立派な“ワイン通”!? ■ブルゴーニュ・ピノ・ノワール(オリヴィエ・ルフレーヴ/フランス ブルゴーニュ/赤 ミディアムボディ) まずはお手軽なお値段ながら、正統派ブルゴーニュが味わえるこちらのワイン。どちらかと言えば、ムルソーという濃いめ高級白ワインの生産者として有名な造り手さんですが、3,000円代から綺麗な赤ワインも造られる方なんです。 滑らかなタンニンと、程良い酸味が魅力の赤ワイン。「ブルゴーニュの赤ワインて、薄くて酸っぱいんだよな……」なんて方にも、ぜひお試しいただきたい上品な味わいです。 ■バルダ(ボデガ・チャクラ/アルゼンチン/赤 ミディアムボディ) 暑い場所を嫌う特性ゆえ、アルゼンチンでは美味しいピノ・ノワールは造れない!と言われていたところ、完全ビオディナミにてその不可能を可能にしたこちらの造り手さん。実はイタリアスーパータスカンの筆頭・サッシカイアから“暖簾分け”という形でアルゼンチンへ進出されているので、上級キュヴェにはサッシカイアの星マークが付いているものもあります。 イチゴやチェリーといったピュアな果実感と酸味、綺麗な余韻がお楽しみいただけるこちらの赤ワイン。ブルゴーニュのピノ・ノワールを飲んでから、ちょっとピノ・ノワールに苦手意識がある方にも、ぜひお試しいただきたいです。
いかがでしたか?
今回ご紹介しきれなかったおすすめ比較ワインがありますので、当店へお立ち寄りの際は、スタッフまでお気軽にお声掛けくださいませ。
ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。