繊細で軽やか、エレガントなスタイルのワインが求められる近年のトレンドに後押しされ、世界で脚光を浴びる日本固有のブドウ品種「甲州」によるワイン。イタリアのピノ・グリージョやオーストリアのグリューナー・フェルトリーナーのような繊細な香りの品種のワインがヨーロッパの愛好家を中心に人気を博しており、同様の特徴を持つ甲州は世界市場で大きく躍進。近年では、世界的なワインコンクールで賞を獲得するワインも出始めました。
そこで今回は、甲州の歴史や特徴を解説。エノテカ・オンラインが厳選した30銘柄超の甲州ワインの中から、タイプ別にご紹介。今まさに世界で熱い注目を浴びる甲州ワインの魅力をご堪能ください。
目次
詳しく解説!"甲州"とは?
日本固有のブドウ品種
甲州は、発祥の地と言われている山梨県甲府盆地の東部を中心に、栃木県、山形県や西日本でも僅かながら栽培されている白ブドウ品種です。甲州からは、主にフレッシュで軽やかな味わいの辛口白ワインが造られますが、果皮がグリ系と呼ばれる薄い藤紫色をしており、一般的な白ブドウに比べて果皮がやや厚いため、あえて果皮由来の成分をワインに多く反映させたものや、オレンジ色の外観をしたワインなども造られます。
"甲州"の歴史
2013年、独立行政法人酒類総合研究所の後藤奈美氏が甲州のDNAを詳細に解析。甲州の「ヴィティス・ヴィニフィラ」に、中国の野生種「ヴィティス・ダヴィーディ」のDNAが少し含まれていることが判明します。このDNA解析の結果を受け、甲州はカスピ海付近で誕生したヴィニフィラが中国を渡り、長い年月をかけて野生種との交雑を経て、日本に渡ってきたと考えられるようになりました。
品種の特徴
甲州の収穫時期は主に9月中旬から10月後半。他のヨーロッパ系ブドウ品種と比較して糖度が上がりにくいため晩生型のブドウと言われ、熟すまでに時間がかかるため収穫期の天候の影響を受けやすい品種です。近年では栽培技術の向上、各生産者の工夫や努力によって、糖度が高く質の高いブドウが収穫さるようになっています。また、逆に糖度が上がりづらい特徴を生かし、早めに収穫ししたブドウからアルコール度数の低いピュアなワインを造る生産者など、そのスタイルは多岐に渡っているため、多様性に富んだ味わいを楽しむことができます。
エノテカ厳選!甲州ワイン
甲州を知るなら、まずはコレ!絶対飲むべきおススメアイテム
シュール・リー製法のおすすめアイテム3選
シュール・リーは、主にフランスのロワール地方のミュスカデで採用されている製法(ほかシャンパーニュなど、さまざまな産地でも採用されている)であり、樽に沈殿する滓を取り除かず、その滓とワインを樽内で一定期間接触させる技法です。甲州の辛口タイプの主流として取り入られており、ミディアムライトなボディ感のある、フレッシュな味わいのワインに仕上がります。
樽熟成のおすすめアイテム2選
生産者によって、樽で発酵させた後そのまま熟成させるスタイルや、ステンレスタンクで発酵後に樽に移して熟成させるスタイルなど、さまざまな方法が選択されています。樽由来のバニラ香や燻香、複雑性のあるミディアムボディのワインに仕上がります。
スキンコンタクト製法のおすすめアイテム2選
甲州は果皮が厚く、黒ブドウほどではありませんが、一般的な白ブドウに比べると果皮由来の成分が多く含まれています。その特徴を生かすため、果皮と果汁を長く接触させるスキンコンタクトが採用されることもあります。色素成分やポリフェノール類などが果汁に抽出されるため、オレンジがかった色合いになったり、引き締まった骨格、ほど良い苦みなどがある個性的なワインに仕上がります。
甲州のスパークリングワインおすすめ2選
近年、甲州を使用したスパークリングワインが多く造られるようになりました。フレッシュで軽快な味わいに発泡性が加わることで、より飲み心地が良くなり、料理との相性が良くなります。一部の大手メーカーがイタリアで主流のタンク内二次発酵を行っていますが、瓶内二次発酵で造られる本格的なスパークリングワインを造る生産者もおり、世界的にも高い評価を獲得しています。
商品一覧
17 件
フジクレール 甲州 シュール・リー
白
アロマティック&ピュア
「ワインはブドウから造られている」という信念で、手作りの限定生産を行うブティックワイナリー。甲州の果実味を生かし、旨味を引き出した白ワイン。 詳細を見る
3.4
(5件)2021年
1,903 円
(税込)
グレイス グリド 甲州
白
アロマティック&ピュア
甲州の立役者的造り手、グレイスワインが造る、数々の受賞歴を誇るクラシックな1本。ブドウの美味しさを素直に感じる、飲み心地の良い甲州ワイン。 詳細を見る
4.1
(48件)2023年
2,500 円
(税込)