多民族国家で「虹の国」の異名を持つ南アフリカ。1994年のアパルトヘイト撤廃後、海外市場へ向けた積極的な取り組みを強化し、ワインの輸出先はヨーロッパからアジアへと拡大。今や南アフリカは、ジャンシス・ロビンソン女史を始めとする世界のワイン評論家やソムリエから熱い注目を集め、イギリスを代表とするヨーロッパからアジア各国まで、世界中で広く愛されています。
こちらでは、そんな南アフリカのワインをおすすめの品種別にご紹介。国を代表する品種であるピノタージュやシュナン・ブランから、今注目を浴びている冷涼産地で生み出される上品なピノ・ノワールなど、高品質なワインが数多く揃っております。是非この機会に世界の注目を集める南アフリカワインの魅力をご堪能ください。
目次
南アフリカワインを知る3つのキーワード
伝統と革新の共存
人種・言語・文化が多様な多民族国家で、「レインボー・カントリー=虹の国」と呼ばれることもある南アフリカ。南アフリカワイン協会会長のマイケル・ジョーダン氏曰く、南アフリカは「伝統と革新の最適なブレンドが可能な国」で、360年以上にわたるワイン造りの歴史がある一方、バラエティに富んだ新たな品種の導入や産地開拓の動きが盛んです。生み出されるワインは、旧世界のエレガンスと新世界の果実味を備えると言われ、世界のワイン評論家やソムリエから熱い注目を集めています。
環境と人に配慮したワイン造り
南アフリカワインのコンセプトは、「自然環境保護とワイン産業の共栄」。「環境と調和したワイン生産」(IPW)や「生物多様性とワインのイニシアティブ」(BWI)といった南アフリカ独自の制度があり、2010年ヴィンテージからは世界で初めてサステイナビリティ(持続可能性)を保証するシールを採用。また、2019年に世界で販売されたフェアトレードワインのうち、なんと3分の2が南アフリカ産となっているなど、環境と人に配慮したワイン造りが行われています。
「オールド・ヴァイン・プロジェクト」
環境への配慮だけでなく、南アフリカは古樹に対する保護を熱心に行っています。2018年には樹齢35年以上の認定畑から造られるワインに対して樹齢を記載したシールの運用を世界で初めて開始。生まれ年のヴィンテージワインよりも、生まれ年と同じ樹齢のワインの方が比較的安価かつ市場でも見つかりやすいため、誕生日プレゼントをお探しの方にもおすすめです。
南アフリカの代表的産地
①ステレンボッシュ
南アフリカワインの中心地。多様なテロワールを持ち、降水量に恵まれ、水はけも良いことからカベルネ・ソーヴィニヨンやピノタージュを筆頭に、高級品種の栽培に適しています。また、ブドウ栽培と醸造学の学位を受けることができるステレンボッシュ大学や、ワインの研究を行っているエルセンバーグ農学校、ニットフォルベイ研究所などもあり、ワイン産業全体の中心地にもなっています。
②フランシュック
フランス移民が多く、フランスに強く影響された町並みやレストランが美しいグルメタウン。ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどの国際品種が多く栽培されています。また、赤ワイン用品種ではカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズ、メルロが多く、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られるキャップ・クラシックの産地としても有名です。
③スワートランド
南アフリカ、西ケープ州最大の地区。伝統的にフルボディの赤ワインや高品質な酒精強化ワインが生産されていましたが、近年ではシュナン・ブランやシャルドネ、ピノタージュやカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が増えています。また、自然派の造り手も多く、近年では生産者団体である「スワートランド・インデペンデント・プロデューサーズ(SIP)」のメンバーを中心に、非常に評価の高いワインも生み出されている、注目の産地です。
④エルギン
南アフリカ・ケープタウン周辺では平均気温が最も低いエルギン地区。ここは、フランス・ブルゴーニュ地方とほぼ同じ気候で涼しく、そのためワイン用のブドウがゆっくり成長し、良質のブドウが採れる地域として知られています。主に栽培されている品種は、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、シラーズなど。生み出されるエレガントなワインは、世界的な評価を獲得しています。
⑤ウォーカーベイ
ホエールウォッチングで有名なハーマナスやスタンフォードの街を含む地区。冷たい海風が影響しているため南アフリカで最も冷涼な気候であり、シュナン・ブランやピノタージュ、ローヌ品種が多く栽培されています。また、ヘメル・アン・アード地区は、南アフリカに珍しく土壌には粘土質が多く含まれていることから、高品質なシャルドネやピノ・ノワールも栽培されています。
南アフリカを代表する2品種とおすすめ銘柄
ピノタージュ
南アフリカを代表するブドウ品種の筆頭であり、カベルネ・ソーヴィニヨンと並び称せられるのがピノタージュ。1925年、ピノ・ノワールとサンソー(=エルミタージュ)の交配によって誕生し、それぞれの品種の名前の半分ずつを取って名付けられました。生み出されるワインは、非常に濃い鮮やかな赤色で、木いちごやドライフルーツにスモーキーな香りが重なったアロマが特徴です。また、ピノタージュを主体に、その他のブドウ品種をブレンドしたワインはケープ・ブレンドと呼ばれています。
シュナン・ブラン
世界的なワイン評論家、ジャンシス・ロビンソン氏も、「非常に凝縮感があるきりりとしたワインで、世界で最もコストパフォーマンスのよい辛口の白ワインであるとも言える」とコメントする南アフリカのシュナン・ブラン。原産はフランスのロワール地方と言われていますが、栽培面積は南アフリカが世界一です。また、シュナン・ブランを主体に、その他のブドウ品種をブレンドしたケープ・ブレンドも愉しまれています。
バラエティ豊かな国際品種とおすすめ銘柄
ピノ・ノワール
ブルゴーニュ原産で世界各地に熱狂的なファンを持つピノ・ノワール。近年では冷涼なニューワールドでも本家に引けを取らない質のワインが生まれており、南アフリカの冷涼地域においても熱心にワイン造りが行われています。特にケープ・サウス・コーストに位置するエルギンやウォーカーベイは評論家たちも注目する産地。ブルゴーニュを彷彿とさせるストラクチャーとエレガンスを備えたピノ・ノワールは、ピノ愛好家を魅了する味わいです。
ボルドーブレンド
南アフリカでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが黒ブドウ最大の栽培面積を誇っており、メルロを一緒にブレンドしてリリースするボルドーブレンドも非常にポピュラーです。特にフランス移民が多いフランシュック地区においては、ボルドーを思わせるエレガントなフレンチスタイルの赤ワインも生み出されています。
シャルドネ
白ワインの女王として名高い品種、シャルドネ。近年南アフリカでは冷涼産地でその生産量を高めており、ピノ・ノワールと並び注目され、高評価を獲得するワインが造られています。特にエルギンなどの冷涼な地区から生み出される上質なシャルドネは、まるでブルゴーニュを彷彿とさせる仕上がりです。
ソーヴィニヨン・ブラン
南アフリカの白ブドウの栽培面積第3位のソーヴィニヨン・ブラン。ボルドーブレンドとしてリリースされることも多い品種ですが、冷涼地区での生産量を増やしており、コースタル・リージョンやサウス・ケープ・コーストの主要2産地の数多くの地区で栽培されています。
輸出が拡大するスパークリング・ワインとおすすめ銘柄
多種多様なワインが生み出される南アフリカですが、スパークリングワインもその例に漏れておらず、フレッシュで爽快感のあるスパークリングから芳醇なスタイルに仕上がったものまで幅広く造られています。特にシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られるキャップ・クラシックが成功を収めており、2009年からの10年間で約16倍にも輸出量が成長。今後も注目のスパークリングワインです。
商品一覧
12 件
エルギン シャルドネ クローナル・セレクション
白
エレガント&ミネラリー
南アフリカ初のマスター・オブ・ワインが手掛ける高評価ワイナリー。ボリューム感のあるボディと豊富なミネラル感が特徴の1本。 詳細を見る
5.0
(1件)2019年
8,360 円
(税込)
2019年
8,800 円
(税込)
ヴァン・ド・コンスタンス [ボックス付き]
白
リッチ&コンプレックス
- 甘口
南アフリカ最高峰の名声と歴史を誇るワイナリーのフラッグシップキュヴェ。ナポレオンが愛飲した伝説のデザートワイン。 詳細を見る
4.7
(6件)2013年
22,000 円
(税込)
WA 96